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標準の「ボイスメモ」がiOS 12で進化したけど、あえて別アプリ購入

【iPhone XS】

iPhone標準のボイスメモアプリ。iOS 12ではiPad版も登場した

 筆者は発表会取材やインタビュー取材などなど、さまざまな取材で、メモを書くだけでなく、音声を録音している。といっても、最近はボイスレコーダーを持ち歩くことはなく、iPhoneで録音している。

 iPhone標準のボイスレコーダーアプリ「ボイスメモ」は、シンプルな機能しか搭載していないが(そもそも音声を録る以上の機能は求められていないが)、iOS 12ではちょっとだけ使いやすくなった。

こちらはMacのボイスメモアプリ。iOS 12と同タイミングのmacOS 10.14 Mojaveから追加された

 まず、録音データはiCloudで同期するようになり、Macからも直ちに再生できるようになった。また、録音データがiCloudバックアップに含まれなくなったようで、ストレージ容量を無駄に消費しない。あとiOS 12からはボイスメモの録音場所が自動記録されるようになり、その録音が何であるかがわかりやすくなっている(結局ファイル名は手動で付けるけど)。

 こんな感じでiOS 12で「ボイスメモ」アプリが使いやすくなったのだが、筆者はあえてこのタイミングで、App Storeで配信されているボイスレコーダーアプリ「Just Press Record」(600円)を購入した。

Just Press RecordのiOS版

 この「Just Press Record」、基本はシンプルなボイスレコーダーで、多機能なわけではないが、いくつか標準アプリにはない機能を持っている。

 まずこのアプリ、Apple Watchに対応していて、Apple Watch単体でも録音できる。滅多に使わないとは思うが、Apple Watch内蔵マイクも結構音質が良く、活用しないともったいないとすら思うくらいだ。録音データはiPhoneとiCloudに同期もする。

 Just Press Recordには録音データを音声認識にかけ、テキスト化する機能もある。ただし、こちらの機能、それほど認識精度が高くないし、1時間とかの取材録音データだとかなり時間がかかるので、あまり使っていない。

Mac上だとこんな感じ。取材から帰ってきて自宅Mac前に座ったときには同期済み。録音は1時間とかになるので、QuickTimeの再生ウィンドウを横に伸ばすとシークしやすい

 録音データはiCloud上の汎用フォルダに記録される。Mac上では普通のファイルとして扱えるので、容量不足になったらNASに退避させるのも簡単だ。録音データはm4a拡張子のAAC形式なので、QuickTimeなど汎用アプリで再生できる。Just Press RecordはMac版もあるのだが、テープ起こし風に使うなら、純正キーボードの再生コントロールキーを使えるQuickTimeの方が便利である。

 また、標準のボイスメモも同様だが、「Siriショートカット」に対応している。指定したキーワードで録音を開始できるので、何かあったとき、周囲にバレにくい形で録音を開始できる、と思ったのだが、iPhoneではロック解除しないと録音開始できず、Apple WatchではSiriショートカットが使えないので、こうした使い方はやや微妙だ。Apple Watchでは「よく使う項目」に登録しておけば、すぐに録音開始できるが、それでも画面を見ずに確実に録音開始できるかというと微妙なところだ。

筆者がよく使ってるマイクデバイス。直結型のZOOM「iQ7」(右)はジャケットケースと同時利用できないこともあり、最近はBluetooth型のAmiVoice「WT01」(左)が主力

 iPhoneに複数のマイクデバイスが接続されているとき、標準のボイスメモだとどのマイクで録音するかがわかりにくかったりするのだが、Just Press Recordではアプリ上でそれらを選べる。筆者はiPhone用のマイクをいくつか持っている上にBluetoothヘッドセットを着用していることが多いので、どのデバイスで録音するか、すぐに確認・変更できることが地味に重要だったりする。

 iPhoneを仕事で使うようになって久しいが、今でもちょっとしたアプリを1本買うだけで仕事の効率が向上した、なんてことは少なくない。ヘタにスマホを新機種に買い換えるより、そうしたアプリに出会うことの方がよほど良い体験が得られると思ったりもする。しかし、App Storeで配信されてるアプリの数は本当に多く、自分のニーズを満たすようなアプリが発掘するのって大変なんだよね……。

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