アラフィフすずまりの「今日も元気に仕事しよう!」

ベッドに入れるだけで睡眠計測、「au HOME」のホームIoT新製品で睡眠の質が変わるかも

「au HOME」に新たに睡眠モニタリング製品やサービスが投入されました

 KDDI株式会社と沖縄セルラー電話株式会社は、ホームIoTサービス「au HOME」の製品ラインアップを拡充し、睡眠モニタリングのサービスや製品の投入しました。

 ラインアップに追加されたのは、睡眠の状態が分かる「睡眠モニター 01」(2万5000円)、屋外からでも操作できる「スマート電球 01」(3万500円)、屋外からでも施錠できる「スマートロック 01」(2万9800円)、異常感知時にスマートフォンへ通知する「火災報知器アダプタ 01」(4万800円)、本体のボタンを押すだけで「au HOME」アプリに通知できる「かんたんボタン 01」(3500円)の5製品(価格はいずれも税別)。3月15日から発売されています。

 新たなサービスとして、カメラによる監視ではなく、間接的でさりげない見守りができる「センサーでみまもりセット」、スマートスピーカーとセットで利用する「声で家電コントロールセット」、みまもりも家電操作も可能な「みまもり&家電コントロールセット」の3サービスが追加されています。

 また、快眠をサポートする「すこやか」をコンセプトに、フランスベッド株式会社と共同開発した「睡眠モニタリング機能付きマットレス(ルーパーRP-5000SE)」(税別16万8000円)も発売しました。

睡眠モニタリング機能付きマットレス「ルーパーRP-5000SE」

詳しくはケータイWatchの記事をご覧ください。

「au HOME」に新IoTデバイス、スマートロックや睡眠モニターが登場
IoTで睡眠の質を改善、KDDIとフランスベッドが協業

3月13日に「au HOME / with HOME 説明会 2019 spring」が開催されました。左から株式会社ニューロスペース代表取締役の小林孝徳氏、KDDI株式会社理事の山田靖久氏、フランスベッド株式会社代表取締役社長の池田茂氏

寝るだけで睡眠時間や寝付きの傾向が分かる「睡眠モニター 01」

 私が注目したのは睡眠関連の製品が2つ投入されたことです。1つは前述の「睡眠モニター 01」。マットレスの下に入れておくと、寝るだけで睡眠をモニタリングしてくれるという製品です。

睡眠モニター 01

 データは法人向けの睡眠改善サービスを展開しているニューロスペースのノウハウを取り入れた独自のアプリ「Real Sleep」で管理します。アプリ上では睡眠時間、睡眠ステージ(レム睡眠/浅い睡眠/深い睡眠)、身体の動き、心拍数、呼吸数をグラフで表示するほか、睡眠データを分析したスコア、睡眠履歴として、これまでの睡眠データを日・週単位で表示します。

「Real Sleep」のレポート。睡眠データを分析してスコアを表示します
睡眠時間や寝付きの傾向が分かります
有料オプションサービスを契約すると、アドバイスも受けられます。なお、画面右上の温度/湿度はマットレス購入者のみ表示されます

 「睡眠モニター 01」を購入してReal Sleepでデータを見るだけなら無料で利用できます。データから何が分かるのかなど、アドバイスが欲しい場合は、月額300円(税別)のアドバイスオプションを契約すると、データ分析結果から週に1回アドバイスを表示したり、1年に3回まで健康に関する電話相談ができるといったサービスが受けられます。

 そして、この「睡眠モニター 01」を内蔵し、睡眠と寝床内のモニタリングができるマットレスが、フランスベッドの睡眠モニタリング機能付きマットレス「ルーパーRP-5000SE」です。

リクライニングする睡眠モニタリング機能付きマットレス「ルーパーRP-5000SE」

 この製品はコントローラーによって上半身、下半身それぞれがリクライニングするのが特徴です。多少傾斜をつけたほうが眠りやすく、睡眠の質が上がるという人もいるためとのこと。ただし、睡眠サイクルとは連動しないので、眠りが浅くなったら起き上がるといったアラーム機能はありません。

リクライニング用のコントローラー

 「睡眠モニター 01」は背中のあたる付近に内蔵されており、取り外しはできません。温湿度が測れる「マルチセンサー 01」が2つ付属するので、1つはマットレスのポケットに入れ、もう1つは部屋の壁に取り付けることで、寝床内の温湿度と寝室環境を同時にモニターできるようになっています。「ルーパーRP-5000SE」の上に別途マットレスを敷いてもセンサーは利用できるとしています。

2つ付属する「マルチセンサー 01」
マットレスの専用ポケットに「マルチセンサー 01」を1つ入れて測定します

 データはReal Sleepで管理しますが、「ルーパーRP-5000SE」を購入すると、月額790円(税別)の「with HOME専用プラン (フランスベッド)」への加入が必要になります。

 フランスベッドの医療介護用の製品としては「見守りケアシステム M-2」がありますが、「ルーパーRP-5000SE」は、フランスベッドが一般向けに販売した初めてのスマートマットレスとなります。

共働きの家庭をIoTでサポート、ユーザーの声を反映してより実用性重視へ

 今回発表された製品はユーザーからの生の声を反映したようです。夫は残業で帰りが遅く、共働きの妻がご飯を作るという家庭が、IoTによりどのような変化が期待できるかという、よりリアルな見せ方をしていました。子どもが無事に帰宅して家の施錠はできているのかなど、保護者なら常に気に掛けているようなことを、IoTでサポートすることを前面に出していました。プレゼンテーションでは「ホームIoTで“ちょっと心地いい”暮らしへ」とありましたが、まさにそんなイメージだったといえます。

 新たに投入された睡眠関連の製品やサービスについては、日本人の睡眠の意識を高めるうえで効果的ではないかと思いました。

 「睡眠モニター 01」は、イスラエルのヘルスケアIoT機器ベンチャーであるEarlySenseが開発した製品で、毎年1月に米ラスベガスで開催されている「CES」でも見かけるメーカーです。

 マットレスの下に敷くタイプの製品はほかにもありますが、なぜこの製品を選んだのでしょうか。ニューロスペースの小林氏に伺ったところ、理由は2つあるとしました。

 1つは使い勝手で、ベッドに入るだけでいいところを評価したそうです。もう1つは測定精度。脳波のセンシングなどいろいろな製品を比較したところ、今回採用した製品が最も良かったとのことです。夏には、スマート電球やスマートカーテンを使い、睡眠データと連携させて明るさをコントロールするスマートアラームなどの提供も予定しているということで、「リアルタイム性が大切になる」と述べました。

将来的には睡眠データと連携させて、起床時にカーテンが自動的に開くような機能も

 「ルーパーRP-5000SE」は寝床内の温湿度が分かっても、今のところそれをコントロールする機能はありません。快適に眠れる寝床内環境は温度33度前後、湿度50%程度がいいとされていますので、アプリのデータを見ながら寝具を調整をすることになります。

 海外では、ベッドに睡眠トラッキング機能や、自動リクライニングによるアラーム機能、いびき防止機能、温度調整機能、マッサージ機能などを備え、スマートフォンから操作できるスマートベッドが多数登場しています。ただし、機能全部入りがいい寝具とは限りませんし、多機能ならその分価格も上がるので、ニーズと機能のバランスが大事です。

 2015年の東京ガスの調査では、日本における寝具の利用比率に関しては、ベッド派が布団派をやや上回るようになってきているようです。年齢が若いほどベッドの利用率が高く、年配の男性になると布団の利用率が高い傾向もあるようです。自分の睡眠が気になり始めるのは、体に限界を感じ始める年代なので、「ルーパーRP-5000SE」がどの層にどの程度刺さるのか気になります。

 寝具がヘタっていると、吸放湿性が低下して、それが知らず知らずのうちに不快感となって睡眠の質を低下させているかもしれません。ベッドの買い替え予定はないけれど気になるという方は、「マルチセンサー 01」をマットレスの中に入れてみたら、新しい気付きがありそうですね。

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すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。