ソフトバンクは、7月18日と19日の2日間にわたり、法人向けイベントの「SoftBank World 2019」を開催した。会期2日目には、同社グループのPayPayが講演を開催。副社長の馬場一氏が、ユーザー数900万を突破したことを明かした上で、同社の最新戦略を語った。店舗とユーザーの接点を強化する機能を実装していくのが、今後の目標だという。今回は、その詳細をお伝えしていこう。
100億円を投じたキャンペーンで一気に知名度を上げたPayPayだが、ユーザー数も順調に増加している。馬場氏によると、7月18日には900万加入を達成。「間もなく1000万になる」と自信をのぞかせた。ソフトバンクグループの営業力を生かし、加盟店の増加ペースも速い。こちらも既に70万店を突破しており、生活シーンのさまざまな場面で、PayPayのロゴを見かけるようになった。
「ユーザー認知も他のスマホ決済よりダントツで高い。サービスの理解度でもトップを走っている。使ってみたいスマホ決済は何かというと、PayPayが第一になってきている」
加盟店開拓の方針として掲げるのは、「まず日常使いのお店を増やしていく」こと。最終的には「日本にある全ての小売りやサービス業にPayPayが入るようにしていきたい」と高い目標を掲げている一方で、優先したのが、利用頻度の高い店舗だ。コンビニエンスストアやドラッグストア、居酒屋など、日常生活で訪れる頻度の高い店舗が続々と対応しているのは、そのためだという。
店舗を開拓するのと同時に、ユーザー側をそこに誘導するよう、キャンペーンを実施。2月から5月にかけて展開した第2弾の「100億円キャンペーン」では、1回の決済ごとにもらえる還元額を1000円に絞った。6月からは、「日常使いができるよう、ドラッグストアや居酒屋で使えるキャンペーンにした」という「ワクワクペイペイ」を実施。6月はドラッグストア、7月、8月はランチで、最大20%の還元を行っている。
実際、ワクワクペイペイキャンペーンを開始した結果、約6割のユーザーが初めてドラッグストアでPayPayを使って決済を行ったという。店舗側にも効果が如実に出ており、第2弾の100億円キャンペーンと比べ、6月のワクワクペイペイでは、決済回数が2.5倍に増加。「PayPayはコンビニだけという方がいっぱいいたが、キャンペーンがあるからということで、コンビニとドラッグストアの両方に行くようになった」という。
現在実施中の11時から14時までに絞ったランチタイムの還元では、スーパーマーケットでの事例を紹介。「スーパーはお昼に山がなかったが、キャンペーンをすることで、夕方の山を落とすことなく、ランチの時間がガーっと上がった」と効果は絶大だったという。こうした成果を踏まえ、馬場氏は9月に、スーパーを対象にした「大キャンペーンをやっていく」ことを明かした。詳細については、後日発表される予定だ。
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