大手キャリアが5G対応スマホのなかでも、最も“5Gらしい”スマホといえるのがLGエレクトロニクスの「LG V60 ThinQ 5G」ではないだろうか。NTTドコモが5Gプレサービスの体験会デモも見かけることの多かった、2画面スマホとしても利用できるモデルだ。ドコモとソフトバンクが5月11日に発売した。価格(税込み)はドコモが11万8008円、ソフトバンクが13万9680円。
この5G時代の大容量データ通信を生かしやすい、2画面操作対応の大画面スマホの特徴や使い勝手について見ていこう。
V60 ThinQ 5G最大の特徴は、6.8型の大画面の薄型ハイエンドスマホと、2画面折りたたみスマホという2つのスタイルを使い分けられる点だ。
通常は1画面のハイエンドスマホだが、2画面で利用する場合は、付属の「LG デュアルスクリーン」と呼ぶケースを装着する。このケースには本体と同じ6.8型の有機ELディスプレイが搭載されており、装着すると折りたたみ型の2画面スマホとなる。
デュアルスクリーンは、折りたたんだ状態のフタの部分にはサブディスプレイを搭載。USB Type-Cケーブルは、付属のマグネットで脱着できる独自端子のアダプターを介して装着する。なお、V60 ThinQ 5Gは防水対応だが、デュアルスクリーンは防水に対応していないので注意しよう。装着時の重量は353gと、スマホとして持ちあるくには重い。
2画面ディスプレイにすると、それぞれの画面に別のアプリを起動できる。今一番便利なのは、ビデオ会議アプリと別のアプリを同時に使える点だろう。Androidのマルチウィンドウ機能を使えば、3つのアプリの同時表示も可能だ。さらに、動画のピクチャーインピクチャー表示も重ねられる、これなら、通話しながら資料の確認や別のアプリを操作しやすい。
この他にも、ネット動画を視聴しながらTwitterやLINEに投稿する、ゲームをしながらブラウザで攻略情報を見るなど、プライベートでも活躍する。自宅でのスマホ利用が増えている現在、他のスマホよりもアプリの利用がはかどる。画面を立てて、スマホを置いたまま動画を視聴できるのも便利だ。
複数のアプリを同時に利用できる一方で、2画面を1つの大画面として利用できるアプリには制限がある。Google マップやChromeブラウザ、2画面表示に最適化した独自ブラウザ「Whale」は対応しているが、Kindleのような電子書籍アプリを2画面で利用できなかった。本のように電子書籍を読みたい人にとってはやや残念なところだ。
2画面表示は、画面上の専用アイコンから画面の入れ替えや2画面表示のオン、オフといった管理が可能だ。ただ、毎回メニューを開くのはやや面倒。そこで、3本指でアプリの画面を横にスライドして表示画面を移動、ホーム画面やスリープ中のデュアルスクリーンをダブルタップして画面表示をオン、オフするといったショートカット操作が用意されている。
ディスプレイは大画面6.8型フルHD+(1080×2480ピクセル)の有機ELを採用しており、HDR動画の再生にも対応。画面上部の小さいノッチには1000万画素のインカメラを搭載する。スピーカーは上部の受話部と本体底面に搭載されており、大きめかつバランスの取れたステレオ音声や3Dサラウンドで音を楽しめる。
本体サイズは78(幅)×170(高さ)×9.2(奥行き)mm、218gと、スリムながらも横幅が広い。このため、男性でも基本的には両手で持って操作する必要がある。
指紋認証センサーはディスプレイに内蔵。指の位置合わせには慣れが必要だが、認証自体は高速だ。なお、顔認証は搭載されていない。
背面には、約6400万画素(標準、広角)と約1300万画素(超広角)カメラ、距離測定のToFカメラを搭載する。背面の中心部にはおサイフケータイ対応のNFC(FeliCa対応)と、ワイヤレス充電のQiを搭載する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.