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会津バスに「スマートバス停」、KDDIなど導入支援――LPWA・電子ペーパー活用で外部電源不要

 みちのりホールディングスと傘下の会津乗合自動車(会津バス)は、「スマートバス停」を導入する。KDDI、凸版印刷、ナビタイムジャパン、ウェザーニューズの4社と共同の実証実験として、2月17日より会津若松市内の2カ所に設置される。

スマートバス停。2面タイプ(左)と1面タイプの2種類

 「スマートバス停」では、時刻表、路線図、料金に加え、バスのリアルタイム運行情報を表示可能。多言語表示により、外国からの旅客にも対応する。

 さらに、天候や道路の情報、バス会社からのお知らせ、緊急時の避難情報なども配信する。これらの情報をスマートフォンなどのブラウザから利用できるWebサービスも用意。地域住民や観光客の端末への情報提供も行う。

バス停での表示(左)とスマートフォン向けの情報配信のイメージ

 デバイスは情報表示には晴天下でも見やすく、省電力性に優れた電子ペーパーディスプレイを採用。紙の時刻表を張り替える必要があった従来型のバス停と比べて、より高頻度の情報更新が可能となっている。IoT向けの無線通信に「LPWA」を活用して、消費電力や通信コストを低減。低消費電力で、バス停に設置したソーラーパネルの供給電力だけでも駆動する。

 今回の実証実験では、会津若松市内のバス停「神明通り」と「鶴ヶ城入口」の2カ所にスマートバス停を設置。ディスプレイが2面のタイプと1面のタイプがそれぞれ検証される。LPWA通信は、LTEをベースとした規格「LTE-M」が利用される。実験期間は2019年3月末まで。

 みちのりホールディングスと会津バスが実証実験を取りまとめ、バス停の機器の設置とメンテナンスは凸版印刷が行う。KDDIが通信環境を整備し、ナビタイムジャパンとウェザーニューズはそれぞれ乗換情報や気象情報などを提供する。

 機器・通信は低コストで、外部電源も不要としたことから、従来のあらゆるバス停を置換可能としている。将来的には、時刻表や路線データなどをGTFS形式のような標準規格に準拠させ、オープンデータ化することも見込んでいる。また、バス停を利用したサービス改善や電子広告の配信などの機能強化も検討される。