スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

わぁ~Galaxy Book 10.6も買っちゃった~♪

わぁ~Galaxy Book 10.6も買っちゃった~♪

 2018年に入った途端にサムスンの「Galaxy Book 12.0」を購入(レビュー記事)した筆者ですが、その後、アレコレ考え迷い気を失いつつ「Galaxy Book 10.6」(公式ページ)も買ってしまいました♪ サブ機的に使用して約3カ月が経過しましたので、今回はGalaxy Book 10.6のレビューを。

サムスンの2in1 Windows PC「Galaxy Book」シリーズ。10.6インチモデルと12.0インチモデルがあり、どちらにもキーボードカバー(英語配列)が付属し、カバーを外せばタブレットとして使えます。筆圧検知4096段階対応のスタイラスペン「Sペン」が付属するのも特徴的。筆者は12.0インチモデルを購入後、「かなりイイぞ!」と気に入って10.6インチモデルも追加購入しました。12.0インチモデルはコストコのみで販売されていて、年始頃の価格は13万9800円でした。10.6インチモデルの実勢価格は9万5000円前後のようです。

 10.6インチモデルを買ったのは、単に小さいから。12.0インチモデルをかなり気に入って使っていますが、まずSペンで書いたり描いたりするフィーリングが非常に良く、ほかの筆圧対応スタイラスの書き味とは一線を画している感じ。また、筆者とこの世代のWindowsとの相性もよく、Windows 7以来久々にフラストレーション僅少で使えています。安定性も十分といった印象で、いろいろ快適。

 そんな12.0インチモデルですが、唯一の残念点はそのサイズ。携帯にはわりと向くサイズ感ではあるんですが、筆者が愛用しているバッグにギリギリ入らないんです。10.5インチiPad Proはちょうど入るけど、Galaxy Book 12.0を入れるには無理がある~キーボードカバー装着状態だと無理矢理感満載~、みたいなギリ感。これ、もうちょっとだけ小さければいいのにな~、と。

 そこで単純に10.6インチモデルに興味が出ました。サイズを見ると常用バッグにイイ感じで収まりそう。大きさとしては10.5インチiPad Proとだいたい同じなので、愛用のバッグに問題なく収まるハズです。また、質量も12.0インチモデルより100g以上軽い点でも、やはり魅力的な10.6インチモデル。

 でもバッグに入るとかちょっと軽いとかで似たようなマシン買い増しってどうなのよ? いや大切でしょそういうトコロ。そうかな~バッグ買い換えのほうが……いやいや気に入っているバッグ買い替えるとソコから綻びが始まってだなあ、などと迷っていたら、ななな何ですと~ッ!

 何とジャストなタイミングでNTT-Xストア(公式ページ)にてGalaxy Book 10.6が1万7400円引きで売られているぅ~! 筆者の需要とショップの供給が激マッチ! ていうかヤバいコレは明らかにお導きだ運命だッ! というわけでスコッと買ったのでした。ちなみに、当時のNTT-XストアでのGalaxy Book 10.6通常価格は9万7200円でしたが、現在はGalaxy Bookシリーズの扱いはないようです。

 てなわけで以降、Galaxy Book 10.6の使用感などについて書いてみたいと思います。でも筆者的結論を先に言っちゃいますと、画面サイズも表示品位も処理性能も打鍵しやすさも12.0インチモデルのほうが上ですが、持ち歩いて使うというコトになると10.6インチモデルは非常に良い。PCとしてもバッチリ使えるデジタルお絵描きタブレットとして考えると、持ち運びの利便まで含めてけっこー最強感のある一台だと感じています。

Galaxy Book 10.6ってどんなPC?

 まずはGalaxy Book 10.6の概要から。前述のとおり、2in1のWindows PCで、OSとしてはWindows 10 Pro(64bit)を搭載しています。プロセッサは第7世代Core m3(デュアルコア/2.6GHz)で、メモリ4GB、内蔵ストレージが128GBのeMMC。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/ac対応でBluetoothは4.1+LE対応です。

 ディスプレイは10.6インチTFT/フルHD解像度(1920×1280ドット)で、本体カバーを兼ねた取り外し式のキーボードカバーが付属し、キー配列は英語配列。また、画面上部に5MPのインカメラを内蔵(アウトカメラは無し)し、本体右側面にUSB3.0ポート(USB PD対応)と音声ジャックとmicroSDカードスロットを搭載しているほか、筆圧検知4096段階対応のスタイラスペン「Sペン」が付属します。

Galaxy Book 10.6は、2in1のWindows PC。OSはWindows 10 Pro(64bit)を搭載しています。サイズは261.2×179.1×8.9mmで、質量は648g。スタイラスペンとして4096段階の筆圧に対応したSペンが付属します。Sペンはペン先の細さも特徴的。右は閉じた状態。
キーボード内蔵のカバーは外すことができます。外すとWindowsタブレットに。
キーボードカバーを使って端末角度を2段階(40°/55°)に調節できるほか、タブレットとして使いやすい角度にもできます。どの角度でも、キーボードを出したり、折って収納したりして使えて、収納時はタブレットモードとして動作します。
左上に電源ボタンと音量ボタン、右横にUSBポート/音声ジャック/microSDカードスロットを搭載。
付属ACアダプターは比較的に小型で携帯にも都合が良いサイズです。キーボードはやや小型で英語配列。

 といった感じのGalaxy Book 10.6。率直なところ、けっこー地味っていうか「あっココ凄いね」みたいなハードウェア的な要素はありません。実際に使うとSペンの書き味やアプリ連携の良さや、キーボード打鍵感の良さなど、独自の良さはあるんですが、外見的には「あっそう、ふーん」みたいな凡庸さ。また、持ってみると「ほかの2in1 PCより重い」という印象もあります。さらにキーボードカバーを装着した状態で持つと、「ほかの2in1 PCよりもかなり重い」という印象になるかもしれません。

Galaxy Book 12.0とGalaxy Book 10.6の違い

 Sペンが使えるWindowsタブレットPCことGalaxy Bookシリーズ。12.0インチモデルと10.6インチモデルがあるわけですが、画面サイズ以外はどのあたりが違うのか? まずは主要スペック比較表をつくってみましたのでご覧ください。

10.6インチモデル12.0インチモデル
プロセッサCore m3 2.6GHz/2コアCore i5 2.5GHz/2コア
OSWindows 10 ProWindows 10 Home
メモリ4GB8GB
内蔵ストレージ128GB eMMC256GB SSD
画面10.6インチ TFT
1920×1280ピクセル
12インチ sAMOLED
2160×1440ピクセル
アウトカメラ-13MP AF
インカメラ5MP
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n/ac, MIMO, Wi-Fi Direct
Bluetooth4.1/Bluetooth Low Energy
GPSGPS + GLONASS
USBUSB 3.1(Type-C) ×1ポートUSB 3.1(Type-C) ×2ポート
バッテリー30.4W, 急速充電39.04W, 急速充電
動画連続再生時間9時間11時間
サイズ261.2×179.1×8.9mm291.3×199.8×7.4mm
質量648g754g

 10.6インチモデルのほうは、Windows 10 Pro搭載ということで法人向けという立ち位置。処理性能もビジネスアプリ全般向けというイメージで、12.0インチモデルほどはパフォーマンスはありません。USBポートも1基で、モバイルユース重視のビジネスモデルという感じです。全体的に12.0インチモデルのほうが幅広く使える個人ユーザー向けというスペックになっています。

 実際の使用感ですが、使い比べると画面サイズやキーボードサイズの違いから、12.0インチモデルのほうが余裕をもって扱えます。処理性能の体感差は、10.6インチモデルでは「たまに動作がモッサリすることがある」という感じで、12.0インチモデルは「希に動作がモッサリすることがある」という印象。OS起動後しばらくやアプリ起動時は、10.6インチモデルのモッサリ感がやや目立ったりも。

 ただ、どちらも鬱憤を感じずに使えるレベルの処理性能で、たまに感じられる「モッサリ感」も「そういうもの」と思えば徐々に気にならなくなると思います。まあ、こういう「時々の反応の悪さ」はほかのノートPCにもアリガチなことですし、この世代のノートPCはスリープ・スリープからの復帰を繰り返しつつ、多用するアプリは起動しっぱなしで使うと思いますので、こういった「モッサリ感」と遭遇する機会はあまり多くないようにも思います。

10.6インチモデルは12.0インチモデルより一回り小さく、少々軽いという感じ。キーボードカバーのサイズも異なり、キーサイズも異なります。キーボード部については、12.0インチモデルはほぼ標準サイズのキーボードですが、10.6インチモデルはキーサイズもキーピッチも少し小さめです。
キーボードカバーでGalaxy Bookの画面傾きを数段階に変えられますが、これも10.6インチモデルと12.0インチモデルで異なります。10.6インチモデルは55°/40°の2段階で、12.0インチモデルが60°/53°/40°の3段階。どちらのキーボードカバーも、タブレットを斜めに支えるスタンドとしても機能します。

 ディスプレイはサイズや解像度のほか、デバイス自体が異なります。10.6インチモデルはTFTで12.0インチモデルはsAMOLED(有機EL)。発色の良さやコントラストの良好さや黒の深みでは圧倒的に12.0インチモデルが優れて見えますが、10.6インチモデルの画面もキレイ。並べて比べなければ10.6インチモデルの表示が劣っているような印象にはならないと思います。12.0インチの表示は、ちょっと発色が強すぎるという感じもしますので、使い方によっては10.6インチの表示のほうが「色が自然で無難」ということになるかもしれません。

趣味も仕事も捗るGalaxy Book 10.6

 Galaxy Book 10.6の全体的な使用感ですが、当たり前と言えばアタリマエなんですけど、「Galaxy Book 12.0の携帯性を高めたようなマシン」という感じ。Sペンの書き味や快適さはほぼ同じ(画面サイズ・解像度の差のぶん違いはありますが)。ざっくり言って「Galaxy Book 12.0の利便を気軽に携帯できるようにしたマシン」です。なお、Galaxy Book 12.0の使用感は本連載バックナンバー「正月早々 Galaxy Book 12.0 を購入!」に書きましたので、そちらも併せてご覧ください。

 Galaxy Book 10.6を使っていてイイ感じなのは、まずバッグへの収まりの良さ。サイズ感は、9.7インチiPadや10.5インチiPad Proと「だいたい同じ」。なので、それらが収まるバッグならGalaxy Book 10.6もたいてい収まります。Galaxy Book 10.6本体の質量は648gで、キーボードカバーを含む質量は約1000g(実測値)。iPadなどと比べると「重い端末」なので、軽快に携帯というイメージではありませんが、携帯可能な重さです。

9.7インチiPadとGalaxy Book 10.6を比べると、Galaxy Book 10.6が一回り大きいという感じです。カバーやキーボードカバーを装着した状態ですと、Galaxy Book 10.6のほうが一回り大きくてちょっと分厚いというイメージ。

 それとキーボードカバー。ややミニサイズの英語配列キーボードを備えたカバーで、本体を覆えるほか、スタンドとしての機能もある付属品です。このカバーの質量は約360gありますので、Galaxy Book 10.6は単体で携帯したほうがもちろん軽快です。

 ですが、キーボードの使用感が意外に良好。キーがやや小さいものの、ストロークもそこそこあるアイソレーションキーでタイプミスしにくい。筆者としては「出先でちょっとした原稿が書けるレベル」。良好な使用感を備えたキーボードなので、キーボードカバーごとGalaxy Book 10.6を持ち歩くことが多いです。

キーピッチは約17mmで、キーストロークは1mm少々。入力の瞬間にわりと明確なクリック感がありつつ静音性が高く、剛性もそこそこあるのでタイプしやすいです。Galaxy Bookとは接点により物理的につながり、電源もGalaxy Bookから供給されます。
キー配列は英語配列のみ。英語キーボードとしてはわりとベーシックな配列です。

 本体カバーにもスタンドにもなりつつ、けっこうイイ感じで使えるキーボードになるキーボードカバー。こういう付属品が備わっていると「やっぱりPCはイイなあ」と思います。パソコンとして違和感なく使えますし、選べるアプリが豊富で高機能ですし、ファイル操作や機器接続も非常にスムーズに行えます。データやウェブの閲覧だけならiOS/Andoroidタブレットとかでもいいんですが、ちょっと細かく作成するような用途はやっぱりパソコンが快適ですネ。

 それと、お絵描きマシンとしてのGalaxy Book。Windows 10タブレット系PCで筆圧対応スタイラス(デジタルペン)が使える製品は多いですが、Galaxy BookのSペンの書き味は独特。孤高とも言える独特さで、筆者にとっては非常に書きやすく描きやすいペンです。ハッキリ言ってしまうと、Surface Proのペンよりアナログ的な書き味があって楽しいし書きやすいし描きやすい。さらに言えば、iPad ProとApple Pencilとの組合せよりず~っと快適に書けるし描ける、と感じています。まあ書き味は好みによるところが多いですが、個人的にはSペンが使えるGalaxy Bookは「描きやすいうえにPCとしても十分実用的で、コストパフォーマンスが高い端末」だと感じられます。

 なお、Galaxy Book 10.6でお絵描き系アプリを使った印象ですが、たとえばプリインストールされていた「SketchBook」アプリを使うにおいては全然問題ナシで快適。定番ペイントツールの「Corel Painter 2018」を使ってみても、だいたい快適。ただ「Corel Painter 2018」の場合は重い処理を行うブラシなどを使うと、Sペンの動きに筆跡が付いてこなかったりします。また、お絵描きアプリ全般に言えると思いますが、レイヤーの数が増えるにつれてアプリのレスポンスが悪くなったりします。凝った描画をしようとするとGalaxy Book 10.6の処理能力ではちょっと物足りないことがある、というイメージでしょうか。

 筆者のGalaxy Book 10.6の使い方としては、ちょっとお絵描きしつつ、OneNoteなどを使って仕事関連の情報収集・整理をし、あとはメールを使ったりマップを閲覧したり。仕事に使えるサブ的ノートPCとして役立ちつつ、さらに気持ち良くお絵描きもできて、持ち歩くのが苦にならない端末となっています。自宅にいるときはより広々&キビキビと使えるGalaxy Book 12.0を使ってしまいますが、外に持ち出すノートPCとなると現在はこのGalaxy Book 10.6ばかりを使用中です。

 より安価で軽量で画面も大きなノートPCがありますので、単純にWindowsノートPCを買う場合の選択肢としては、Galaxy Book 10.6はちょっと考えにくいかも。ただ、Sペンの非常に良好な書き味で文字や絵を描いたいし、フツーに持ち歩いて使えるノートPCも欲しいという場合、Galaxy Book 10.6はかな~り現実的な選択肢となるような気がします。なので、興味のある方はぜひ一度吟味してみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。