スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

自由度の高いホルダーでタブレット端末を車載

ドリンクホルダーにタブレットやスマホをセット

 クルマでタブレット端末やスマートフォンを多用しがちな筆者。いろいろ理由はありますが、主にGoogle マップの「スター付きの場所」などの登録地点を利用するためです。気になる登録地点へ実際に行ってみたり、ドライブで見つけた場所を新規登録したり、といった使い方。カーナビでもできないことはないんですが、Google マップ上には既に何百もの地点が登録してあり、その情報をカーナビに移行するのは現実的ではなく、やっぱりGoogle マップを多用しがちというわけです。

筆者のGoogle マップ登録地点。左はウェブブラウザ版で、右はiOS版アプリの表示例です。地点登録やルート表示の機能性、それから航空写真やストリートビューの利便により、もはやGoogle マップから離れられません。

 そんなGoogle マップをクルマで使うには、もちろんスマートフォンでもOKなんですけど、より画面が広くて見やすいタブレットが快適です。そして、クルマでタブレットを使うとなると、やっぱり必要になるのがホルダーの類。いろいろなホルダーを使っている筆者ですが、それでもさらに「より便利そうなホルダーを探し続けている」という感じです。

 で、最近、「これは良さそう!」と思ったホルダーが、サンワサプライの「タブレット・スマートフォンホルダー 200-CAR058」(公式ページ)です。便利&手軽な予感がしたので、さっそく買って使ってみました。

サンワサプライの「タブレット・スマートフォンホルダー 200-CAR058」。2つのパーツで構成され、クルマのカップホルダーに装着して使います。不使用時はパーツを分離してんの保管も可能。直販税込み価格4480円。
左写真はiPhone XS Maxを運転席右側のカップホルダーにセットした様子。中央写真はiPad Pro 11インチを助手席側にセットした様子。右写真はシフトレバー左側にあるカップホルダーにiPad miniをセットした様子です。

 このホルダーは、クルマのカップホルダーに装着して使うタイプで、スマートフォンからタブレットまで幅広く対応し、アームの可動範囲も広い。実際に使ってみたら、その使用感はなかなか良好。ということで、以下、その使用感を書いてみたいと思います。

いろいろと自由度の高い端末ホルダー

 まず、どんな構造でどんな動きをするホルダーなのか? 構造的にはやや複雑なホルダーですが、その動きは直感的に理解できます。そのあたり、写真と説明文で見ていきましょう。

複数のスタイルで端末を保持できますが、これは端末を低い位置で保持させるときの状態。底面から上部端までの高さは25cmです。
各部の可動の自由度が高く、車内スペースに合わせてセッティングできます。右写真は端末を高い位置で保持させるときの状態で、底面から上部端までの高さは約36cmです。
カップホルダーに入る部分。太さは2段階になっていて、幅広いサイズのカップホルダーに適合します。
端末を保持する部分。挟んで保持するタイプです。メーカーは上下方向に挟んでの使用を推奨しています。
幅もしくは高さが12〜23cmで厚みが1.7cmまでの端末に対応しています。試してみたところ、iPad Pro 11インチもセットできました。

 ホルダーとしては、やはりカップホルダー装着タイプはラクでイイです。取り付け・取り外しが手っ取り早い。ただ、カップホルダー装着タイプは、カップホルダー位置にしか装着できませんので、「この端末位置だと見づらい」とか「レバー類と干渉する」といった問題が起きると回避しづらいデメリットがあります。その点、このホルダーのアームなどの可動範囲が広いため、そういった問題を回避しやすいとも感じられます。

 購入直後、その可動範囲の広さはイイ感じでしたが、関節が多いことは緩みやすさや壊れやすさにもつながります。「動きは良好だけど耐久性が不安かも……」と思ったりもしたわけですが、このホルダーはかなり頑丈に作られていました。実際に可動部を動かしたり締めたりしてみると「このくらい頑丈ならまあ緩んだり壊れたりしなさそうだ」という実感が得られました。

 逆に、回転部などは「簡単には回転したりズレたりはしない」くらい硬めで、固定した後に動かすには若干の手間が。角度などの微調整にはちょっと力が要ったり、ネジを何度も回す必要があったりします。

実際はどんなふうに取り付けられる?

 では、このホルダーをクルマのカップホルダーにセットしてみましょう。車種はホンダ「N-VAN」(レビュー記事)です。以下、その様子を写真と説明文にて。

運転席側前方右にカップホルダーがあるクルマです。そこにホルダーをセットし、iPhone XS Maxをセットしてみました。横向きにもしてみましたが、画面角度の自由度が狭まるのと、横位置だと顔認証が不可なので、縦向きが現実的です。なお、N-VAN用のスマートフォンホルダーとしては、本連載バックナンバーでレビューした「BSA08 N-VAN専用スタンドセット」(関連記事)も便利です。
iPad miniもセットしてみました。画面自体は見やすいですが、前方の一部視野が遮られて危険かもしれません。画面が横向きだと、さらに、です。
「たぶん実用的ではないだろうなあ」と思いつつも、iPad Pro 11インチもセット。前方視野が大幅に遮られて危険です。右写真は助手席側のカップホルダーにセットしたところ。これなら助手席でナビなどしてもらうときに便利かも、です。
なお、車載時には保安基準に適合した位置に取り付ける必要があるとのこと。※製品説明書より抜粋。

 上の写真は全て、ホルダーを「端末を高い位置で保持させる状態」にしたものです。低い位置にすれば視線を遮らずに端末を保持させることができますが、iPhone XS Maxを低い位置で保持するとハンドルなどが邪魔して画面が見づらく、iPad Pro 11インチだとスペースがなくて低い位置では保持不可能でした。でも、iPad miniだと低い位置でも保持させることができました。

ホルダーを「端末を低い位置で保持させる状態」にし、iPad miniを保持させた様子。縦向きでも横向きでも、ハンドルが画面一部を覆ってしまいます。なので、画面全体を見るときには顔を少し動かしたり近づけたりする必要があります。また、縦向きの場合、前方視野が少し遮られます。横向きにすると前方視野は遮られず、最も安全・快適に使える状態。常時画面を見るわけではありませんので、「低い位置で横向きにiPad miniをセット」するのが「筆者のN-VANでGoogle マップを使うのに最も適したスタイル」だと思います。

 このホルダーの可動部自由度の高さがいろいろな取り付けパターンを可能としているわけですが、視界が遮られないように、車内のレバー類と干渉しないように、さらには快適に画面が見られるようにと突き詰めていくと、やっぱり不向きな端末やイマイチなセット位置は出てきてしまいますね。N-VANのカップホルダー周辺は狭めなので、特にそういう感じがしました。

 でも、一般的なカップホルダー装着タイプの端末ホルダーだと「結局どの位置のカップホルダーで試しても実用的にはならなかった」的なことが少なくありません。そんな現実を考えると、この製品にはワンランク上の実用性があると感じられます。

S660のあのカップホルダーにはどうか?

 もう1車種。ホンダ「S660」(レビュー記事)のカップホルダーにもセットしてみました。

MR(ミッドシップエンジン・ リアドライブ)の2シーター・オープン軽自動車のS660。専用のカップホルダー「ドリンクホルダー」(公式ページ)があり、助手席側に装着できます。手軽に脱着可能。

 このカップホルダー、ちょっと特殊。上側が斜めになっているので、端末ホルダー類をセットすると、端末ホルダー自体が斜めになってしまいます。でも、アームなどの可動自由度が高い「タブレット・スマートフォンホルダー 200-CAR058」なら何とかなる? と期待して使ってみました。その結果を写真と説明文で見てみましょう。

S660のオプション「ドリンクホルダー」に端末ホルダーをセット。ドリンクホルダーとの嵌合部が斜めなので、端末ホルダーも傾いてしまいました。セット時の安定感は十分ですが、傾きがかなり厳しい。
そこにスマートフォンを装着。傾いています。でもホルダー部をカクカクッと少し回したら、スマートフォンの傾きを直せました。
運転席からの見栄え。端末はiPhone XS Maxです。
こちらはiPad miniとiPad Pro 11インチ。ホルダーは「端末を高い位置で保持させる状態」ですが、これだと画面位置がちょっと顔に近すぎます。
そこでホルダーを「端末を低い位置で保持させる状態」にしたら、ちょうどいい感じに。シフトレバー操作も問題ナシ。端末はiPad miniです。
縦向きでもイイ感じ。
端末をiPad Pro 11インチにしてみました。案外イイ。
縦向きだと何となく違和感……というか大きすぎ感がありますが、でも実用上問題ありません。
ちなみに、iPad Pro 11インチや最新世代iPad miniの場合、Apple Pencilでの画面操作ができます。地図のポイントを示す場合、指よりも的確に一点をタッチできるポインティングデバイスとなり、車載での利用に好適だと感じられます。拡大縮小操作なんかもスムーズ。

 S660の場合、ドリンクホルダー周囲には比較的に広い空間があるため、N-VANのときよりも自然に端末をセットできました。また、端末の向きや高さのコントロールもしやすい。かなり快適に使えるホルダーです。

 てな感じの「タブレット・スマートフォンホルダー 200-CAR058」。ちょっと大きめのホルダーではありますが、カップホルダー装着式で手軽に使えつつ、アームなどの可動域が広いのでより多くの車種にマッチすると思います。車載用スマートデバイスホルダーにモヤモヤを感じている方は、ぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。