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総務省「モバイル研究会」第11回、議論に大きな変更はなく中間報告へ

 総務省は、「モバイル市場の競争環境に関する研究会」(モバイル研究会)の第11回を開催した。

 前回(第10回)の会合で取りまとめた「中間報告書(案)」には、2年契約などでの総額表示をガイドラインに盛り込む「利用者の理解促進」、データ消去など中古事業者の自主的なガイドライン作成を評価した「中古端末の国内流通の促進」、ユーザーが支払う料金をより実態に近い状態で総務省が把握する「利用者料金等のモニタリング」などの方向性が示された。

 また、通信事業者間の競争条件の適正化に関する内容として、MVNOがMNOに支払う接続料の算定方式の見直しや、音声卸料金の適正化に向けた検証、全国BWA事業者の二種指定といった項目が挙げられている。

 「中間報告書(案)」の内容に対して、2019年3月16日から4月1日までパブリックコメントの募集が行われ、法人・団体から13件、個人から8件の意見が提出された。提出された意見は、総務省のWebサイトでも公開される。

 今回の第11回の会合では、寄せられた意見の内容とそれに対する総務省の考え方が明らかにされた。パブリックコメントを踏まえた結果、一部の文言の修正や直近で公表された接続料が反映されたものの、内容に変更はなく、中間報告に向けた最終的な準備が進められることになった。

 なお「中間報告書(案)」では、MVNOが支払う接続料について、将来原価方式の具体的な算定方法などについて、過去の実績をもとに算定する「実績原価方式」では事業計画の見通しが立てにくいことから、MNOとMVNOの公正競争のため、複数年度の予測をもとに算定する「将来原価方式」が提案されている。

 将来原価方式については過去の会合で、専門家による検討会などで集中的に議論する必要があるとの意見が有識者から上がっており、総務省は「接続料の算定に関する研究会」を新たに設けて議論を深める予定。