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AKB48グループの劇場公演を「超神席」で見放題、ソフトバンクがVRライブ配信

 ソフトバンクとAKSは、VRライブ配信アプリ「LiVR」(ライブイアール)において、AKB48グループの劇場公演を2月3日から配信する。月額料金は3300円(税込、以下同)から。

なかなか観られない「劇場公演」を約1回分の値段で見放題

 LiVRは、スマートフォンとVRゴーグルを使って、さまざまなライブコンテンツを臨場感のあるVR映像で楽しめるサービス。2019年3月に開始され、福岡ソフトバンクホークスの試合などをライブ配信してきた。ソフトバンク以外のスマートフォンでも利用できる。

 今回のAKSとの協力により、2月3日から、AKB48グループの各劇場で行われる「劇場公演」を配信する。各劇場に3台のVRカメラが設置され、視点を切り替えながら視聴できる。

 劇場公演は各劇場でほぼ毎日開催されているが、各劇場のキャパシティーは数百人でチケットの倍率は高い。参考までに、AKB48劇場の通常公演の場合、一般男性のチケット料金は3100円。LiVRでは、1回分の値段でほぼ毎日、劇場公演が見放題とアピールする。

 当初は、AKB48、SKE48、NGT48の3グループが対象。1グループのみの配信を見られる「AKB48チャンネル」「SKE48チャンネル」「NGT48チャンネル」は月額3300円。3グループすべての配信を見られる「AKB48グループチャンネル」は月額8400円で、個別に加入した場合よりも1カ月あたり1500円安い料金設定となっている。

 視聴に必要なVRゴーグルとAKB48/SKE48/NGT48チャンネルのいずれかの30日間無料券をセットにした「劇場VRパック」も用意。価格は4500円。グッズ通販サイト「AKB48グループショップ」で予約を受け付ける。

 また、まずは劇場公演のVR視聴がどのようなものかを体験してもらうため、3月31日までの期間限定で「AKB劇場 14周年記念講演」のVR映像を1月16日からLiVRで無料配信する。

メンバーによる推しポイントは「最前列より前の超神席」

柏木由紀(AKB48)
須田亜香里(SKE48)
白間美瑠(NMB48)
田中美久(HKT48)
本間日陽(NGT48)
瀧野由美子(STU48)

 ライブ配信の開始に先立ち、東京・秋葉原のAKB48劇場で記者発表会が開催された。発表会には、AKB48の柏木由紀、SKE48の須田亜香里、NMB48の白間美瑠、HKT48の田中美久、NGT48の本間日陽、STU48の瀧野由美子が登場。メンバー6人がLiVRの“推しポイント”を紹介した。

 “推しポイント”その1は「最前列より前の超神席」。劇場に3台設置されるLiVR用のVRカメラのうち、メインの1台はステージ中央、客席の最前列よりも前に設置されている。劇場公演では通常、抽選で入場順(座席)を決めるため、最前列で観られるかどうかは運次第。LiVRを体験視聴した柏木は、「(メンバーに)手が届きそう!」と興奮まじりにコメントした。

 “推しポイント”その2は「視点と劇場を一瞬で切り替えてリアルタイムに視聴できる」ということ。先述の「超神席」以外の2台のカメラは上手、下手側からステージを見下ろすように設置されており、客席とは違ったアングルで“推しメン”の姿を追える。劇場内の3台のカメラ映像を切り替えながら視聴できるだけでなく、複数グループのチャンネルに加入している場合、他の劇場で開催中の公演とも行き来できる。

なぜソフトバンクが「劇場公演」をVRで?

 今回発表された「劇場公演」のライブ配信、そしてLiVRそのものをソフトバンクが始めた理由を一言で表せば、5G時代に向けた取り組みだ。

ソフトバンク 常務執行役員 サービス企画本部 本部長 寺尾洋幸氏

 ソフトバンクの寺尾洋幸常務は、3Gは電話とメールの時代、4G(LTE)はデータ通信の時代になってSNSなどが急速に普及したと振り返った上で、「5Gはサービスの時代になる」と語る。

 技術面では通信の遅延が少なくなることや4G以上の高速通信が可能になることが5Gのメリットで、その特長を活かした5Gの使い方のひとつとして、VRを使ったライブ配信に取り組む。

 現時点でのLiVRはあくまで4GやWi-Fi経由のスマートフォンを使ったサービスだが、技術発展とユーザーの反響次第では、本格的なVRヘッドセットの利用や高画質化など、5G時代に向けてさらに進化していく可能性もあるという。