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Mate 10 Proに一足早くAndroid 9がやってきた

【HUAWEI Mate 10 Pro】

 なんだかんだで発売から1年が経った「HUAWEI Mate 10 Pro」。アナウンス通りなら、au VoLTE対応はそろそろかな……と思っていたところに降って湧いた(?)Android 9 バージョンアップの先行テスター募集。深く考えず応募にポチっとしてしまったものの、直後にau VoLTE対応アップデートが正式に案内され、先行テスターとしてAndroid 9にバージョンアップしてしまうと、正史のau VoLTE対応ファームウェアとはしばらくは分岐した世界線になることが判明した(関連記事)。

 のだが、いざAndroid 9のバージョンアップ通知が届くと(当選した)、グラっときてバージョンアップしてしまった……。

 Android 9にすると、UIもあわせて「EMUI 9.0」に更新される。日常的な部分の変更点は、EMUI 9.0による影響が大きいようだ。ボリュームを操作すると画面の中のボリュームキー近くにスライダーが表示されるといった、Android 9の仕様を踏襲したものも、もちろんある。アプリの起動速度は、筆者が試す限りでは、かなり高速になっている。以下では気になったいくつかを紹介してみたい。

先行テスターに当選して降ってきたバージョンアップの通知
バージョンアップ後のホーム画面。ステータスバーが……

 まず、バージョンアップ直後はかなり電池消費が早く、1~2日経っても好転しないため「このまま正式版になるんでしょうか……」と不安になったものの、最適化が進んだのか、初期だけの高負荷な処理が終わったのか、数日すると落ち着いた。今では、電池消費の速度は以前とあまり変わらない印象だ。

 カメラアプリはこれまでのアップデートでも微妙に調整されていた印象だが、EMUI 9.0で刷新された。パッと見は大きく変わらないが、設定項目や場所が変わっている。筆者が好きなモノクロモードは、呼び出すのにワンステップ多くなってしまったのは残念だが、モノクロモードでも「アパーチャ」「プロ」などのモードを選べるようになった。AIによる被写体の認識や調整も進んだようで、購入当初は白飛びしがちだった料理も、今ではかなりの確率で美味しそうに撮れるようになった。「ギャラリー」アプリでは、連写かそれに類する写真はスタックして表示する機能が加わっているようだ。

モノクロは相変わらず渋い仕上がり
夜の風景も見た目に近く好印象
飯写は大ハズシすることが減って、こう写って欲しいというところを巧みに拾っている印象

 昨今、ノッチ+全画面というスタイルを最大限に活かすUIとして、Androidではおなじみの戻るボタンやホームボタンの表示を省くか、かなり簡素化したUIが(Pixelなどを含めて)登場している。EMUI 9.0でも「設定」→「システム」→「システムナビゲーション」で選べるようになっている「ジェスチャー」や「1つのキーによるナビゲーション」がそれ。「ジェスチャー」はボタンが一切表示されず、戻るやホームも画面端からのスワイプ操作が基本だ。

 ただこれらは、ホームやタスク切換え(起動したアプリの切り替え)の操作で、長押しや、ブルっとフィードバックがあるまでスワイプをキープするとった、びみょ~な“待ち”が必要で、「ジェスチャー」UIなどはしばらく使ってみたものの、「急いでいる時に誤操作を連発する」ということが多く、ちょっと馴染めそうにない雰囲気だ。

 (恐らく)ノッチの余波という意味では、ステータスバーのアイコンの配置に手が加えられている。ノッチが塞いでしまうセンターを確実に開けるためか、モバイル網のアンテナピクトとVoLTE、無線LANのアイコンが、ステータスバーの左端に表示されるようになったのだ。これまで筆者の端末のステータスバーの左端は、通知がなければ何も表示されない状態(そうなるようにしていた)で、通知アイコンが表示されればすぐに気づけるようになっていたのだが、アンテナピクトなど省けないアイコンが左端に鎮座することで、ポップした通知アイコンがちょっとだけ分かりづらくなった。それでも慣れてくるとクリティカルな問題ではないが、ノッチが関係ない端末は、前のままでいいのでは? と思う。

 目新しいところでは「設定」の中に「デジタルバランス」が追加され、アプリの利用履歴を詳細に確認できるようになっている。「スクリーンタイム管理」として、利用を制限する設定も可能だ。筆者は通勤・退勤時に電子書籍を読む関係で、電子書籍アプリの利用時間が最も長いが、SNS漬けを治したいとかの“リバランス”を図るなら一助になりそうだ。