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ファーウェイの最先端が生まれる現場~松山湖の工場と研究開発拠点

 ファーウェイは、同社のスマートフォンのフラッグシップモデルが製造されている松山湖工場と、研究開発などの拠点となる松山湖キャンパスを一部の報道関係者向けに公開した。

松山湖工場、1ラインあたりの人数が17人に減少

 松山湖工場では、HUAWEI Mate 20の生産ラインを見学できたが、写真の撮影についてはNGとされ、ファーウェイ側から提供された写真でのご紹介となる。このため、その多くは、過去に掲載した写真と同じものとなってしまうが、その点はご了承いただきたい。

 筆者が同工場を訪れたのは今回で2度目となるが、驚かされるのは機械化の早さだ。同社によれば、2013年にラインが稼働した当初は1つのラインに80~90人程度の人が立っていたという。これが日々の“カイゼン”により、今では17人まで減少している。

 生産のペースは約28.5秒に1台、ラインの長さも約120メートルと、ともにここ数年で短縮を図ったというわけではないが、これまで目にしてきた他社の工場と比べても、明らかに人の数が少ないということは見てとれる。

 中でも印象的だったは、無線チェックをはじめ、さまざまな検査工程が自動化されている状況だ。ロボットアームやカメラなどを組み合わせた独自開発の機器を用い、精度の高い端末製造を可能にしていた。

 それでも生産ラインの最後に立つ「IMEI」の腕章をした従業員(ほかの従業員は腕章をしていない)が、端末一つ一つにIMEI番号を割り振る作業を行い、手際よく梱包する姿もあった。

ここはどこ? 研究開発拠点はヨーロッパ風の村

 松山湖工場から車で10分程度の場所に建造された松山湖キャンパス(松山湖基地)は、8.8平方キロメートルの広大な敷地の上に建てられたファーウェイの研究開発拠点となる。

 その広さも圧巻ながら、それ以上に見た目のインパクトが強烈だ。ハウステンボスのようなテーマパークを巨大にしたようなヨーロッパの街並みがそこに広がる。エントランスをくぐると宮殿のような建物が建ち並ぶ。設計は日本の企業が行ったという。ちなみに、HUAWEI Mate 20 Proで撮影すると、AIが「歴史的建造物」と判断する。

 すでに1万7000人がここに勤務しているが、あまりに広大な敷地とあって、中には鉄道が敷設されている。8つの駅があり、約8分で1周できる。

 目を疑うとはまさにこのこと。こんな環境で働いてみたいと優秀な研究者が集まってくるのかもしれない。