自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第27回

WiMAX 2+回線は「ハイスピード」モードで使うのが基本

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で急きょ自宅でインターネット回線を用意しなくてはならない人に向け、特別編としてモバイル回線を使ってインターネット接続環境を構築する方法を解説している。回線工事を待つことなく、とにかく急いで導入したいときに、モバイル回線がとても重宝する。

引き続き据え置きタイプのモバイル回線向けWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi HOME L02」の使い方を見ていこう

 前回から、モバイル回線を使う据え置きタイプのWi-Fiルーターの例としてUQ WiMAX「Speed Wi-Fi HOME L02」の設定方法を紹介している。前回はスマホを使ってWi-Fiを利用できるように設定していて、そのまま使ってももちろん問題はないが、さらに便利に利用できるよう、追加でチェックしておきたい設定を見ていこう。

 まず最初に、モバイル回線の接続状態をチェックしておこう。回線が使えていれば接続されていることになるが、接続トラブル時には、回線チェックをまず行うことで、トラブルの原因がWi-Fi接続なのか回線自体なのかを切り分けられる。

 Wi-Fi接続のチェックには、前回同様、Android/iOS向けの「Huawei HiLink」アプリを使用する。まず、スマホがSpeed Wi-Fi HOME L02に設定したSSIDにWi-Fiできちんと接続されているかを、念のため確認しておこう。

まずは、スマホが設定したWi-Fiに接続されているか確認しておく。5GHz帯の利用がお勧め
スマートフォン用の「Huawei HiLink」アプリを起動する。ホーム画面で「≡」をタップしてみよう
ここに現在接続しているWi-FiのSSIDが表示されている。もし表示されていない場合には、Wi-Fiへの接続を確認しよう
ホーム画面で、右上の「設定」アイコンをタップした画面。[デバイス]をタップ
続いて[デバイス情報]をタップする
[WAN IPアドレス]に数値が表示されていれば、正常にインターネットに繋がっている

 その後、回線の状態をチェックする。WiMAX 2+の「ハイスピード」モードでは、下り最大440Mbpsの通信を、ほぼ容量の制限なく[*1]利用できる。

[*1]……3日間で10GBを超えると、翌日18時から翌々日の2時までの約8時間、最大速度が1Mbpsとなる通信制限がかかる。他社から比べれば、比較的ゆるい制限だ

 また、auの回線を利用する「ハイスピードプラス」モードにも切り替えられる。こちらは7GBまでの容量制限があるものの、下り最大1237Mbpsという高速回線を利用できる。ハイスピードプラスを使用した月には、1005円のLTEオプション料金がかかる点には注意[*2]したい。

[*2]……auのスマホを使っているなら、「auスマートバリュー mine」と契約するセット割引で無料にできる

 このためハイスピードプラスは、ここぞというときの有料ブーストモードと捕えよう。WiMAX 2+の利用開始にあたり、自宅がハイスピードエリア内であることを確認していると思うので、基本的にはハイスピードモードで利用し、どうしても高速回線が使いたいときだけ意識的にハイスピードプラスへ切り替えるといい。

「設定」アイコンをタップした画面に戻り、[ネットワーク]を選んだ後の画面で[通信モード]をタップ
[ハイスピード]が選択されていることを確認する

 もし、持ち歩きタイプのWi-Fiルーターを使っているなら、au回線を使うハイスピードプラスの方がエリアが広いので、移動先の場所によって、ハイスピードとの使い分け方も変わってくる。

 なお、ギガ放題プランでは、ハイスピードプラスモードで7GB超のデータ通信を行ってしまうと、月末までハイスピードとともに通信制限を受けるという、ペナルティのような扱いが待っている。使い終わった後は、通信モードをハイスピードへ戻すことを、しっかりと忘れないようにしたい。ハイスピードモードの回線速度でも、テレワークでの不便はないはずだ。

 そして最後に、設定ファイルのバックアップをしておくことをお勧めしたい。設定ファイルを残しておけば、故障時など本体がリセットされた後も、Wi-Fiも含め設定を書き戻すことができる。設定ファイルの保存には、ウェブブラウザーの設定画面にアクセスする必要がある。

「Huawei HiLink」アプリ起動後の画面で「≡」をタップし、続けて[Webログイン]を選ぶ。もしくはウェブブラウザーで「speedwifi.home」にアクセスする
表示された画面からログインした後、[設定]タブをタップする
[システム設定]の[バックアップ&リストア]を表示させる。[バックアップ]をタップする[*3]
確認画面で[ダウンロード]をタップする
注意が表示される。[OK]で進める
「nvram.bak」というファイルが保存される。オンラインストレージなどに保管しておくといい。画面はファイルアプリを使っている

[*3]……設定を反映させる時には、この画面でファイルを選択して[リストア]をタップして書き戻す

 なお、回線使用量の確認する方法は、次回以降に解説していく。次回は、PCでのウェブブラウザーを使った設定を見ていこう。

今回の教訓(ポイント)

WiMAX 2+回線を据え置きで使うときは「ハイスピード」モードに限定するのが基本
「ハイスピード」と「ハイスピードプラス」の切り替えを意識しておく

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。