NTTドコモは、スマートフォンなどで映画やドラマ、アニメ、趣味など30以上の専門チャンネルが見放題となる映像サービス「dTVチャンネル」の提供を2018年1月30日に開始した。さらにdTVチャンネルなどNTTドコモの全ての映像サービスなどを自宅のテレビで視聴するためのセットトップボックス「ドコモテレビターミナル」を2018年1月30日に発売した。dTVチャンネルの位置づけなどを、NTTドコモの山脇晋治氏(コンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス担当部長)とアイキャストの安西浩樹氏(サービス本部編成部部長)に聞いた。

(聞き手は本誌編集長=田中 正晴)

NTTドコモの山脇晋治氏(右)とアイキャストの安西浩樹氏
NTTドコモの山脇晋治氏(右)とアイキャストの安西浩樹氏

現状、手ごたえはどうか。

山脇  スタートしたばかりの段階ではあるが、想定以上に多くの契約をいただいた。dTVチャンネルとdTVをセットにした「dTVお得パック」が大半を占める。既存のdTV会員は、もともと映像サービスに興味のある方が多く、かつ、既に月額500円を支払ってもらっておりプラス月額480円を追加すれば(ドコモ回線利用の場合)dTVチャンネルも利用できる。ぜひ利用してほしいと期待していたが、お得パック会員の約半分は、既存のdTVユーザーの方だった。この点も、期待以上の形でサービスが立ち上がり、手ごたえを感じている。

dTVチャンネルは、dTVとは別サービス/別アプリとして提供が始まった。

山脇  あえて別サービスの形でスタートさせることにした。dTVでも一部リニア配信を提供しているが、一般にはVODサービスとして広く認知されている。一方、dTVチャンネルはリニア配信にこだわってサービスを組成した。リニアの映像配信と、VODの映像配信とを別サービスにしたほうが、同じ映像サービスでも違うということが、一般の方にも理解してもらいやすいと考えた。

 アプリについては、サービス開始時期を想定したときに、dTVとは別に用意した。将来的には、ユーザーの利用状況や声を聞いていく中でアプリを統合するという選択肢もあるかもしれない。

 まずは両アプリ間での連携機能を具備して、お得パックの契約者はdTVとdTVチャンネルの間をグルグル回るような相互利用を促進させていきたい。例えば、dTVチャンネルで視聴された映画やドラマに出演している役者が登場する映画やドラマがdTV側にあれば紹介し、それをタップするとdTVアプリが立ち上がり、作品の再生がすぐに始まるといった形だ。逆に、dTVで視聴した作品に関連したリニア配信がいつどのチャンネルであるかお知らせするといった形もあるだろう。こうした機能はぜひ実現させたい。

ch編成のコンセプトは。若年層を意識したのか。

安西  基本は幅広い利用者に使ってもらうことを目的に、ジャンルは幅広く整えようと考えて、バランスよく編成することを目指した。若年層についても意識は一部あって、例えば女性アイドルに特化した番組で構成する「Kawaiian for ひかりTV」、K-POP中心でdTVチャンネルのみで視聴できる「Kchan!韓流TV」などは、若年層にもアピールできると期待している。

 あと衛星放送、ケーブルテレビなど他の多チャンネル放送プラットフォームにない独自のチャンネルも編成しており、dTVチャンネルの一つのアピールポイントになっている。「BOOMERANG」「ニコロデオン」などのアニメチャンネル、ソニー・ピクチャーズの最新海外ドラマや映画などを編成する「ソニー・チャンネル」、クルマやバイクに特化した「Discovery TURBO」などである。

 また「ひかりTVチャンネル+」は、NTTドコモと我々で自主編成する(チャンネルの運営はNTTぷらら)。ここではdTVチャンネルのオリジナル番組を展開していく。「ひかりTVチャンネル+」の開局を記念して、スキマスイッチのライブを3月29日に開催、同チャンネルで独占生配信を行う。ほかにも様々なオリジナル作品を準備中だ。