みんなのケータイ

久しぶりに登場したiPad mini新モデルはコストパフォーマンス抜群かも

【iPad mini(第5世代)】

 1月のみんなのケータイでも述べたように、新しいiPad miniを心待ちにしていた筆者は、3月末に発売されたiPad mini(第5世代)は迷うことなく購入した。いや、色をどうするかは迷ったのだが、けっきょく当日のアップルストアでの店頭在庫がスペースグレイのみだったので(Wi-Fi+Cellularの256GBモデルは決定済みだった)、迷う余地はなかった。

iPad mini(第5世代)。見た目は従来モデルとほとんど変わらない
iPad mini(第5世代)のCellularモデルはアンテナ部のデザインが前モデルと異なる。こうやって左右からつかめるのがiPad miniのメリットだ

 iPad mini(第5世代)は、2015年秋発売のiPad mini 4の後継機種で、大きさやデザインはほとんど同じだ。ケースなどのアクセサリもほぼほぼ同じものが使える。Wi-Fi+Cellularモデルだと、アンテナ部のデザイン処理がちょっと違うくらいだ。

 一方で中身は一新され、プロセッサは最新世代のA12となった。iPad mini 4がA8だったので、一気に4世代も新しくなっている。実際に使ってみると、iPad mini 4でモタツキを感じる動作、たとえばアプリの切り替えやキーボード表示などがサクサクになっていて、性能差をはっきりと体感できる。

 ベンチマークアプリ「Geekbench 4」で測定してみると、iPad mini(第5世代)のCPUのシングルコアは4798、マルチコアは11331。iPad mini 4(同スコアでシングル1684とマルチ2881)に比べると大幅に高速化している。さらに同アプリによるとiPad mini(第5世代)のシステムメモリは3GBとなっていて、iPad mini 4の2GBよりも増えている。あと同時発売のiPad AirとともにApple Pencilにも対応し、これで現行iPadは全ラインナップがApple Pencil対応となった。

iPad mini(第5世代)のベンチマーク結果。6コアというのもポイント

 iPadの現行ラインナップを比較すると、iPad(第6世代)が廉価モデル仕様で、iPad mini(第5世代)とiPad Air(第3世代)はその一段上に位置づけられているのが読み取れる。

 たとえばディスプレイ仕様を見ると、iPad mini(第5世代)とiPad Air(第3世代)は、「ラミネーションディスプレイ」や「True Toneディスプレイ」といった、iPad(第6世代)が対応しない上位の仕様に対応している。ストレージ容量や、システムメモリー容量もiPad(第6世代)の方が小さい。

 従来のiPad miniはわりと廉価モデルに近い位置づけで、1世代前のプロセッサが採用されることがあったが、現行ラインナップでは廉価モデルはiPad(第6世代)のみで、iPad mini(第5世代)とiPad Air(第3世代)は一段上のモデルに位置づけられているようだ。そうやってスペック面に注目すると、iPad mini(第5世代)/iPad Air(第3世代)は価格こそ高いものの、コストパフォーマンスは高いとも言える。

iPad mini 4。こちらは2コアのA8で、第5世代との性能差が大きい(ただし測定時のiOSは第5世代と異なる)
ついでにiPad(第6世代)。こちらは2コアのA10。シングルのスコアは悪くない

 iPad(第6世代)はプロセッサーは2世代前のA10でシステムメモリーも少ないので、いまからだと2年くらいでiOSやアプリのアップデートで重たくなり、買い換え時になってくるだろう。一方のiPad mini(第5世代)とiPad Air(第3世代)は最新世代のA12なので、単純に考えるとiPad(第6世代)よりさらに2年長く使えることになる。

 たとえばWi-Fi 32GBモデルのiPad(第6世代)は3万7800円、これを2年使うとなると、1年あたりのコストは1万8900円だ。Wi-Fi 64GBのiPad mini(第5世代)は4万5800円、これをiPad(第6世代)より2年長く、つまりは4年使うなら、1年あたりのコストは1万1450円となる。ついでにiPad Air(第3世代)Wi-Fi 64GBで5万4800円なので、これを4年使うなら、1年あたりのコストは1万3700円となる。実際にはこんな単純計算は通用しないかもしれないが、iPad mini/Airのコストパフォーマンスは極めて高いと言えるだろう。

 いまiPadを買うなら、業務などで大画面かつハイパフォーマンスなiPad Proが必要とかでない限り、iPad miniとiPad Airのどちらか好きなサイズを選ぶのがオススメだ。

左はiPad mini(第5世代)、右はiPad Air(第3世代)と同じ大きさの10.5インチiPad Pro

 iPad Airはそこそこ大きいので、卓上に置いて動画を楽しんだりするのに向いている。また、Smart Keyboardも買えばパソコンのように使うこともできるし、そこそこのサイズがあるので、Apple Pencilでのお絵かきにも向いている。こうした使い方は、iPad miniのサイズ感だとちょっと物足りなさを感じるところだ。

iPad miniならこんな感じで片手でも持ちやすく、スマホに近い感覚で扱える

 しかしiPad Airは、長時間、片手だけで持ち続けるのには不向きなサイズとなっている。一方のiPad miniは片手でも持ちやすいサイズ感なので、たとえば電車移動中や立ったまま使う機会が多いなら、iPad miniの方がオススメである。普通のアプリならiPad miniの画面サイズでも小さすぎるということはないし、むしろ縦スクロール型のマンガアプリなどはiPad miniの方が使いやすいことだってある。

 どのiPadが最適かは、その人の使うアプリや利用シーンによる。購入前に最適なiPadを選ぶのは難しいが、使い勝手がかなり異なるので、どちらにするか迷っている人は、できれば店頭などで実機を手にしつつ慎重に検討しよう。