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電子書籍、親子でシェアするにはどうするか

 筆者の部屋には現在、ほとんど紙の本がありません。

 以前は壁一面を本棚に、しそこに収まりきらないほどの本を持っていました。ですがこの10年で4~5回の引っ越しがあり、何回目かの引っ越しの際に、箱に詰める作業も本棚に並べる作業も面倒になり、さらには大きな本棚を置くスペースを考えるのも面倒になって手放してしまいました。

 その10年の間の大きな変化としては、電子書籍の普及も理由にあります。

 いつの間にか多くの出版社から電子版も発売されるようになり、話題作であっても全巻購入での割引なども頻繁に行われるため、紙の本を売った分で持っていた本のうち、何度も読み返す作品を買い直す予算も工面できるようになってきました。そのとき以来余程のことがない限りは本はすべて電子書籍での購入に統一しています。

 が、ここにきて電子版を買っていることで問題が発生しました。

 小学生の娘が今話題のマンガを読みたいと言うのです。

 「パパは○○の続き知ってるからマンガ読んでるの?持ってるの?」との質問に対してはYesと答えるしかなく、そう答えれば「私も読みたい」となるのは必然です。

 しかし、電子書籍で購入しているため、本棚にあるから勝手に読んでいいとも言えません。

 娘に自由に使わせている型落ちのiPadにKindleアプリをインストールし自由に読めるようにすることも考えましたが、「Webアクセスに制限をかけづらい」「バイオレンスな表現のある青年誌のマンガ本も読めてしまう」など、Kindleアプリをそのまま使わせるには親として悩ましい課題もあります。

 海外では自分の所有しているKindle本を他のユーザー(アカウント)に貸出を行う機能が提供されていますが、残念ながら日本のAmazon・日本の出版社からリリースされている本はこの機能が利用できません。

 そこで目を付けたのが、以前使っていた前世代の「Kindle Paperwhite」です。

 Kindle端末には「ウェブブラウザ」「ストア」「クラウド」に対し、制限を行うことができます。

 「ウェブブラウザ」の制限はその名の通り、Kindle端末でのWebブラウジングを利用できないよう制限を行うことが可能です。

 むしろ肝心なのは「ストア」と「クラウド」で、ストアに制限をかけることで、Kindle端末から電子書籍の購入が行えないようにできます。

 そしてクラウドに制限をかけた場合は、今までに買った書籍の一覧へアクセスできないように制限をかけることができます。

 この状態のKindle端末は、パソコンやスマートフォンからAmazonのアカウントサービスへアクセスし、「本を選んで配信」としなければ、Kindle端末上に本を追加し読むことができません。

 少々手間ですが、筆者の蔵書から娘が読みたいというマンガ本だけを読ませる環境を作ることができました。

 また「モバイルらしい使い方」として、外出先で「他の本が読みたい」とKindleに配信していない本を求められた場合は、「Kindleを筆者のスマホのテザリングでインターネット接続」「筆者のスマホからAmazonにアクセスし、本をKindleに配信」という方法で、どこでも制限のかかったKindleに本を追加することもできます。

 一緒に出かけた際、移動中の暇潰しにiPadを広げるのもイマドキでいいとは思いつつ、マンガでも児童向けの物語でも本を読んで欲しいと前々から考えていたため、やっと「蔵書を娘にシェアする」環境が整いました。

 本音を言えば、こんな面倒なことをせずとも娘用のiPadのKindleアプリで同じような設定ができればいいのですが。