みんなのケータイ

スマートフォンでビデオ会議の“ある問題”を解消できず、パソコンを買った

 新型コロナウイルスの影響で取材がほぼオンラインで完結するようになってしまったため、家からほとんど出ることなく仕事が済んでしまう日々が続いている昨今。現在では「Zoom」「Google Meet」などのビデオ会議サービスでの取材が日常的になっています。

 この生活が始まった当初、筆者はスマートフォンやタブレットを使ってビデオ会議をこなしていました。取材でやり取りする相手は多くないのでオンライン飲み会のように画面分割の必要がなく、必ずしも大画面の必要性がないことが理由の1つ。そしてもう1つの理由は、カメラもスピーカーもマイクも、そしてインターネット接続も標準で備わっているのでハード的には何も追加する必要がなく、シンプルにこなせるからです。

仕事のビデオ会議はスマートフォンやタブレットでこなしていた。対話による取材だけならスマートフォン、プレゼンテーションなど細かな資料などを見る必要がある場合はタブレットといった感じで使い分けていた

 それゆえビデオ会議需要の急増でパソコンに接続するWebカメラやマイクが品薄となっても、スマートフォンなどを使っていた筆者は影響を受けることがなかったのですが、何度か取材をしているうちに大きな不満が出てくるようになりました。

 というのも筆者のようなライター業の人達は、後から執筆する際に内容を聞き返すため取材時の音声や映像を保存するのが一般的。ビデオ会議での取材ならばその内容を丸ごと録画すれば済むはずなのですが、スマートフォンの場合、その録画に制約あることが多いのです。

 たとえばZoomの場合、パソコンであれば無料ユーザーでも映像をローカルに録画保存できますが、スマートフォンやタブレットでは有料ユーザーにならなければ録画ができず、保存先もクラウドのみ。Google Meetも2020年9月30日までは録画を含め全ての機能が無料で利用できるのですが、そもそもスマートフォンからの録画に対応していません。

 なのであればと、OS標準の録画機能を使って映像を丸ごと録画しようと試みたのですが、実際にやってみると録画した映像に音声が入っていなかったり、場合によっては録画自体ができなかったりと、安定した録画ができませんでした。取材は一発勝負なので後から録画の失敗に気づいても手遅れですから、仕事で使うにはリスクが大きいというのが正直なところです。

 そこで音声だけでも確実に保存するべく、イヤホン端子から音声を録音するというアナログな手法を取っていたのですが、相手の声をしっかり聴くにはイヤホンが必要で、そのためには音声を分岐させる必要があります。それゆえビデオ会議の度にケーブルを複数接続するという、当初のシンプルさとは大きくかけ離れた状況に陥ってしまっていたのです。

イヤホン端子からの音声を録音しながら相手と確実に会話をするには、イヤホンやマイクの接続が必要。そのためには音声分岐のためケーブルを複数接続するなどややこしい配線になってしまう

 これでは本末転倒なのでどうにかできないものか……とあれこれ考えたのですが、スマートフォンやタブレットだけではうまい解決策が見出せず、結局「ビデオ会議用のパソコンを買う」という結論に至った次第。パソコンであれば録画に関する多くの制約がなくなるので問題は一気に解消するのですが、最近ではストレージをはじめとしてスマートフォンの性能も大幅に向上しているだけに、ビジネス用途での録画利用にはもっと融通を効かせて欲しいと感じてしまいます。

結局ビデオ会議のため「MAL-FWTVPCM1」というUMPCを購入。8インチと小型で作業用ディスプレイの下に置いても邪魔にならないのと、クーポンやポイントを駆使して約4万円で購入できたのが選択の決め手