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英国政府、5G網からファーウェイ製の機器を排除へ

 英国政府は、同国の5Gネットワークからファーウェイ製品を外すと発表した。米国政府の制裁措置を受け、英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が定めた方針に沿ったもの。

 14日(現地時間)に発表された文書によれば、2020年12月31日以降、ファーウェイの5G機器を新たに調達することが禁止される。導入済みのファーウェイ製の機器は2027年末までに撤去される。

 英国政府のデジタル・文化・メディア・スポーツ省のオリバー・ダウデン大臣は、通信技術の重要性を説明しつつ、そのメリットを実現するにはセキュリティもまた大切な要素と指摘し「完全に安全なネットワークなどというものはないが、政府の責任は可能な限り、安全であることを保障すること」と説明。

 5月に発表された米国政府のファーウェイに対する制裁措置は重大な変更であり、ファーウェイの英国における製品の供給力に深刻な影響を与え、ファーウェイのサプライチェーンで今後生じる不確実性を踏まえると、ファーウェイの5G機器におけるセキュリティを保障できる、とは確信できなくなったという。

 今回の新たな方針の影響を受け、英国における5Gの展開計画は遅延し、コストも増大するとの見通しも明らかにされている。1月の段階では、1年の遅れと10億ポンド(約1340億円)の費用増が見込まれていたが、14日の決定は、さらに1年の遅れと、最大5億ポンドの追加コストが発生。2027年までの完全削除を含めれば、2~3年の累積的な遅れ、最大20億ポンドのコスト増になるとしている。