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乗合タクシーが1日4000円で乗り放題、ドコモの“AI運行バス”の仕組みを使った「さっぽろ観光あいのりタクシー」を試す

 札幌市で実証実験の「さっぽろ観光あいのりタクシー」を試してみました。

「さっぽろ観光あいのりタクシー」

 この実証実験は、乗合タクシーが1日定額料金で使い放題になるもので、1日あたりの利用料金は1名で4000円、2名で7000円、3名で8000円、4名で9000円、5名以上は総額1万円です。子ども料金などの設定は無く大人と同様に1名としてカウントされます。

 筆者が札幌を訪問した10月下旬の時点では、1日乗り放題のプランのみ提供されていました。現在では1日プランに加えて、3回までの乗車に利用できるプラン追加されています。3回までの乗車に使えるプランは1日プランの半額です。

1日定額プラン
1日乗車3回までのプラン

 サービスを利用するためには、事前にWebサイトから会員登録を行った上で、Webサイト上で乗車地点および降車地点を選択して乗合タクシーを配車します。タクシーの配車は「今すぐ呼ぶ」ほかに、乗車時刻を指定することも可能です。

乗車・降車地点と人数、乗車時刻を指定して注文

 乗合タクシーは、通常のタクシーと異なり好きな場所で自由に乗り降りできず、乗車/降車に指定できるポイントはあらかじめ指定されています。観光施設では、札幌駅北口のほか、札幌場外市場、さっぽろ羊ヶ丘展望台、円山動物園などで、このほかに市内のホテルや一部のセイコーマートが乗車/降車ポイントに設定可能です。

 このため、乗降車するポイント(特に乗車するポイント)では、「どこで乗車できるか」が重要になるのですが、乗合タクシーの乗降ポイントは通常のバス停などを示す標識よりもやや背の低い標識が置いてあるのみで、初見だと探すのに苦労するかもしれません。

 実際に、札幌駅北口で初めて乗合タクシーを配車して移動する際は、乗車ポイントを見つけるのに若干苦労しました。

乗降ポイントを示す標識

 乗車ポイントを見つけた後は、Webサイトから乗合タクシーを配車するだけで手続が完了しますがWebサイト上の到着予定時間を過ぎてもなかなかタクシーが現れませんでした。この時、Webサイト上で表示された到着予定時刻(=乗車時刻)は11時36分でしたが、実際にタクシーが到着したのはその10分後の11時46分。

 乗合タクシーは、その名の通り複数の乗客が「乗合」するため、「ひょっとしたら途中で乗客の乗り降りが多く発生したのかも……」と思って乗務員に尋ねてみると、単純に待機地点(営業所)から直行で運転したものの、到着予定時間がかなり早めに表示される仕様となっているようで「基本的には到着時間よりお待たせするケースが多い。」とのことで、利用時には注意が必要です。

タクシー車内の様子

 タクシーの利用料金は、最初の乗車時に支払い、支払いを証明するリストバンドを受け取ります。支払い方法は現金のほかクレジットカード、各種電子マネー、QRコード決済など。

リストバンドを受取する
シェアサイクルの1日乗車券もセットに(10月末まで)

 後になって気付いたのですが、タクシーを注文した画面の「周辺図」をタップすると、乗車/降車地点の周辺図と共に、車両の現在位置が表示されます。車両の現在位置は、「到着までだいたいどの程度かかるか」の目安となる重要な情報ですが、これを確認する方法が決してわかりやすいとは言い難いのは、今後の改善を期待したいところです。

 また、サービスを使っていて困った点として、システムトラブルにより「注文が成立したように見えて、実際には成立していなかった。」というトラブルがあったことです。

 前述の通り「到着時間より待たせることが多い。」と聞いていたため、到着予定時間を多少過ぎても気にしていませんでしたが、予定時刻より30分以上待ってもタクシーが来なかったため、さすがに心配になってサポートセンターに電話して確認してみると「システムトラブルにより注文が受付されていなかった」とのこと。

 システムトラブルによって注文が正常に受付されていなかったこと以外には、大きなトラブル無くサービスを利用できましたが、一連のシステムはドコモが過去に実施したAI運行バスの実証実験のシステムを流用しているようで、乗合タクシーの乗車・降車ポイントが地図上では「バス停」として表示されるなど、その背景を理解していないとやや戸惑う点もありました。

AI運行バスのシステムを活用

 通常のタクシーと異なり、乗り降りする場所に制限はありますが、観光などで訪れる予定の場所で乗降でき、なおかつバスなどの公共交通機関でのアクセスが悪い場所を訪問する際は便利です。なお、11月22日〜24日の3日間は利用料金が無料になるキャンペーンが開催されます。