レビュー

「マイナポイント」をスマホで申し込む方法

 総務省が実施する「マイナポイント事業」。9月からの開始に先駆けて、7月から紐付ける決済事業者の登録が始まっている。

 先日、編集部ではマイナポイントに登録できる決済事業者が独自に実施するキャンペーンをまとめたが、今回はマイナポイントの申込方法、登録方法などを今回は取り上げる。

マイナポイントで還元を受けるためのステップ

 マイナポイント事業で還元を受けるためにはいくつかのステップがある。ざっくり言えば、マイナポイントをもらうために、まず「予約する(マイキーIDを発行する)」。

 そしてマイナポイントをどの決済サービスでもらうか「決める(申し込み、紐づけ)」のだ。

 マイナンバーカードをもう入手しているのであれば、スマホからの申し込みはとても楽だ。

マイナンバーカードの発行
発行までに1~2カ月必要。役所に出向く必要がある
マイナポイントの予約
同事業の予算を超えると予約の受付を打ち切る場合があるため、早めに済ませておくのが望ましい
マイナポイントの申込
決済事業者を登録できるが、確定後変更できないため慎重に行いたい。
還元の受け取り
還元されたポイントなどを受け取る手続きが必要な決済サービスがあるため、還元方法も要確認

マイナンバーカードの発行

 マイナポイント事業への申込・登録にはマイナンバーカードが必要。マイナンバーカード自身は決済時に使用しないが、登録時に必ず必要なため早めに発行しておくことが望ましい。

 マイナンバーカードの発行は、市町村で実施している。マイナンバーカードの発行は、申請後1カ月~2カ月程度と案内されており、編集部内でも実際に受け取りまでおおむね1カ月強かかっている。

 マイナンバーカードの申請方法について、本誌では過去、スマートフォンからの手順をご案内しているので、ぜひチェックしてほしい。

 受け取りの際は役所などに本人が出向く必要がある。受取時は本人確認と暗証番号の登録など、手続きに通常15分程度時間がかかる。

 マイナポイントが始まる9月前後は、申請が急増し窓口の混雑が予想されるため、早めの申込と受け取りをしておきたい。

マイナポイントの予約

 マイナポイント事業で還元を受けるためにはまずマイナポイントの予約が必要となる。ここでは、マイナポイント事業参加とマイキーIDの発行を行う。

 マイナポイント事業は約2500億円の予算があり、そのなかで運営していくため、予算を超える申込者数がある場合は予約を打ち切る場合があるとしている。仮に2000億円が還元に使用されるとすると単純計算で4000万人までとなる。マイナンバーカードを発行済であれば早めに予約まで済ませておきたい。

予約方法は5種類

 予約は、スマートフォンアプリやパソコン、コンビニのマルチコピー機、ATM、マイナポイント手続きスポットで行える。

 NFC機能を搭載しているスマートフォンユーザーであればスマートフォンのマイナポイントアプリから申し込める。ここでは、スマートフォンから予約する方法を紹介する。

スマホの予約に必要なもの

 予約に必要なのはマイナンバーカード、NFC機能が使えるスマートフォンと「マイナポイント」アプリ。

 給付金の申請の際に使用した「マイナポータル」アプリとは異なるため注意。

いざ「マイナポイント」の予約

 アプリを開いた画面の中段にある「マイナポイントの予約」をタップすると、マイナンバーカードの読み取り画面に移る。

 次に、マイナンバーカードの読み取りでは、iPhoneとAndroid端末では、やや方法が違う。

iPhoneでの手順

 iPhoneでは「読み取り開始」をタップすると先に暗証番号をたずねられる。

 暗証番号を入力した後、読み取り画面に切り替わる。そこでマイナンバーカードの上にiPhone上部が重なるように置く。

iPhoneでは読み取り前に暗証番号を入力する

Androidでの手順

Android端末での読み取りはコツがいる。机の上に重ねて置くと成功しやすい

 Androidでは、先にマイナンバーカードをかざして読み取る。その後、暗証番号を入力する。

 この時、マイナンバーカードを読み取れなければエラーになる。

 たとえば机にマイナンバーカードとスマートフォンを重ねて置く、といったように、カードが動かないようにするのもおすすめだ。

Android端末では、暗証番号入力後までカードを読み取らせておく

暗証番号

 この場面で使用する暗証番号は、マイナンバーカード受取時に選択した数字4桁の「利用者証明用電子証明書」の暗証番号だ。

 マイナンバーカード発行時に設定する暗証番号は他にも「署名用電子証明書」「住民基本台帳用」「券面事項入力補助用」と4種類ある。マイナンバーカードを受け取る際に決めるもので、同じ番号にしても良い、と案内されている。

 暗証番号は連続して3回間違えるとカード自体がロックされるため慎重に入力したい。万一ロックされた場合は再び役所まで出向く必要がある。

マイナポイントの予約=「マイキーID発行」

 読み取りに成功すると、マイナポイント予約画面に移るので、「発行」をタップしよう。

 予約が完了すると続いて「申込」をするかどうかを尋ねられる。

 「申込」は決済事業者を実際に選択する場面であるため、これで「マイナポイントの予約」手続きは完了している。

マイナポイントの申込

 マイナポイントの申込では実際に決済事業者を選択し、登録するステップになる。一度申込を完了させると、変更や取消はできないため、慎重にしたい。

 特に、決済事業者独自のキャンペーンはまだ出揃ったばかりで、追加のキャンペーンの実施を行う事業者もいるため、ある程度キャンペーンが出揃った後に申込でも遅くはないだろう。

決済サービスによって申込方法が限定されていることも

 多くの決済アプリは「マイナポイント」アプリからの申込をサポートしているが、一部の決済サービスは申込方法が限定されている。

 編集部で確認すると携帯電話会社関連では、「楽天カード」は「楽天カード」アプリからのみ申込ができる。

マイナポイントアプリからの申込手順

 今回は申込も同様に「マイナポイント」アプリから行う。

 アプリを開いて、予約の下にある「マイナポイントの申込」をタップし、予約時同様マイナンバーカードを読み取りログインする。予約まで完了していれば、申込が可能であるメッセージが表示される。

「マイナポイントの申込」をタップ、予約まで行っていれば申込可能のメッセージが表示される

決済サービスの選択

 次に決済サービス選択画面に移行する。電子マネーやQRコードなどのカテゴリーやキーワード検索ができる。

決済サービス検索画面(左)と検索結果(右)

 ここで、同一の決済事業者で複数の種類が表示されることがある。例えばNTTドコモの場合「d払い(お買い物時)」「d払い(チャージ時)」「dカード」の種類がある。

 これは決済事業者が複数の決済方法に対してマイナポイント事業の対象にしている場合に表示される。ドコモの場合は「d払い残高で支払った金額」「d払い残高にチャージした金額」「dカードで決済した金額」のそれぞれを同事業の還元対象にしている。

 マイナポイント事業では、それぞれ別の決済サービスとしているため、1つのマイナンバーカードで申込できるのはこのうち1つまでとなる。

d払いが2種類以上ある。還元タイミングを選べる決済サービスはこのように別れて表示される

 決済サービスを選択すると、そのサービスの詳細を確認できる。次に進むと利用規約の同意画面に移るので、確認の上次に進めると、申込情報入力画面に移る。

詳細画面(左)と利用規約(右)

申込フォームは全項目を使用するわけではない

 申込情報は、決済サービスごとに入力する項目が異なる。入力フォームには「決済サービスID」「セキュリティコード1~4」「電話番号(下4桁)」があるが、全サービス共通のフォームのため決済サービスによっては使用しないフォームもある。

申込情報入力画面、上部に入力項目の案内があり下部に入力フォームがある。項目は各社共通のため、利用しない項目もある

決済サービスからも申込みできる

 申込はこれ以外にも各決済サービスのアプリからも申し込める場合がある。

 その場合、決済アプリにログインしていればマイナポイントアプリと連携して、決済サービス情報が自動で渡されるため入力は不要。

 QRコード決済などスマートフォンアプリがある決済サービスはこちらの方法が便利だ

決済アプリからでも申込できる。申請する情報をマイナポイントアプリに渡すことに同意が必要
途中でキャンセルもできる。不具合なのかマイナポイントアプリはこの画面で固まってしまった(アプリを再起動すれば解消される)

まずは「予約」まで、「申込」はゆっくり

 今回は、マイナポイントの「申込」までの手順をご紹介した。

 決済事業者では独自のキャンペーンを実施しており、まだ開催していない決済サービスや追加でキャンペーンを実施する決済サービスも今後出てくるかもしれない。

 このため、マイナポイントの「予約」まですませておき、「申込」は各社のキャンペーンが出揃ったタイミングで行いたいところだ。

普段使うかどうかも重要

 マイナポイントと紐づける決済サービスをどれにするのか。キャンペーンの内容も重要だが、自身の生活にその決済サービスを使う場面があるかどうかが最も大切だ。

 マイナポイントによる還元は、そもそも登録サービスで決済しないと還元されない。最大5000円の還元を受けるには、2万円分の決済が必要なので、2021年3月までに2万円分使う機会がある決済サービスに登録したい。

 よく訪れるお店、あるいは買い物をしようと思っているお店で使えるクレジットカード、コード決済にしておいても良さそうだ。

 余談だが、自治体によってはコード決済などで住民税を支払えることもある。チャージの段階でマイナポイントが還元されるサービスの場合、ショッピングで使うのもいいが、税金の支払いを前提に、マイナポイントに紐づけるサービスを選ぶ、というのもアリかもしれない。

 各種決済サービスの利便性とキャンペーン情報を比べて、ぜひ「これぞ!!!」と思うサービスを選択していただきたい。