スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマートフォンとBluetoothで健康管理!

オムロンのスマホ対応ヘルスケア製品×3機種

 筆者の場合、2003年7月15日から毎日、キッチリと血圧や体重を計測しています。などと日付がわかるのは、計測データを自動記録してファイルに残せる血圧計や体重計を使っているからです。2003年当時に使った機器が何だったかは忘れてしまいましたが、確かオムロンの製品だったと思います。

 さておき、現在も継続的に血圧や体重を計測して健康管理に勤しみつつも、やっぱり体重は激オーバーのままって感じで激残念ですがさておき、使用する血圧計や体重計を最近刷新しました。モノはどれもオムロン製。「手首式血圧計 HEM-6324T」(公式ページ)「体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン」(公式ページ)「活動量計 HJA-405T カロリスキャン」(公式ページ)です。どれもスマートフォンとBluetooth接続でき、計測データをスマートフォンアプリで閲覧・管理できるという製品です。

最近使いはじめたオムロン製ヘルスケア機器×3機種。どれもスマートフォンとBluetooth接続でき、スマートフォン用アプリ「OMRON connect」(公式ページ)で計測データを閲覧・管理できます。機種は左から、「手首式血圧計 HEM-6324T」「体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン」「活動量計 HJA-405T カロリスキャン」です。

 これらヘルスケア機器はスマホ対応ですが、使うとどうなるのか? 計測データをスマホに転送して計測値を閲覧したり、毎日の計測データをグラフ化して閲覧したり、あるいは計測データをファイル化(.csv)してメールで送信することができます。

 筆者は2003年から血圧などを計測云々と前述しましたが、かつて使ったヘルスケア機器からもデータを吸い出すことができました。具体的な方法は忘れてしまいましたが、最初の頃はUSBだったか独自のクレイドルだったかを経由し、ヘルスケア機器からPCへと計測データを転送。その後にNFCやBluetoothでヘルスケア機器→スマホ→クラウド→PCへ計測データの.csvファイルをダウンロード。方法は異なりますが、ヘルスケア機器の計測データをファイル化して保存でき、ヘルスケアデータにおける「ライフログ」をわりと手軽につくれていました。

 ただ、今年に入ってその流れが一時的に途切れてしまいました。詳細は省きますが、最近まで使っていた「ウェルネスリンク パソコン向けサービス」が終了(オムロンのお知らせページ)してしまったのです。筆者はこれまでこのサービスとスマホを使い、ヘルスケア機器から計測データを取り出して.csvファイルとして保存していましたが、それができなくなっちゃった。さあ困った!

 でもまあそこは大手メーカー。代替サービスが既に用意されていました。「OMRON connect(オムロンコネクト)」(公式ページ)です。これを使うと、対応ヘルスケア機器からスマホへと計測データを転送してグラフ表示などできたり、計測データをファイル化して保存することができます。で、早速このOMRON connect対応機機を購入(上の3機種です)。そしてOMRON connectアプリとともに使いはじめました。

 そうしたところ、「あらっ、前のウェルネスリンクより便利だし実用的だしスムーズ!」という感じに。てなわけで以降、OMRON connectおよび対応機機の使用感などをレポートしてみたいと思います♪

OMRON connectで何ができる? 対応機種は?

 筆者が現在使っているヘルスケア機器は、前述のオムロン製×3機種。これらを使っている理由は、OMRON connect対応機機だからです。ちなみに、現時点でOMRON connectに対応している製品は、オムロンの対応機器一覧ページより確認できます。

筆者が使用中のOMRON connect対応ヘルスケア機器。左から、「手首式血圧計 HEM-6324T」「体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン」「活動量計 HJA-405T カロリスキャン」です。実勢価格は、手首式血圧計が1万4000円前後、体重体組成計が1万2000円前後、活動量計が5000円前後です。ただし価格幅がけっこうあります。

 これらの機器、普通の体重計や血圧計などと比べるとちょっと高価。ですが、OMRON connectを使いたいので使用しています。なぜOMRON connectを使いたいかと言えば、理由は2つあります。

 ひとつは、各ヘルスケア機器で計測したデータを、OMRON connectアプリ経由でPCに保存できるから。具体的には計測データを.csvファイルとして書き出して、そのファイルをメールに添付して送付することでPCに保存できます。

 もうひとつは、アプリ上で計測データを閲覧できるから。たとえば毎日朝晩などに計測した血圧データをグラフ化して見ていけば、「ここ1週間で血圧が上昇傾向にある、気を付けないと」みたいな健康上の傾向をパッと見て対応することができます。

iOS版OMRON connectアプリの表示例。左はトップ画面で、接続したヘルスケア機器の最新計測値を一覧できます。中央は、トップ画面の計測値をタップして週/月/年などのグラフを見ている様子。計測値は平均値などでない一回分のデータも見られます。右は計測値を.csvファイルとして書き出す様子。期間を指定しての書き出しが可能です。

 OMRON connectアプリは、対応ヘルスケア機器の初期設定やスマートフォンとのペアリングもスムーズです。機器の設定もペアリングも、基本的には全てOMRON connectアプリ側の操作だけでOK。このテの機器は初期設定が面倒だし煩雑という印象を持っていた筆者ですが、OMRON connectアプリは「あ、もう終わった」と感じられるほど容易で手軽でした。

 それから、OMRON connectはほかのアプリとの連携も可能。OMRON connectアプリ上のデータをほかのヘルスケア系アプリから共有することができます。たとえばOMRON connectアプリのデータをiOS標準ヘルスケアアプリに渡し、ヘルスケアアプリ側でグラフ表示可能。つまり、OMRON connect対応ヘルスケア機器で計測したデータが、OMRON connect以外のアプリでも扱えるというわけです。

 なお、連携可能アプリは以下のとおり。

2016年11月より連携予定

    「ヘルスケア」(Apple社提供)
    「Welbyマイカルテ」(ウェルビー社提供)
    「ポケットドクター」(OPTiM社提供・開発)
    「curon(クロン)」(情報医療社提供)
    「PepUp」(日本医療データセンター社、ヘルスデータ・プラットフォーム社提供)
    「HEALTHPLAYER」(Practechs社提供)
2017年1月以降連携予定

    「あすけん」(ウィット社提供)
    「CARADA」(エムティーアイ社提供)
    「カロナビ」(クオリア社提供)
    「ippo-ippo ヘルレコ(仮称)」(SOMPOリスケアマネジメント社提供)
    「DiP2S(ディップス)」(ダックケーブル社提供)
    「Noom(ヌーム)」(Noom社提供)
    「RenoBody(リノボディ)」(ネオス社提供)
    「ヘルスアップWEB(健康情報管理支援サービス)」(ベストライフ・プロモーション社提供)
    「Mealthy(メルシー)」(Mealthy社提供)
    「カロミル」(ライフログテクノロジー社提供)

 また、OMRON connectでは無料で使えるクラウドサービスも提供しています。これはOMRON connectアプリ上にたまった計測データをクラウドに保存するためのもの。端末の機種変更などでアプリが初期化された場合でも、クラウドから計測データを読み込めます。

ヘルスケア機器とアプリの使用感

 筆者が使用しているヘルスケア機器およびOMRON connectアプリの使用感を少々。まずヘルスケア機器×3種ですが、OMRON connect利用を前提に言えば、ヒッジョーに快適です。「手首式血圧計 HEM-6324T」は手首に巻いて電源ボタンを押すだけ、「体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン」は裸足で乗るだけ、「活動量計 HJA-405T カロリスキャン」は身につけるだけ。使い方的にはまあそういうモノではありますが、それだけで毎日の計測データがたまっていきます。

「手首式血圧計 HEM-6324T」は手首にややタイトに巻き、右下の測定/停止ボタンを押すだけで自動的に血圧が計測されます。巻き方や位置(高さ)に問題があれば知らせてくれたりも。この機種はバックライトが点灯し、暗くても視認性が抜群で便利です。
「体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン」は裸足で乗るだけで、体重・体脂肪率・内臓脂肪レベル・基礎代謝・骨格筋率・BMI・体年齢などが計測されます。ユーザーは4人まで登録できます。
「活動量計 HJA-405T カロリスキャン」はポケットに入れるなどして身につけているだけで、歩数・階段上がり歩数・早歩き歩数・歩いた距離・消費カロリーなどが記録されます。

 これらのヘルスケア機器では、OMRON connectの使用・不使用に関わらず、単体で使用・計測データ参照ができます。そのときの操作も容易ですが、表示が必要最小限で記号的だったりもしますので、一見しただけでは何のデータかがいまひとつよくわかりません。慣れれば表示の意味が一目でもわかるようにはなりますが、やはりデータをOMRON connectアプリに転送してから閲覧するほうがずっと理解しやすいですし、データの活用幅も圧倒的に広がります。

 計測したデータをスマートフォンに転送する手順は、ヘルスケア機器により若干異なりますが、計測直後にOMRON connectアプリのトップ画面を下にスワイプしたり、ヘルスケア機器の特定のボタンを押してから同じく下にスワイプする程度。筆者環境では手首式血圧計や体重体組成計のデータ転送は「速い」という印象ですが、ナゼか活動量計のデータ転送は「意外に時間がかかる」といった感じ。でもまあ数秒から数十秒で済むくらいです。

 OMRON connectアプリの使い勝手ですが、全体的に単純明快で好印象。もう少し詳しい説明が欲しいというシーンはありますが、使ってみれば理解できるレベル。また、データの表示方法も「まとめるところはまとめている」「必要に応じて詳細まで見られるし削除もできる」といったあたり、シンプルながらも自由度が高いと感じられます。

 これらヘルスケア機器で得られる計測データについて、筆者としてとくに重視しているのは血圧です。注意すべきと言われている「早朝血圧」はとくに。

 血圧計と連携して計測値をスマートフォンやウェブブラウザで表示できるサービスは少なくありませんが、血圧管理においてOMRON connectはちょっとイイなと思います。というのはまず、計測データをわりと自由に見られること。たとえば血圧の平均値グラフしか表示できないアプリがありますが、OMRON connectアプリは見やすい平均値グラフも個々のデータもしっかり見ることができます。前述のとおり、個々のデータを.csvファイルにしてPCへ保存することもできます。

OMRON connectアプリで血圧データを表示した様子。左はグラフ表示で、毎日の血圧の平均値が示されています。血圧の傾向を掴むにおいて見やすいグラフです。中央は各回の血圧計測データ一覧です。左のグラフ(血圧平均値)では問題のない血圧に見えますが、個々のデータを見ると朝の血圧が高めということがわかります(2回計測したこともわかります)。夜の血圧が低く、早朝血圧が高血圧域の高さだった場合、左のような平均値を表示するグラフしか表示できないアプリだと「高血圧の見落とし」につながってしまいます。右は個々のデータからひとつを削除している様子。計測ミスをグラフなどに含めないことが可能という意味で、実用的な機能です。
左と中央は計測データを出力(.csvファイルとして保存)している様子。.csvファイルとしてメールに添付することもできますし、クラウドへのファイル保存も可能ですし、MacならiOSデバイスからダイレクトにファイルを受け取れます。右はその.csvファイルをNumbers(MacOS用表計算アプリ)で開いた様子。

 それから、OMRON connectアプリ内にある血圧管理機能「かんたん血圧日記」(公式ページ)。血圧データをグラフ化したりカレンダー上で投薬管理ができたりするアプリですが、これもなかなかイイ感じ。血圧データを.csvファイルで出力したり、PDFとしてグラフ出力することもできます。

血圧管理機能「かんたん血圧日記」を使っている様子。いつ血圧が高かったのかが一目でわかります。平均値でない、個々の血圧データも参照可能。
血圧手帳として血圧データをグラフ+数値のPDFファイルとして出力できます。右はそのPDFを開いた様子。そのまま医師に提示するのにも向くフォーマットです。

 こんな感じで、OMRON connectには、血圧をスマートフォンと対応血圧計で管理したい人にとって「これなら使える」という機能性があるように思います。手軽にファイル出力できたり、バックアップ用のクラウドが無料で使えるのも好印象。OMRON connectを使うには前述のように対応のヘルスケア機器が必要になりますが、ユーザーによっては「痒いトコロに手が届く」と感じられるとも思いますので、興味があればぜひ一度じっくりチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。