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音楽×ITなどで5G時代の人材育成、タワレコの講座「TOWER ACADEMY」開校

 タワーレコードは、音楽エンターテイメントとIT技術の両方を活用できる人材を育成する有料の講座「TOWER ACADEMY」(タワーアカデミー)を4月1日から開始する。形態は、講座の内容に合わせたリアルの会場のほか、一部はオンライン(PC)やスマートフォンで受講できる。当初のジャンルは、音楽を軸にしてアーティストプロデュースや映像制作など5つのジャンルを取り扱う。

 「TOWER ACADEMY」は、エンタメ業界への人材輩出を目的とした有料の講座で、2020年までに1万人の育成を目指す。受講者の就職・転職や独立・起業をバックアップする体制も整えていく。講師にはメディアのプロデューサーや編集長、技術者など各分野で活躍する人員を招いている。

 また、NTTドコモの子会社になっているタワーレコードが手がけることや、音楽業界においてライブなど体験型の市場が拡大していることを背景に、5G時代を見据えたIT技術の活用をテーマを組み込んだ講座も用意する。

 講座の当初のラインナップは5つで、「TOWER ACADEMY」のトライアルでも好評だったという「TouchDesigner講座」など具体的な制作ツールの講座から、「初めての動画制作講座」「アーティストプロデュース講座」「音楽を副業にするためのネット活用講座」など、幅広い人をターゲットにしている。開催回数は全1回~8回と講座により異なり、各講座の料金も3000円~7万円(いずれも税込)と幅広い。

 「TOWER ACADEMY」校長に就任するタワーレコード 代表取締役副社長の伊能美和子氏は、タワーレコードが今後目指すのはデジタルを活用した新しい音楽体験の発信であるとした上で、リアルとデジタルが融合した“サイバーフィジカル”の領域で、ユーザーの嗜好を先取りしたような積極的な提案をしていくことが重要する。

 すでに同社は、ドコモやNTTの先端技術を組み合わせた音楽・ライブイベントを手がけてきたことから、そうした新しい音楽体験の領域では、エンタメ領域にIT技術を組み合わせた「EnterTech」の人材育成が必要になっているとし、5Gの商用化とあわせて、「どういうエンタメが作れるか、制作者側も考えていかないといけない」と、業界全体が新たなフェーズに入っていることを語った。

「TOWER ACADEMY」校長、タワーレコード 代表取締役副社長の伊能美和子

 「TOWER ACADEMY」の発表会ではこのほか、TouchDesignerエヴァンジェリストの松山周平氏がTouchDesignerの概要や簡単に制作できる様子を披露したほか、NTTドコモ スポーツ&ライブビジネス推進室 室長の馬場浩史氏、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏、実業家・クリエイターでセブンセンス/nommoc代表取締役の吉田拓巳氏が登壇、今後の音楽ライブやエンターテイメント事業について語った。

 ここでは、視聴者にあわせたパーソナライズや最適化が進む一方で、SNS的に大多数の人が同じものを同時に体験するといった、異なる体験が「渾然一体となるのでは」といった意見や、音楽ライブを別の会場で擬似的に楽しめるライブビューイングも、ライブビューイングならではの特別な体験価値の提供がポイントになるといったことが語られた。

TouchDesignerエヴァンジェリストの松山周平氏がTouchDesignerの概要や簡単に制作できる様子を披露
ステージ右、左からNTTドコモ スポーツ&ライブビジネス推進室 室長の馬場浩史氏、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏、実業家・クリエイターでセブンセンス/nommoc代表取締役の吉田拓巳氏
講座の講師を務める川村健一氏(右端)が加わった集合写真