スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

おっ便利! Peak Design「P.O.V. KIT」

カメラを身につけるならピークデザイン製品

 2015年にピークデザイン(Peak Design)製のカメラ用ストラップを使用開始。直後、「コレはイイ!」と痛感しました。そのストラップのレビュー記事はコチラに書きましたが、機構も素材も非常によくできている。使用感も上々。それ以来、ピークデザイン製品を多用するようになりました。

ピークデザイン製のカメラ用ストラップ各種(現在はより新しい製品が発売されています)。カメラ側のパーツ(アンカー)とストラップ側の金具(リンク)を接続するしくみが非常に秀逸で、1台のカメラで複数のストラップを使い分けたり、1本のストラップを複数のカメラで共有することが、スゲく容易にできちゃいます♪

 ピークデザイン製品でとりわけ気に入っているのは「キャプチャー」シリーズ。ベルトやバックパックのストラップに装着できるカメラ用マウントで、快適にカメラを携行しつつ、シャッターチャンスがあれば即座にカメラを手にできるという製品です。

ピークデザインの「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」。金属のマウントでベルトやストラップを挟むようにして固定。カメラ側にはクイックリリースプレートを装着して使います。
バックパックのショルダーハーネスや腰のベルト、あるいはバッグのストラップに対し、カメラを容易に脱着できるようになります。ストラップと違ってカメラがブラブラしたり体にぶつかったりしにくいので、移動中でも違和感なくカメラを携行できます。超絶便利!

 上のカメラ用マウントのレビュー記事はコチラに書きましたが、現在でも愛用中です。でも現在はよりコンパクトで扱いやすい新型(後述)が出ており、そちらが快適なので多用中。

 ところで、ピークデザイン製のクイックリリースプレートは、基本的にはアルカスイス互換です。なので、市場に多々あるアルカスイス互換のクランプや雲台に対し、ピークデザイン製クイックリリースプレートを固定可能。なお、アルカスイス互換品に関してはコチラでレビューしております。

 で、このキャプチャーシリーズ製品に新型が登場しました。「キャプチャーV3」などと呼ばれる第三世代の製品です。そのV3のレビュー記事はコチラに書きましたが、記事中で指摘したように、筆者的にはいくつか残念な点がありました。

 そのひとつは、マウント側にあるプレート固定用ネジ(ツイストロック)が省かれたため、マウント・クイックリリース間の僅かな隙間によるガタつきを無くせなくなったこと。カメラを保持するには問題のないガタつきです。が、GoProなどを身につけたまま動画を撮影しようとするとガタつきからくる雑音が録音されてしまったり、ブレの一因にもなります。「なーんだ、新型のキャプチャーV3は動画撮れなくなっちゃったなぁ……」みたいな。

 でもこの問題を解消できる新製品が発売されました。新型の「P.O.V. KIT」(公式ページ)です。

 ていうか2018年9月28日に発売されていたんですが、「なーんだキャプチャーV3は動画ダメじゃん」と思い込んでいた筆者はそれに気付かず、去年末に見つけて即ゲット。使ってみたら、あら便利! というわけで、なんか前置きがかなり長かったんですけど、以下、新型P.O.V. KITについて書いてみたいと思います。

新型P.O.V. KITはガタつきナシ!

 まずは新型P.O.V. KITの使い方から。モノを見れば「ああ、そう使うのネ」とすぐ理解できると思いますので、写真とともにご紹介。

左写真がキャプチャーV3。これに装着して使うアクションカメラ向けのクイックリリースプーレト一式が新型P.O.V. KITです。「POV-2」とも呼ばれます。右写真がキットの主な同梱物ですが、これ以外に六角レンチ式のネジ×2本と、「CAPTURE TOOL」と呼ばれる携帯工具、それからピークデザインロゴのポーチとシールが付属していました。新型P.O.V. KITの実勢価格は3900円前後。
キャプチャーV3と新型P.O.V. KITを組み合わせると、こんな感じでGoProカメラなどを身につけられます。
コンパクトデジカメなどをセットすることも可能。キャプチャーV3の装着位置を変えれば、いろいろなスタイルでカメラを身につけられます。

 P.O.V. KIT自体は従来のキャプチャーシリーズ用として発売されていましたが、それを最新型のキャプチャーV3に装着すると、前述のとおりガタつきが出てしまいます。一応固定はされるものの、カチャカチャ音がしちゃう。カチャカチャ音が動画に入ってしまう。

 その問題を解消したのが新型P.O.V. KITです。どういうしくみで解決しているのか見てみましょう。

新型P.O.V. KITのクイックリリースプレート部には、キャプチャーV3に装着したときにプレートを密着させるためのネジがあります。ネジを締めると、プレート裏面の赤い樹脂部が押し出され、マウント左右前方とクイックリリースプレート左右が強く密着するしくみです。

 シンプルな機構ですが、とても実用的。カチャカチャ音がまったくしません。実際にキャプチャーV3にカメラを装着して動画撮影してみましたが、全然問題ありません。やった!

 ちなみにこの新型P.O.V. KIT、旧型のキャプチャーシリーズにもとくに問題なく装着できます。新型P.O.V. KITはネジ部が小型だったり、付属ツールでネジをしっかり締められたりで、実用性も高まってます。ていうか旧型のP.O.V. KITは在庫払底状態っぽいので、これからP.O.V. KITを買う場合は必然的に新型を選ぶことになりますね。

今だからこそP.O.V. KITを活かせる

 P.O.V. KIT自体は以前から存在していて、旧型のキャプチャーシリーズで問題なく使えました。筆者も持っていますが、あまり使っていませんでした。というのは、GoProシリーズをはじめとするPOV(主観視線的映像)系のアクションカメラのブレ補正機能がイマイチだったから。自転車やバイクでの移動撮影ならまだしも、歩いて撮影するとブレたり傾いたりしまくりです。

 しかし、最近はPOVなカメラのブレ補正機能が急激に向上。GoPro HERO6 Blackとか凄いブレ補正性能です。GoPro HERO7 Blackになると「神補正!」みたいな性能。あるいはスタビライザー(ジンバル)搭載カメラのDJI Osmo Pocketなんかも、全然傾かないのが凄いです。

 そういうカメラがある時代なので、P.O.V. KITを活かせるという気がしてならない筆者。ていうか実際、新しいGoProとかを胸のあたりに装着して歩きつつ動画を撮ったりしても、かな〜り滑らかで見やすい動画が撮れます♪ GoProの6や7(のBlack)あたりだと、もうジンバルとか不要ですね〜。

 あともうひとつ、P.O.V. KITのクイックリリースプレート部がアルカスイス互換だということ。アルカスイス互換のクイックリリース対応カメラマウント(雲台)になら、どれにでも装着できるんですが、これがナニカと都合がいい。

キャプチャーV3とP.O.V. KITと GoPro HERO7 Blackの組合せ。これでバックパックのショルダーハーネスなどに取り付けて撮影したりします。必要に応じて、自転車のハンドルバーに取り付けたアルカスイス互換雲台(クランプ)へ装着したり。手早く違う場所に装着し直せるのが便利です。
こちらはDJI Osmo Pocket。レンズ部に電動スタビライザー(ジンバル)が組み込まれたカメラですが、体に装着して撮影してもかなり安定した動画を撮れます。これもサッと自転車のハンドルに付け替えたり。ただ、Osmo Pocketは自転車などの縦揺れには強くありません。アクションカメラでもないので、振動の多い状況下での使用はオススメできません。
ちなみに、このアルカスイス互換クランプはSUNWAYFOTOの「DDC-26」(公式ページ)。アクションカメラやコンパクトデジカメにマッチする小さなクランプです。3000円くらい(クイックリリースプレートは別売)。

 てな感じのP.O.V. KIT。強力なブレ補正機能を搭載したカメラが続々登場している今、よりいっそうツカエル感が強い存在になってきました。また、アルカスイス互換クランプの取り付け位置によっては、胸、ヘルメット、クルマのダッシュボード、バイクのカウルなどなど、幅広く装着箇所を変えられます。興味のある方はぜひチェックしてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。