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実は選択肢がほとんどない、JCBカードでQRコード決済

【HUAWEI P30】

 10月に入って実施された消費増税が大きな話題となっている昨今ですが、その影響で注目されているのがキャッシュレス決済。増税に合わせて、経済産業省が中小店舗でキャッシュレス決済を利用するとポイント還元が受けられる「キャッシュレス・ポイント還元事業」を実施したことから、再びキャッシュレス決済への関心が高まっているようです。

 普段はFeliCaベースの電子マネーを中心にキャッシュレス決済を使っている筆者ですが、せっかくなので「HUAWEI P30」でもキャッシュレス決済を使おうと思い、準備してみることにしました。「HUAWEI P30」はFeliCa非搭載ですが、最近ではQRコード決済が利用できるので、そちらを活用すればキャッシュレス決済への対応もできるだろうと踏んだわけです。

 ですがその最中、大きな壁に当たってしまいました。筆者は普段JCBカード、あるいは国際ブランドがJCBのカードを利用しているのですが、よくよく確認してみると主要なQRコード決済のほとんどが、ことごとくJCBブランドのカードに非対応なのです。

 執筆時点でクレジットカードによるチャージなどに対応していない「LINE Pay」や「メルペイ」はともかく、「Origami Pay」はJCBブランドに非対応。「PayPay」「楽天Pay」はそれぞれ「Yahoo!カード」「楽天カード」であればJCBブランドでも利用可能なほか、「au Pay」もクレディセゾン、トヨタファイナンスが発行するJCBブランドのカードであればau WALLTEへのチャージが可能ですが、こうした制約があまりないVISAやマスターカードブランドのカードと比べると、JCBやそれ以外のブランドへの冷遇ぶりが際立っていることが分かります。

「楽天ペイ」のクレジットカード登録画面。VISA・マスターカードと楽天カード(JCBブランド含む)は利用できるが、楽天カード以外ではJCBブランドのカードは利用できない

 筆者が確認した限りではありますが、一般的なJCBブランドのカードで利用できるQRコード決済は、現在のところ「Amazon Pay」と「d払い」のみ。Amazon Payに対応する店舗はかなり限定されていることから、実利用を考えるとd払い以外に選択肢がないというのが実情のようです。

「d払い」のクレジットカード登録画面。JCBカードも登録して利用することが可能だ

 なのであればJCB以外のカードを使えばいいのでは? という声も聞こえてきそうですが、そもそも使いたいカードがJCBブランドであることが多いので、そこは妥協したくありません。たとえば筆者が良く使うカードの1つとして、日専連ライフサービスが発行している「Fukurumカード」がありますが、これはカードの利用額の一部が福島県産品の復興や風評被害の払しょくに役立てられるというもの。福島の出身で地元を応援したい筆者としては積極的に使いたいカードの1つなのですが、国際ブランドはJCBのみで、VISAやマスターカードのブランドを選ぶことはできません。

筆者が積極的に利用しているカードの1つ「Fukurumカード」だが、国際ブランドはJCBのみなので大半のQRコード決済サービスでは利用できない

 どういった事情でJCBへの対応が進まないのか筆者が知る由はありませんが、消費者の立場からすると、国際ブランドの違いでQRコード決済の利用可否が決まってしまうのには、やはり不満があるというのが本音です。幅広い消費者のニーズに応えるためにも、ぜひQRコード決済事業者にはJCB、さらに言うならばVISA、マスターカード以外のブランドへの対応を積極的に進めて欲しいところです。