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Alipayの「Tour Pass」のおかげで、中国での決済が楽ラク♪

【HUAWEI P30 lite/iPhone 11 Pro】

 11月22日〜25日に、中国・深圳に行ってきました。羽田~香港の航空便を利用し、当初は香港に滞在して、深圳にも足を延ばそうと考えていたのですが、香港はデモが活発化し、気ままに街をブラブラできそうにない様相。出発直前に予定を変更し、深圳だけに滞在することにしました。

スカイリモのチケット売り場は、第2ターミナルのLevel 3にある。4社の窓口が並んでいるようだが、早朝ということもあり2社しか開いてなかった。始発は6時15分で、約40分ほどで深圳に着いた

 往路は、早朝5時に香港国際空港に到着。イミグレを通って、一旦香港に入ったあと、空港から「スカイリモ」という乗り合いタクシーに乗って香港と深圳のボーダーに向かいました。香港側では、高速道路の料金所みたいなところで、車に乗ったままパスポートを見せて出国手続き。その後、車を降りて、深圳(中国)のイミグレで入国手続きをして、深圳側に入りました。つまり、香港は通過しただけです。

中国側のイミグレは、歩いて通過して、深圳側で待機していたスカイリモに乗り継いで、ホテルに向かった

 復路は、深圳の蛇口港から船で香港国際空港に戻りました。乗船前に、中国の出国手続きと、日本に帰る航空便のチェックインを行い、荷物も預けました。受け取りは羽田です。つまり、復路は、香港に入ることなく、帰国できました。ちなみに船便のチケットは、フェリーを運行するCKSのWebサイトで購入しました。英語表示にもでき、クレジットカードも使えるので簡単でした。

深圳・蛇口のフェリーターミナルには航空会社のカウンターがあり、ここでチェックインできる。筆者はANAだったが、日本語を話すスタッフが対応してくれた
チケットは出発前に購入。フェリーターミナルにある発券機にQRコードをかざして発券した

 さて、深圳を訪れるにあたり、心配していることがありました。現地での買い物をどうするか? キャッシュレス決済が進んでいる中国では、ほとんどの人が「WeChat Pay(微信支金)」または「Alipay(支付金)」という、スマホのQR決済を使っています。クレジットカードも使えますが、中国が発行する「銀嶺カード」しか使えない場合もあります。筆者の場合、日本のクレジットカード(VISA)で決済しようとしたら、6桁の暗証番号の入力を求められて、結局決済できず……という経験がありました。日本での暗証番号は4桁ですが、中国では6桁なんですよね。

 現金を使えばいいじゃないか? と思うかもしれませんが、現金で払う人が減っているためか、十分なお釣りを用意していない店が多いんです。また、地下鉄の切符の自販機では20元以下の貨幣しか使えず、100元しか持っていないと、まずお金を崩さないとならない、というハードルがあります。で、100元の偽札が多く出回っているためか、少額の買い物で100元を出すと、不審に思われる恐れもあります。

 筆者が前回(2018年11月)、中国を訪れた際は「WeChat Pay」を使いました。その当時は、日本人でも友人から送金してもらったり、空港などにある「Pocket Change」でチャージして使うことができました。しかし、今年の夏頃から、中国に銀行口座を持っていないと利用できなくなり、Pocket Changeでのチャージもできなくなってしまいました。

 しかし、筆者が深圳に行く前に朗報が。11月5日に「Alipay」が海外から中国に訪れる人向けに、「Tour Pass」というサービスを開始したことが報じられました。「Tour Pass」は中国の上海銀行が提供するプリペイドカードのようなもので、そこにクレジットカードからチャージすることで、「Alipay」のQRコード決済が利用できるというもの。2000元(約3万1250円)までチャージでき、90日間使わなかった場合は、残金が返金されるようです。

AlipayのTour Passの画面。「Alipay」アプリをインストールして、「Tour Pass」という項目から利用設定ができる。本人の認証のために、パスポートを撮影して送信する必要があった。クレジットカードを登録後、任意の金額をチャージ可能。中国滞在中もスムーズにチャージできた

 果たして、スムーズに使えるのか? ドキドキしながら使ってみましたが、どこでも問題なく使えました。チェーンのカフェやコンビニなどでは、QRコードを表示して、読み取って決済する方法が主流でした。地下鉄の乗車券の買う際は、券売機のタッチパネルに表示されるQRコードを読み取ると、金額が表示されて、支払いのアイコンをタップすると決済完了。タクシーでは、片面に「Alipay」、もう片面に「WeChat Pay」のQRコードが印刷されているボードを差し出されて、どちらかを読み取って、金額を入力してから支払う仕組みでした。要するに、日本でPayPayやLINE Payで支払う場合と同じです。日本でQRコード決済を使っている人なら、迷わず決済できるはずです。

QRコードを表示して、お店の人に読み取ってもらったり、レジにあるリーダーにかざすのが一般的。自分でスキャンする場合は、右下の「Scap Pay」をタップ
深圳に着いてから、最初に購入したのはスタバのコーヒー。日本でLINE Payなどで支払うのと同じ感覚だ

 筆者は、楽天モバイル(MNO)の無料サポーターをしています。そのため、海外ローミングも無料で使えます。iPhone 11 Proに「Alipay」アプリを入れて、楽天のSIMを挿したHUAWEI P30 liteのテザリングで、ネットに接続させていました。ちなみに、楽天の海外ローミングは、フランスのOrangeの国際ローミングを利用しているようです。深圳では、LTE接続で、下り20〜30Mbps程度の速度を得られました。ただし、地下では、通信速度が著しく遅くなり、「Alipay」での決済ができなくなることもありました。

中国に入ると、このようなメッセージが届いた。ステータスバーには、中国の通信キャリア名は表示されず、「Rakuten」のままだった。なお、国際通話も無料と聞いていたが、まだ利用できなかった

 筆者のiPhone 11 Proはソフトバンク版なのですが、データローミングをオンにすることで、決済できました。やはり、テザリングを経由するよりも、端末本来のデータローミングのほうが通信が安定するようですね。日本で使っているスマホでデータローミングをして「Alipay」で決済。これが、現時点でのベストではないかと思います。