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ソフトバンク決算、第1四半期はコンシューマー事業の減収を法人事業とヤフーでカバー

ソフトバンク 宮内謙代表取締役社長

 ソフトバンクは8月4日、2021年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表した。同期の売上高は1兆1726億円(前年同期比0.7%増)、営業利益は2799億円(前年同期比4.1%増)と増収を継続。通期業績予想に対する進捗率はそれぞれ24%、30%で、順調に進捗しているとした。

 個人向けの携帯電話サービスをはじめとするコンシューマー事業は減収となったが、法人事業やヤフー事業で増収となった。法人事業はテレワーク需要などにより11%の増益となり、特にZoomの法人会員の新規開通ID数は前期比48倍と大きく伸びた(※関連記事)。また、ヤフー事業については、ZOZOの子会社化やコマース関連サービスの利用増などにより15%の増収となった。

 スマートフォンの累計契約数は、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEモバイルの合計で2450万件で、前年同期比204万件の純増となった。端末の販売は減少したものの、通信サービスはモバイル、ブロードバンドともに前年並みを維持した。

 端末販売台数は、4~5月の営業自粛により落ち込み、6月に入ってから一気に回復を見せたが16万台の減少となった。

 法人事業ではスマートフォン契約数の増加やテレワーク需要の伸びによるWeb会議ツールや音声通話ツール、インターネットVPNアクセスなど、ソリューションの売り上げが伸びを見せた。

ローエンドにも5G端末を投入し“5G祭り”へ

 宮内社長はミドルクラスやローエンドにも5G対応スマートフォンを投入し、5Gの拡大を一気に進める意向を示し、「晩秋から来年に5G祭りが始まる」とアピールする。(※関連記事)また、2023年度にはスマートフォンの累計契約数が3000万件に達し、そのうち6割が5G対応機種になるとの見通しを示した。

 5Gの現状について、今回も具体的な契約数は明かされなかったが「低い計画の計画どおり」だという。5G基地局については2021年3月末までに1万局、2022年3月末までに5万局を整備し、5Gの人口カバー率90%超を目指すとした。

PayPayはユーザー拡大期から定着期へ、赤字はピークアウトを予想

 ヤフー事業について、eコマースにおける取扱高は大きく伸長し、前年同期比21%増の7073億円となった。また、PayPayは2020年6月末にユーザー数が3000万人を突破。累計の決済回数は4.3億回を突破し、1年間で決済回数は9倍にも増加したという。ユーザーに認められたブランドになったと宮内社長は語る。

イベントや商談はデジタル化も活用

 営業面におけるデジタル化をコンシューマー事業と法人事業の両方で推進していることもアピールした。

 従来の店頭でのイベントに加え、配信型のイベントもあわせて開催したことにより、感染症拡大防止を図りつつユーザーとのコンタクト数は前年以上を実現しているという。また、法人営業においてもオンライン商談の浸透により、6月時点での顧客への総コンタクト数は前年から約3倍に増加したと説明する。