山根康宏の「言っチャイナよ」

世界初のディスプレイ指紋認証センサー搭載端末登場

iPhone Xそっくりなスマホも

 中国にはまだ知られざるスマートフォンメーカーが多数あります。本誌「みんなのケータイ」でもおなじみの香港在住のモバイル・ジャーナリスト山根康宏氏が最新の中国スマホ事情を解説。

 2018年1月に中国で発売された新製品の中から、ディスプレイタッチで指紋認証できる端末や、4つのカメラを搭載した低価格モデルなどを紹介します。

Vivoから世界初のディスプレイ指紋認証センサー搭載端末

 Vivo(維沃移動通信)の「X20 Plus Screen Fingerprint Version」はディスプレイに指紋認証センサーを内蔵した世界初の製品。センサーにはSynaptics社の「Clear ID」を採用しており、ディスプレイの中央下部を指先でタッチすることで画面ロック解除などが可能だ。すでに発売中の「X20 Plus」のディスプレイ部分を変更したものだが、本体背面に指紋認証センサーを搭載する同製品の本体厚み7.45mmに対し、「X20 Plus Screen Fingerprint Version」は背面をカメラのみとしたことから7.35mmと薄くなっている。

 チップセットはQualcomm Snapdragon 660、メモリ4GB、ストレージ128GB、ディスプレイは6.43インチ、2160×1080ピクセル、メインカメラ1200万画素+500万画素、インカメラ1200万画素+1200万画素、バッテリー3905mAh。サイズは165.2×80.2×7.35mm、183.1g。価格は3950元(約6万8040円)。

Meizuから初の18:9ディスプレイ搭載端末登場

 Meizu(珠海市魅族科技)の「mblu S6(魅藍S6)」は同社初のアスペクト比18:9を採用する端末。なお、グローバル向けには「Meizu M6s」の型番で発売される。指紋認証センサーは本体の右側面に配置。ディスプレイ下部のホームボタンは無い代わりに、ナビゲーションボタンに「Super mBack」ボタンを配置。タップ、ロングタップ、スワイプなどでホームやタスク切り替えなどが行える。18Wの出力の独自の高速充電「mCharge」にも対応する。

 チップセットはSamsung Exynos 7872、メモリ3GB、ストレージ32GBまたは64GB、ディスプレイは5.7インチ、1440×720ピクセル、メインカメラ1600万画素、インカメラ800万画素、バッテリー3000mAh。サイズは152×72.5×8mm、160g。価格は32GBが999元(約1万7190円)、64GBが1199元(約2万640円)。

本格的な防水防塵スマホをAGMが発表

 AGM(深セン市艾捷莫科技)の「X2」はマイナス30度でも利用できるというタフ仕様のスマートフォン。MIL-STD-810GとIP68の防水防塵をクリアし、プロユースにも耐えうる高い強度を誇る。1.5m防水で、本体は250gとこのクラスの製品としては軽量のため、水に落としても浮かぶ。本体を落下させると10秒で自動的にSOS発信する機能も備えている。

 チップセットはQualcomm Snapdragon 653、メモリ6GB、ストレージ64GBまたは128GB、ディスプレイは5.5インチ、1920×1080ピクセル、メインカメラ1200万画素+モノクロカメラ(画素数不明)、インカメラ1600万画素、バッテリー6000mAh。サイズは168.5×83.4×14mm、250g。価格は64GBが3699元(約6万3740円)、128GBが4199元(約7万2270円)。背面が革張り版もあり4699元(約7万9250円)。

宝石スマートフォンSugarから6400万画素相当の4カメラ端末登場

 Sugar(深セン糖果通訊科技)の「S11」は6400万画素相当という高画質カメラを搭載したスマートフォン。前後合計4つのカメラを搭載している。メインカメラの1つは1600万画素で、フィンランドVisidon社の技術で4枚の写真を合成し6400万画素相当の画質が得られる。またフロントカメラは120度の超ワイドで室内の集合セルフィーも楽にこなす。

 チップセットはQualcomm Snapdragon 450、メモリ4GB、ストレージ64GB、ディスプレイは5.99インチ、2160×1080ピクセル、メインカメラ1600万画素+800万画素、インカメラ2000万画素+800万画素、バッテリー3060mAh。サイズは159.5×74×7.85mm、重量不明。価格は2499元(約4万2940円)。

新たなメーカーLeZhuoが市場参入、高スペックで攻める

 LeZhuo(楽卓通訊科技)は「WarGod Z1」で中国のスマートフォン市場に参入を開始した。流行りの大型ディスプレイ+スリムデザイン、そして6GBと大容量のメモリを搭載した製品で市場開拓を目指す。参入キャンペーンとして2017年3月12日いっぱいまで他社のスマートフォンからの乗り換えの場合、定価から500元(約8640円)の割引が受けられる。

 チップセットはMediaTek Helio P25、メモリ6GB、ストレージ64GB、ディスプレイは6インチ、2160×1080ピクセル、メインカメラ1300万画素+500万画素、インカメラ1300万画素、バッテリー3050mAh。本体サイズは不明。価格は1999元(約3万4380円)。

老舗家電メーカーChang Hongも18:9スマートフォンに参入

 Chang Hong(四川長虹通信科技)の「S18」は6インチの18:9ディスプレイを搭載、フロントカメラも強化したモデル。同社は中国でTVなどを手掛ける大手家電メーカーでもある。Chang Hongのスマートフォンは価格重視のエントリーモデルが多いが、このS18はOPPOの上位モデルにも匹敵する同社としては珍しい、若いユーザーをターゲットにした戦略的モデルでもある。本体横には専用の省電力ボタンも備える。

 チップセットはMediaTek Helio P25、メモリ4GB、ストレージ64GB、ディスプレイは5.99インチ、1440×720ピクセル、メインカメラ1300万画素、フロントカメラ1300万画素、バッテリー3500mAh。本体サイズは159.5×74×8.1mm、重量不明。価格は1999元(約3万4380円)。

4カメラで1000元を切る低価格カメラフォンがSopから登場

 Sop( 深セン市賽博宇華電子科技)の「P10」はメインカメラ2つ、インカメラ2つの合計4つのカメラを搭載するカメラ強化スマートフォン。メモリ容量を抑えるなどして1000元を切る低価格を実現している。前後それぞれサブカメラには500万画素のものを搭載し、奥行きやボケを強化した人物写真を撮ることを得意としている。

 チップセットはMediaTek MT6750、メモリ4GB、ストレージ64GB、ディスプレイは5.7インチ、1440×720ピクセル、メインカメラ1300万画素+500万画素、インカメラ800万画素+500万画素、バッテリー2850mAh。本体サイズは155.7×71.1×7.9mm、重量不明。価格は899元(約1万5530円)。

iPhone Xの形をそのままトレースしたスマートフォン

 Lingwin(深セン市新迪恆通訊科技)の「X-apple 9X」は、iPhone Xをほぼそのままの形で再現したスマートフォン。iPhone X同様ディスプレイ上部にはノッチがあるデザイン。また背面はデュアルカメラに見えるがシングルカメラで、その下にはiPhone Xにはない指紋認証センサーを搭載している。

 チップセットは不明でオクタコアプロセッサ採用、メモリ4GBまたは6GB、ストレージ64GBまたは128GB、ディスプレイは5.99インチ、2160×1080ピクセル、メインカメラ1300万画素、インカメラ800万画素、3000mAhバッテリー。本体サイズは不明。価格は3999元(約6万9080円)。

山根康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。