みんなのケータイ

スマホの次を考えたくなるSIM入り翻訳機「POCKETALK」

 本コーナーでこれを紹介するのがいいのかどうか少し悩んだが、SIMカードが刺さっているデバイスなのでよしとしようと自分を納得させた。ソースネクストが昨年末に発売した「POCKETALK」(ポケトーク)という製品である。

「POCKETALK」(ポケトーク)
背面にはSIMカードスロット。世界中で使える

 小型のモバイルWi-Fiルーター、もしくはモバイルバッテリーといった外観だが、そのどちらの機能も持っていない。いわゆる翻訳機である。

 元々はTravisというオランダの会社がクラウドファンディングで開発・販売している製品なのだが、日本ではソースネクストが販売権を取得し、ソラコムのSIMカードをバンドルする形で販売している(SIMカード無しでも無線LAN経由で利用できる)。

 まあ、どうせスマホを持っているんだから、別に翻訳だけできるデバイスはいらないだろう。と、最初は筆者も思っていたのだが、実際に翻訳させてみると、レスポンス、精度ともにかなりの実力を持っていることが分かる。結構な長文を話しかけてみても、きちんと翻訳してくれるのだ。

日本語から英語への翻訳例

 正直なところ、ディスプレイ下部のカーソルでの設定作業はお世辞にも快適とは言い難いが、言語設定を済ませてしまえば、翻訳元の言語側のカーソルをタップして話しかけるだけなので、大きな支障は無いだろう。

2018年1月23日時点では63言語に対応
microUSBで充電する

 先日、とある外国人レーシングドライバーや、とある英会話学校関係者にデモして見せてみたところ、2年間の通信費込みで2万9800円(税別)という手頃さも手伝ってか、両者ともにすごい勢いで食いつきてきた。前者は純粋に使いたいというポジティブな反応であったのに対し、後者は興味を示しつつも危機感が沸き上がる何とも微妙なリアクションだったのが印象的だった。

 観光旅行先では片言の英語でも何とかなるが、もっとディープな旅行がしたいという人にとっては強い味方になってくれるだろう。

 競争環境の変化によって生き残りが難しくなってきたMVNO業界も、みんなで大手キャリアと同じようなことをやっていてはダメ。そんな中で登場したPOCKETALKは、まだまだ粗削りではあるが、スマホじゃない何かについて、そろそろ真剣に考えてみようと思えるデバイスの一つだ。