外出自粛で電気代が気になる！「Nature Remo E lite」で家全体の消費電力を可視化

家庭の全消費電力をリアルタイムでチェックできる「Nature Remo E lite」

　きっと我が家の消費電力は増えている。在宅勤務や外出自粛で自宅にいる時間が長くなっているし、仕事で使うパソコンや家電の電気代は以前より余計にかかっているはずだ。はたして家全体でどれくらいの電力を消費しているのだろう。それをリアルタイムで把握できるようにするのが「Nature Remo E lite」だ。

　個別の家電の消費電力がわかるスマートプラグやワットチェッカーなどもあるけれど、Nature Remo E liteは家庭内の全消費電力の合計値を確認できるというもの。製品としてはごくシンプルで、スマートプラグみたいな小さなサイズの本体を、自宅の電源コンセントに差し込んで使う形。が、もちろん差し込むだけで家庭全体の消費電力がわかるわけではない。あらかじめいくつかの確認や手続きが必要だ。

コンパクトな本体

電源コンセントに差し込んで使う

　まず確認しなければいけないのは、自宅の電力メーターが「スマートメーター」になっているかどうか。詳しくは電力会社のホームページなどでチェックしてほしいが、スマートメーターは無線通信機能を備え、電力会社が遠隔から検針・制御することが可能になっているもの。また、家庭の太陽光発電パネルなどのいわゆるHEMS機器と情報をやりとりするような機能ももっている。HEMS機器がある家かどうかにかかわらず、たとえば東京電力では管内においてスマートメーターへの交換を順次進めており（参考URL）、筆者宅のメーターもある日業者の方がやってきて交換していった（交換は無償のようだ）。

こちらがスマートメーター

　HEMS機器との無線通信を実現するサービスは「電力メーター情報発信サービス（Bルートサービス）」と呼ばれていて、これによって家庭内で発電・蓄電状況の把握や、関連機器の制御もできる。Nature Remo E liteは、そのＢルートサービスを活用する簡易的なデバイスというわけ。

　上位機種には「Nature Remo E」というものがあり、こちらはHEMS機器と組み合わせるのが前提となるフル機能の製品だが、Nature Remo E liteはHEMS機器がなくても使える。ただ、何もしなくても勝手にBルートサービスを利用できるわけではなく、今現在HEMS機器を利用していないのなら電力会社への申込みが必要だ。

　Bルートサービスの利用申込みは電力会社によってはWebサイトから可能（東京電力はこちら）。筆者が申し込んだときは、申込み内容の確認に1日、認証用のパスワードがメールで送られてきたのがさらに（土日を挟んで）4日後、それからほどなくして認証用のIDなどが記載された封書が郵送されてきた。スマートメーターがすでに設置されていれば1週間ほどで利用準備は整うと思われる。もしまだスマートメーター化されていないのであれば、その作業も必要になるのでもう少し時間がかかるだろう。

電力会社から送られてきたBルートサービスの認証用ID

　準備ができたらNature Remo E liteをスマートメーターのできるだけ近い場所にある屋内の電源コンセントに差し込む。コンパクトなのであまり目立たず、さりげなく設置できるのがうれしいところ。次にNature Remoアプリ（Google Play アプリ詳細）をスマートフォンにインストールして、設定画面の「新しいデバイスをセットアップする」からNature Remo E liteの初期設定を行なう。最後に「スマートメーターの認証」画面でBルートサービスの申込み後に送られてきたIDとパスワードを入力すればOKだ。

設定画面の「新しいデバイスをセットアップする」を選択

宅内無線LANに接続する

念のためNature Remo E liteのすぐそばで初期設定

初期設定ができたらトップ画面右上の「＋」をタップして「スマートメーターの認証」を選ぶ

BルートサービスのIDとパスワードを入力

　そうするとNature Remoアプリの画面に「エネルギー」というタブが増え、ここからリアルタイムの消費電力と過去の電力消費の履歴を確認できるようになる。1日・1週間・1カ月・1年といった単位で推移が見られるので、いつどれくらい使ったのか、何時に消費電力が多いか、といったことがすぐにわかる。

　平日の仕事中の消費電力が2kWを超えていたりするのを見ると、さすがに電気を使いすぎかなあという気持ちにもなってきて、自ずとこまめに照明などをオフにするクセがついてくる。夜中、就寝中に電力消費が多いようであれば、明らかに使っていないのにオンになっている家電を見つけ、寝る前にオフにしておく、といった対策も考えられそうだ。

トップ画面に「エネルギー」のタブが増えている

ここをタップするとリアルタイムの消費電力が表示

日々の推移を振り返ることもできる

　ただ、Nature Remo E liteはあくまでも消費電力を可視化するだけ。Nature Remoのほかのスマートホーム製品と連携するような機能はないのが残念なところだ。「夜間に○W以上消費しているようなら何らかのアクションをする」みたいな自動化設定も可能だったらいろいろ面白い応用もできそうなのになあ……と思わないこともない。消費電力の可視化のために1万5000円近くかけるのはなかなかハードルが高い気もするけれど、電気の使い方に対する考え方が少なからず変化することは間違いないだろう。