スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneで電子マネーカードにタ〜ッチ★ 即座に残高を表示♪

オートメーションを使えば、アプリ起動も画面操作も不要

 本連載バックナンバー「iPhoneのリーダーライター機能をご紹介」で、ICカードの電子マネー残高を調べるアプリについて少々ご紹介した。iPhone 7以降のFeliCa対応iPhoneとアプリがあれば、いつでもどこでも電子マネー残高がわかるというわけですな。

 例えば「ICリーダー - 電子マネー残高確認アプリ」を使い、アプリ起動後にiPhoneでICカードにタッチすれば、電子マネー残高や使用履歴を表示可能。履歴詳細をCSVファイルとして書き出すことも可能。交通系ICカードなら詳しい乗降駅名や路線名もわかるので、交通費精算時にも好都合だ。

 こういったアプリは他にも多々ある。電子マネーカードをよく使い、iPhone 7以降の(FeliCa対応の)iPhoneを持っているなら、このテのアプリをひとつインストールしておくと便利だ。

 また、iPhone XS以降/iOS 13.1以降なら、iOS標準アプリ「ショートカット」のオートメーション機能を使うことで、“iPhoneでICカードをタッチするだけ”で残高や履歴を表示できる。iPhoneの画面が表示されていて、カメラが起動されていなければ、タッチだけ。アプリの起動や画面操作すら不要♪

 上のスクリーンショットの中央と右は、ICカードをタッチ&自動スキャンさせてアプリを自動起動して残高表示させた様子。一連の動作はオートメーション機能により自動で行われる。

 ICカードの電子マネー残高などをチェックする方法は多々あるが、たぶんこの方法が最速で最も手軽だと思われる。というわけで、今回はその設定方法などについてまとめてみたい。

NFCタグで即座に残高表示、用意するものは?

 iOS 13で追加されたショートカットアプリは、一連の操作や処理を自動化するもの。ざっくり言えば“iPhoneでいつもやっているようなルーチンワーク”をワンボタンでこなせるようにする機能“である。基本的にはそういう処理をアイコンのタップなどの何かしらの手動操作で開始するが、日時や位置情報などの条件をトリガーとして自動的に開始させることもできる。それが「オートメーション」ですな。

 今回行うのは、NFCタグをトリガーとしたオートメーションだ。iPhone XS以降/iOS 13.1以降では、NFC(Type A/B/F(FeliCa))タグつまり電子マネーなどのICカード内容をアプリの起動などナシで自動的に読み込むことができるので、NFCのICカードが近づけばiPhoneが自動検知し、これをオートメーションのトリガーとして使えるというわけだ。

 とかいった細かいことはさておき、タッチだけで電子マネー残高を表示させる設定をしていこう。必要なものは、iPhone XS以降/iOS 13.1以降とiOS標準ショートカットアプリ。それから、オートメーションに対応したICカードリーダー系アプリ。

 オートメーション対応ICカードリーダー系アプリは、そーんなに多くないようだ。が、俺がとりあえず試した範囲では、「ICリーダー - 電子マネー残高確認アプリ」「ICカード残高確認」「CardPort - 電子マネー残高確認アプリ」が使えた。ここでは「ICリーダー - 電子マネー残高確認アプリ」を使っての設定を見ていきたい。

具体的な設定は簡単〜♪

 設定はショートカットアプリから行う。ショートカットアプリを開き「オートメーション」を選び、画面右上の「+」をタップ。続いて「個人用オートメーションを作成」をタップし、新規オートメーションの作成を開始する。新規オートメーション作成では、「設定」から「NFC」を選択。

 「NFC」を選んだら、青文字の「スキャン」をタップしてNFCタグのスキャンを行う。ICカードをiPhone上部にセットしてスキャンし、そのICカードが設定中オートメーションのトリガーであることを認識させるわけですな。同時に、後で混乱しないよう、そのNFCタグにわかりやすい名前を付けておこう。

 次のステップに進んだら、「+アクションを追加」をタップし、Appのカテゴリーから「ICリーダ」(ICリーダー - 電子マネー残高確認アプリ)を選択する。ここではこのアプリにしているが、好みのオートメーション対応アプリにすればいいだろう。

 そして最後のステップにて、「実行の前に尋ねる」をオフにする。これがオンだと一連の処理を対話形式で行うことになり、オートメーション中の画面操作が必要になってしまう。このオートメーションの場合は“iPhoneでICカードをタッチするだけで済む”のがキモなので、オフに設定するというわけだ。

 以上で設定は完了。複数枚のICカードがある場合は、それぞれのカード毎に以上の設定を行う。ちなみに、こういったICカード(NFCタグ)にはそれぞれ固有のIDが設定されており、iPhoneはこれを認識してどれがどのICカードなのかも見分けてくれる。

 俺の場合、現在4枚の電子マネーカードを使っているので、上記のようなオートメーションを4セット登録している。どの電子マネーカードもiPhoneでタッチすれば即座に残高などが表示されて便利〜♪

 でもたまに、不意にiPhoneと電子マネーカードを接近させて意図しない残高表示状態になったりして、微妙にウザい動作となることも。オートメーションは後からの設定で無効にすることも可能なので、状況によってオートメーションをオンオフして使い分けるのもいいかも。また、このNFCトリガーのオートメーションは、機内モードにするとNFC読み取りを行わず機能しないようだ。

 ともあれ、非常にスムーズに使えるNFCトリガーのICカード残高確認オートメーション。オートメーション自体も活用幅が広く使用感的にも愉快なので、興味があればぜひ試してみて欲しい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。