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「d払い」アプリにログインできない? 他キャリア+ドコモ回線のユーザーは要注意

» 2019年03月20日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 筆者は複数のコード決済サービスを使っており、ドコモが提供している「d払い」もその1つ。ある日d払いアプリを起動したら、突如ログアウトしてしまい、再度ログインしようとしてもエラー画面が出てしまい、いっこうにログインできない。アプリの再起動、Wi-Fi接続をオフにしてspモードでの接続を試みたがダメ。

d払いd払い d払いにログインできない(写真=左)。Wi-Fi接続を切ってspモードで接続するよう促されるが、それでもダメ(写真=右)

 なぜこのような状況に陥ったのか? まず突如ログアウトする挙動についてNTTドコモ広報部に確認したところ、「最初のログインから90日以上がたつと、再度認証が必要」とのことだった。また「それ以外の場合でも、セキュリティの都合上、同様の事象(ログアウト)は起こりうる」とのこと。

 続いてログインできない理由について。ログインに失敗すると、いくつかエラーコードが出る。筆者の画面に表示されたのは「FES1003」だが、これが関係しているのだろう。ドコモによると、d払いでは2019年1月22日から、d払いアプリの初期設定や支払い方法の変更には、dアカウントとひも付くドコモ回線からのアクセスが必要になるよう、仕様を変更したそうだ。

 筆者は、ソフトバンク回線の「iPhone X」でd払いを使っている。ドコモ回線は保有しておりdアカウントはドコモ回線にひも付いているが、メイン端末がソフトバンクiPhone Xなので、ドコモ端末は決済にはほとんど使っていなかった。早速、ドコモSIMをiPhone Xに入れて、再度ログイン操作を試みたところ、無事にログインできた。なお、ログインするにはWi-Fi接続を切ってspモード(モバイル回線)に接続する必要がある。

 気になるのは、なぜこのような仕様に変更したのかということ。ドコモは「d払いをより安全に使ってもらうためにセキュリティを強化した。本変更により、SIMロック解除ができない他社デバイスにて、ドコモ回線とひも付くdアカウントでログインし、d払いを初期設定できなくなる」と説明する。つまり、例えば筆者がiPhone Xを紛失し、万が一dアカウントの情報が漏れた場合でも、ドコモ回線がなければ第三者からの不正利用が防げる……という理屈だ。

 ただ、画面オフの状態でも使える非接触決済とは異なり、コード決済のd払いは、スマートフォンのロックを解除しないと使えない。加えて、アプリ自体にロックをかけることもできる。ここまで厳格な対策を施すべきかどうかは疑問だ。店頭でd払いアプリを起動したものの、いつの間にかログアウトし、再ログインできればまだしも、それすらできないとなれば、店舗側や他のお客さんを待たせて迷惑を掛けてしまう。

 仕様が変更されたにもかかわらず、エラー画面が表示されるのみで、アプリ上で「ドコモ回線で接続する必要がある」という解決法を教えてくれないのも不親切だ。筆者はネットを調べて、ようやくドコモのお知らせページにたどり着いて理解したが、アプリで知らせてくれれば、すぐに解決できた。

 実際、App StoreやGoogle Playのアプリレビューでは、ログインできない旨のコメントが多く投稿されており、アプリ自体の評価を下げてしまっている。特にApp Storeで不満のコメントが多く、半ば炎上状態になっている。「他社ユーザーはd払いを使えない」と誤解するコメントも見られた。

d払いd払い アプリストア、特にApp Storeでd払いアプリのレビューが荒れている

 さらに重要な問題は、筆者のように、ドコモ回線と他社回線を併用しているユーザーが、他社回線でd払いに再ログインするには、SIMロックのかかっていないスマートフォンを使う必要があること。筆者のiPhone XはたまたまSIMロック解除済みだったので事なきを得たが、SIMロック解除できなければ、ドコモ回線にひも付いたdアカウントでiPhone Xからd払いを使えなくなる。

 ちなみに、ドコモ回線にひも付かないdアカウントを使用する場合(つまりドコモ回線を契約していないユーザー)は、Wi-Fi経由でd払いアプリにログインできる。ドコモ回線にひも付くdアカウントを使って、他キャリア回線でd払いを使っているユーザーは注意したい。

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