スマートフォンの充電が足りない――そんなときに役立つのが「モバイルバッテリー」です。最近では家電量販店はもちろん、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでも買えるようになりました。
気軽に買えるものだからこそ、選び方は非常に重要です。そこで、この記事ではモバイルバッテリーを選ぶ上で重要なポイントと、おすすめのモバイルバッテリーをご紹介します。
スマホのバッテリーと同様に、モバイルバッテリーにも容量(ためておける電気の量)があります。モバイルバッテリーの場合、容量は1時間にどのくらいの電流を流せるかを示す「mAh(ミリアンペアアワー)」という単位で表されるのが一般的です。
実際にどのくらいの容量があれば良いのか、目安を計算式で示すと以下の通りになります。
必要なモバイルバッテリーの容量=スマホのバッテリー容量×満充電したい回数×1.7
例えばバッテリー容量が3000mAhのスマホを2回満充電できるモバイルバッテリーがほしいなら1万200mAh以上の容量を備えていればOK、ということになります。
式中の「×1.7」の根拠は、モバイルバッテリーの電力損失(ロス)。構造上、モバイルバッテリーでは実容量の3〜4割程度のロスがどうしても発生してしまいます。そのため、厳しめに計算すると、スマホのバッテリー容量に満充電したい回数を乗じた上で、その数値を0.6で割った=約1.7倍した容量が必要なのです。
もっとも、モバイルバッテリーは容量が大きければ大きいほど充電時間も長くなりますし、サイズも重量も増す傾向にあります。複数回満充電できるスペックが必要なのか、そもそも「満充電」にこだわる必要があるのか吟味するようにしたいです。
Android端末の場合、メーカーやキャリアがバッテリー容量を公表していますから、それを参考にしてください。iPhoneは以下に参考容量を記しておきます(中国TENNA(産業情報技術省)の認証情報から)。
スマホの中には、充電速度を上げる「急速充電」に対応した機種もあります。急速充電方法には幾つかコンパクトなボディーを持ちます規格がありますが、Qualcommが提唱する「Quick Charge(クイックチャージ)」と、USB Implementers Forum(USB-IF)が定める「USB Power Delivery(USB PD)」という規格が主に使われています。
モバイルバッテリーの電源出力がこれらの急速充電規格に対応していれば、スマホの充電速度をアップすることができます。一方、モバイルバッテリー自身が急速充電に対応していれば、使い終わった後の充電も高速です。
ただし、急速充電をするには電源の供給元と供給先が同じ規格に対応する必要があります。買う前に、スマホ、モバイルバッテリー、AC(充電)アダプターのそれぞれがどのような急速充電規格に対応しているか、事前に確認するようにしましょう。
なお、iPhoneでは以下の機種において「USB-C - Lightningケーブル」とUSB PD対応電源を用意すれば急速充電できます。
最近のモバイルバッテリーは、複数台充電に対応するものも少なくありません。
仕事とプライベートといった具合でスマホを2台持ちしている人や、「スマホとカメラ」「スマホとタブレット」といった複数のデジタルガジェットを持ち歩いている人は、電源(USB)出力が複数あるモバイルバッテリーをおすすめします。
ただし、複数のデバイスを同時に充電すると、その分モバイルバッテリーの電力消費も激しくなります。気を付けましょう。
これらのポイントを踏まえて吟味すると、モバイルバッテリーは以下の5つがおすすめです。
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