4 | VTuber事務所「ホロライブ」のカバーが北米拠点を設立、YAGOO氏が展望を語る | ----------- | |
2024-03-13 18:20 | ????0? | ||
もちろんそういった側面はあるのだが、それらと大きく異なるのは見方を変えれば強力な自社IPを抱えたキャラクタービジネスでもあるという点だ。実際、ここ3年ほどでカバーの収益構造は大きく変化している。スーパーチャット(投げ銭)など動画配信サービスを通じた売上が占める割合は年々下がっており、2024年3月期Q3の売上予想では、ついにマーチャンダイジングやライセンス、タイアップによる売上が半分以上となる見込みだ。他社のプラットフォームの上に成り立つマネジメント業務からIPビジネスへの移行に成功したと言っても良いだろう。無論、イメージ通りの「VTuber事務所」として表面的に捉えてもトップランナーであることは間違いない。所属タレント86名(各言語圏のグループを合算した人数)の総チャンネル登録者数は2023年12月末時点で8,625万人に上り、VTuberチャンネル登録者数ランキング(2024年2月末時点・ユーザーローカル調べ)でも「ホロライブEnglish」所属の「がうる・ぐら」(444万人)やホロライブ所属の「宝鐘マリン」(307万人)を筆頭にトップ10のうち8人を占める。国内外の登録者数トップを獲得しているだけでなく、視聴時間ランキングでも「兎田ぺこら」が1位、「博衣こより」が3位とアクティブな視聴者を多く抱えている(2023年・Stream Charts調べ)。また、コンテンツの力を高めるためにあえて二次創作を公に広く受け入れている点は既存のキャラクタービジネスと少し異なる。アニメやマンガなら二次創作は著作権者のお目こぼしで成り立つもの、ひっそりと楽しむものというのが大抵のジャンルでの掟だが、ホロライブを含めVTuber業界では最低限のガイドラインを設けた上で切り抜き動画や応援広告などさまざまな形でのファンによる活動を許可するところが多い。動画配信サービスやSNSを土俵としている以上、UGC(User Generated Contents)の拡散力は強力な追い風となるからだ。たとえば、先に挙げた国内登録者数トップのホロライブ所属タレント「宝鐘マリン」が2023年7月に公開したオリジナル楽曲「美少女無罪♡パイレーツ」の例を見ると、本人のYouTubeチャンネルにアップロードされた公式MVが3,735万再生(2月末時点)とヒットしただけでなく、TikTokでの楽曲使用動画は約6万本で3億再生、YouTubeでの楽曲使用も4,000本以上と圧倒的な量のUGCが生まれている。楽曲のヒットだけに留まらず、VTuber史上初となる『FNS歌謡祭』への出演にもつながり、チャンネル登録者の増加も加速し1月にはチャンネル登録者数300万人を達成するなど、まさにPGCとUGCの循環が爆発的なヒットを生んだ事例と言える。最初の海外拠点を北米に設けた理由は、ホロライブENを立ち上げた際のビジョンとも重なる。同社ではVTuberを「モーションキャプチャーを用いてアニメルックアバターで活動するバーチャルエンターテイナー」と定義しており、従って海外展開にあたってターゲットとなるのはアニメ文化が根付いている=アニメルックなコンテンツが受け入れられる土壌の整った地域となる。その筆頭に挙がるのはやはり、日本アニメ市場の規模が大きく、同時に自国産の強力なIPが多数ありキャラクタービジネスそのものが根付いている市場でもある北米ということだろう。 -- ???????? | |||
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