音声通知ワイヤレスイヤホン「Zeeny」--スマホ画面見ずにメッセージ、スケジュール確認

 ネインから発売されたヒアラブルイヤホン「Zeeny(ジーニー)」(税別価格:1万3000円)を長期に渡り借りられたので、1カ月使い倒してみた。

 Zeenyは首掛けタイプのワイヤレスイヤホン。音楽を聴くのはもちろん、スマートフォンからの通知を音声で確認できるヒアラブルイヤホンだ。メールの受信や着信、SNSの通知など、さまざまな情報を教えてくれる。スマートウォッチの機能を耳で伝えてくれるようなものだ。さらに受け取ったテキストメッセージに音声で直接返信も可能だ。短い文面のやりとりであれば、スマホの画面を見ずに、メッセージのやりとりが音声でできるわけだ。まあ、相手も同じことをしていたら、電話をした方が早いとも言えなくもないわけだが。

 したがって基本はスマートフォンと接続して使用し、常時接続でさまざまな通知が来るのを待機した状態で使用する。通常のワイヤレスイヤホンだと、しばらく音声データのやりとりがないと、電源が落ちてしまうのだが、ヒアラブルイヤホンは、ずっと接続しっぱなしになる。

ワイヤレスヒアラブルイヤホン「Zeeny」
ワイヤレスヒアラブルイヤホン「Zeeny」
スマートフォンからの通知も専用アプリで詳細に設定できる。アプリ通知はどのアプリの通知を設定するか、アプリごとに決められる
スマートフォンからの通知も専用アプリで詳細に設定できる。アプリ通知はどのアプリの通知を設定するか、アプリごとに決められる

 ワイヤレスイヤホンなので、スマホの取り回しがしやすく、常時装着ではケーブルが邪魔にならなくて良い。それであれば完全ワイヤレスイヤホンの方が使い勝手が良いのでは? と思われるかもしれないが、実際に使用してみると、会話をするたびに耳から外さなくてはならないので、簡単に取り外しができ、首にかけられるこのタイプの方が使い勝手が良かった。

 さらに完全ワイヤレスイヤホンはバッテリ持ちが最大の弱点となるが、Zeenyの場合、2時間の充電で8時間の音楽連続再生ができるので、ヒアラブルイヤホンとしては、こちらの方が便利だ。首掛け状態ではハウジングに磁石が仕込まれているので、簡単に首からはずれないようになっているのも良い。さらに完全ワイヤレスイヤホンのもう1つの弱点である両耳の通信の切断や遅延なども、首掛けタイプでは無縁であるのも利点だ。

使用していないときはマグネットによってハウジング同士がくっついてくれるので、簡単には首から外れない
使用していないときはマグネットによってハウジング同士がくっついてくれるので、簡単には首から外れない

 また通知だけでなく、こちらからの音声入力にも対応する。iPhoneであればSiri、Android端末であればGoogleアシスタントの機能を、スマートフォンを起動することなく使うことができる。iPhoneについては、今回のバージョンから対応することになった。これまではAndroidのみだったので、多くの人が使用を諦めなくてはならなかったが、ようやくiPhoneユーザーもZeenyの恩恵を得ることができるようになったのだ。ただ、先述したテキストメッセージの音声での返信はAndroid端末のみ対応となっている。

 操作に関しては、コントローラの組み合わせでアプリの起動や通知内容を確認できる。音量の「+」ボタンと決定の「○」ボタンを同時に押すと、よく使う音楽アプリが起動し、さらに○ボタンを押すと、音楽を再生する。

 音量の「-」ボタンと○ボタンを同時に押すと、未開封のメッセージをもう一度読み上げる。読み上げ中に○ボタンを押せば、音声による返信も可能だ。

 さらに○ボタンを2回連続で押すと、時刻やバッテリ残量、今後の予定なども即座に教えてくれる。時刻は15分おき、60分おきに設定する場合は、その区切りでしか通知しないが、○ボタン2回押しで、いつでも時刻が聞けるのは便利だ。意外とこの機能が重宝する印象だ。

音量の+と-、決定の○ボタンの3つの組み合わせで、スマホを確認せずにさまざまな操作ができる
音量の+と-、決定の○ボタンの3つの組み合わせで、スマホを確認せずにさまざまな操作ができる

aptX、AACに対応、高音質通話のHD Voiceも搭載

 音質面もZeenyの売りの1つだ。10mmドライバを搭載し、高精度DSP技術を装備。BluetoothのオーディオコーデックはaptX、AAC、高品質な通話をサポートするHD Voiceなどに対応しており、高音質で音楽を楽しめる。

 再生周波数帯域は20Hz~20kHzで、ハイレゾには対応しておらず、音楽を良質な音で楽しみたい層としては若干物足りなさがある。音楽を重視する層は、ヒアラブルイヤホンとバッティングしないと思われるので、ここはそこまでの高音質を求めず、その分、価格面のアドバンテージを取ったほうがよかったかもしれない。利便性を求める層と音質を重視する層のどちらも取り込むのではなく、どちらも欲しいという層にしか響かなくなってしまうのではないだろうか。また、スマホとの接続を考えているイヤホンなので、高音質の音源をスマホに大量に入れていると言う人もいるとは思うが、少数派であることは否めない。

 実際に音楽を聴いてみたが、ワイヤレスイヤホンとしては、良い音質であることは間違いない。YouTubeなどの動画配信での試聴も、動画と音の遅延によるズレもほとんど感じず、動画を良く観る人にもオススメできる。

密閉度が高く、遮音性の高いカナル型を採用している
密閉度が高く、遮音性の高いカナル型を採用している

 また、製品としてはカナル型のワイヤレスイヤホンなので、歩行時に装着していると、音楽を聴いているのか通知を待っている状態か、見た目からは判断できない。歩きイヤホンは違反と言うわけではないが、周囲の音が聞こえていない可能性を考えると、周囲に迷惑をかけてしまいかねない。自転車に乗っている場合は明らかに違反となってしまうので、こちらも注意をしたい。そうなると通知の利便性も、使用場所が限定してし、スマートウォッチやスマホそのものよりも使い勝手が良いとまでは言いにくいのも事実だ。

 とはいえ、値段的には十分手が出る範囲。とりあえずヒアラブルイヤホンを試してみたい!という人にはちょうど良いと言えよう。

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