Androidニュース&アプリ情報メディア

新着

5/recent/ticker-posts

【せう先生のスマホ講座】第88回:意外と知らない、防塵・防水等級の意味をチェック!

GAPSISをご覧の皆さん、「せう」です。こんにちは。先日、全裸用・風呂用タブレットとして「arrows Tab F-02K」を入手しました。スタイラスペンが使えるなど、単なる風呂用には留まらない活躍をしてくれそうです。詳しいレビューは「arrows @」に掲載していきますので、GAPSISともどもよろしくお願いします!

<▲図:防水や防塵の等級表示ってバラけてますよね……>

ところでこのF-02K、IPX5/IPX8等級の防水とIPX8等級の防塵性能を有しています。防水や防塵の表記の意味、分かっているようで分かっていない人も少なくないと思うので、ここでちょっとおさらいしてみたいと思います。

■IP=International Protection

<▲図:IP等級を定めている国際機関「IEC
(International Electrotechnical Commission)>

「IP」は「International Protection」の略で、電子機器の防護性能に関する世界共通の等級表記基準で、スイスに本部がある「国際電気標準会議(IEC: International Electrotechnical Commission)」が定めたものです。

IEC規格としては「IEC60529」という文章内に定義されていますが、日本でも日本工業規格の「JIS C 0920」としてIP等級を採用しています。



■IP等級の見方は?

<▲図:IP等級はこんな感じです>

IP等級の1つ目の数字は「外部からの固形物の侵入に対する耐性」を、2つ目の数字は「外部からの液体物の侵入に対する耐性」を表しています。簡単に言えば、1つ目の数字が「防塵性能」を、2つ目の数字が「防水性能」を表しています。

具体的には、以下の通り定義されています。

1.外部からの固形物の侵入に対する耐性
数字 防護内容
0防護なし
1直径50mm以上の固形物(握りこぶしぐらい)から防護
2直径12.5mm以上の固形物(指ぐらい)から防護
3直径2.5mm以上の固形物から防護
4直径1mm以上の固形物から防護
5防塵(少しなら粉じんが入っても問題ない設計)
6耐塵(粉じんが内部に入らない設計)
X定義なし(液体物耐性のみ言及するときに利用)

2. 外部からの液体物に対する耐性
数字 防護内容
0防護なし
1鉛直に垂れる水滴から防護



215度以内で傾斜させて鉛直に垂れる水滴から防護
3鉛直から60度以内で噴霧した水で機能に支障をきたさない
4あらゆる方向からの水しぶきで機能に支障をきたさない
5あらゆる方向から直接水をかけても機能に支障をきたさない
6あらゆる方向から水をかけても機能に支障をきたさない
7規定の圧力・時間で水に沈めても機能に支障をきたさない
87番基準よりも厳しい基準で継続して水に沈めても機能に支障をきたさない
X定義なし(固形物耐性のみ言及するときに利用)

このようになっています。例に出した「IP68」という書き方の場合、「耐塵設計かつIPX7を上回る防水設計をしている」という意味になります。

IPX8を除き、具体的な試験基準は規格内に内包されています(今回は省略します)。「では、IPX8はどうすれば名乗れるの?」ということになりますが、IPX7の試験基準を超える防水性能を満たすと試験で明らかになれば、一律の基準なく名乗れます。



■「IPX5/IPX8」って書き方はどういうこと?

<▲図:IPX5とIPX8は「別軸」の基準なので、このような書き方に>

IP等級の表記方法には少し問題があります。「外部からの液体物に対する耐性」について、1番から6番までが「防滴・耐水」を見ているのに対して、7番と8番は「防水(耐浸水)」を見ているので、防滴・耐水と防水の両方の性能を満たしている場合に1つのラインで同時に書くことができないのです。

そのため、冒頭に出したF-02Kの場合、液体物耐性と固形物耐性を別々に書き、前者は2つをスラッシュで区分するという方法で表記しています。「IP68とIPX5」あるいは「IP65とIPX8」といった書き方もできなくはないのですが、ちょっと美しくないですしね……。


ということで、今回をもって「せう先生のスマホ講座」を少しお休みします。お休みの期間は2~3カ月を予定しています。できるだけ早く復帰したいと思っていますので、よろしくお願いします!(チラチラ

(編集部注:リニューアル、システム変更等、編集部都合のいくつかの理由となりますが、一旦一部コラムを休載します。ご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます)


記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue

静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。

「せう先生のスマホ講座」の他の記事はこちら
本コラムは毎月第1・第3日曜日更新予定!

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:0 件