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4800万画素に到達、ソニーのスマホ向けイメージセンサー画素サイズは0.8μmで世界初

ソニーは2018年7月23日、有効4800万画素のスマートフォン向け積層型CMOSイメージセンサー「IMX586」を商品化すると発表した。同製品は1/2型サイズでありながら、世界初(同社調べ)となる0.8μmの微細な画素サイズを達成した。

» 2018年07月23日 16時00分 公開
[松本貴志EE Times Japan]

 ソニーは2018年7月23日、有効4800万画素のスマートフォン向け積層型CMOSイメージセンサー「IMX586」を商品化すると発表した。同製品は1/2型サイズでありながら、世界初(同社調べ)となる0.8μmの微細な画素サイズを達成した。

 サンプル出荷時期は2018年9月を予定、サンプル価格は3000円(税別)と発表している。

積層型CMOSイメージセンサー「IMX586」 出典:ソニー

Quad Bayer配列により、高感度と高解像度を両立

 同製品は、「高性能なデジタル一眼カメラに匹敵する有効4800万画素を実現」したことで、「スマートフォンのカメラでも高解像度な美しい画像」(同社)の撮影を可能としたことが特長だ。

 一般的に画素の微細化を進めると、1画素当たりの集光効率が悪化し、感度と飽和信号量の低下が発生する。同社では、集光効率と光電変換効率を従来製品からさらに高め、感度と飽和信号量の高い0.8μmの微細画素の開発に成功。この画素を同イメージセンサーに活用することで、有効4800万画素もの多画素化を実現した。これにより、デジタルズームを多用するスマートフォンの撮影シーンにおいても、高精細な撮影を可能とする。

左:従来センサー(有効1200万画素)で撮影した画像 右:IMX586(有効4800万画素)で撮影した画像(クリックで拡大) 出典:ソニー

 また、隣接4画素が同色のカラーフィルターであるQuad Bayer配列を採用し、高感度と高解像度を両立した。夜景撮影などの低照度下撮影では、隣接する4画素の信号を加算し、画素サイズ1.6μm相当(有効1200万画素)に感度を向上。低ノイズで明るい写真や動画の撮影を可能とした。日中屋外などの明るいシーン撮影時には、イメージセンサーに搭載した同社独自の信号処理機能で配列変換し、リアルタイムで有効4800万画素の高解像度画像を得ることができる。

左:Quad Bayer配列のイメージ図 右:独自の信号処理による配列変換のイメージ図(クリックで拡大) 出典:ソニー

 これらの露光制御技術と信号処理機能技術を組み合わせ、イメージセンサーに内蔵することで、従来センサーと比較して4倍となるダイナミックレンジ向上と、リアルタイム出力を実現。画面内で明暗が共存するシーンにおいても、白飛びや黒潰れを抑えた画像をスマートフォンのディスプレイで確認しながら撮影できる。

 IMX586の主な仕様は、フレームレートが30fps(Full)、90fps(4K撮影時)、240fps(1080P撮影時)、感度(標準値F5.6)が約133LSB、センサー飽和信号量(最小値)が約4500e-。像面位相差AFとHDRイメージング機能を有している。

主な仕様(クリックで拡大) 出典:ソニー

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