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arrows3年ぶりのフラッグシップモデル「arrows 5G」発表会

 富士通コネクテッドテクノロジーズは、5G対応Androidスマートフォン「arrows 5G F-51A」を発売した。arrowsシリーズ3年ぶりのフラッグシップモデルで、5Gミリ波対応の日本製スマートフォン。

 約6.7インチの有機ELディスプレイとクアルコムのハイエンドチップセット「Snapdragon 865」を搭載する。アウトカメラは約4800万画素(広角)+約1630万画素(超広角)+約800万画素(望遠)のトリプルカメラで、インカメラは約3200万画素。端末には「Adobe Photoshop Express」がプリインストールされている。

 発表会では同社代表取締役社長の髙田 克美氏をはじめ、関係各社の今後の取組をうかがうことができた。

5Gでより「つながる」社会に

富士通コネクテッドテクノロジーズ代表取締役社長 髙田 克美氏

 富士通コネクテッドテクノロジーズ代表取締役社長 髙田氏は、5Gで「人と人との新たなつながり」をテーマにこれまでにないユーザー体験を創造するとしている。

 また、産業においてはローカル5Gでより幅広い産業でIoT領域におけるイノベーションを実現する。河川の氾濫の早期予想など、防災の分野でも活用できるという。

 arrows 5Gでは、アドビやドコモ、クアルコムとの連携やeスポーツチーム「REJECT」のスポンサー提携など、パートナーシップを締結し開発を行ってきた。同社は今後も、パートナーシップは拡大していくとし、セガXDとは5Gゲームの共同開発、富士通とはローカル5Gで、サンダーコムとは国内や海外の5G IoT市場の早期展開で連携していくとした。

 最後に、arrows 5Gに詰め込まれたDNAを紹介。通信速度のみならず、操作性でももたつくことなく操作できるよう、よく使われる機能を1秒で完結するような機能を備えた。

 arrows定番のDNAとして、本体をハンドソープで洗うことができる。洗える性能も同社では重要なものであると考えており、より安心安全に利用できる技術だとしている。

モジュール化で5G端末の開発を効率化

クアルコムジャパン代表取締役社長 須永 順子氏

 発表会には、クアルコムジャパン代表取締役社長の須永 順子氏も参加。

 ミリ波など新しい周波数帯への対応など、5G端末の開発は非常に複雑になっているという。クアルコムでは、複雑な部品やソフトをモジュール化している。これにより、開発コストの低下や開発期間の短縮ができるという。

 最後に、クアルコムと富士通コネクテッドテクノロジーズが開発したプラットフォームは、arrowsなどのスマートフォンだけでなく、ローカル5Gなどさまざまな技術の基盤になるとの考えを示した。

Photoshop Expressでより高精細・クリエイティブな作品を

 続いて、アドビ マーケティング本部 バイスプレジデントの秋田 夏実氏と、執行役員の里村 明洋氏が登壇。

アドビ マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田 夏実氏(左)と執行役員の里村 明洋氏(右)

 秋田氏は、arrows 5Gに撮影と編集が同時に行えるカメラの「Photoshop Expressモード」機能に触れ、「創作活動がプロだけでなく誰でも簡単に行える」ツールを提供することがアドビの使命だと考えているとコメント。素早く簡単に撮影編集を行い、アップロードできることは重要なことであり、今回の協業は5G時代に向けてとても意義のあるものだとしている。

 また、今後の5Gの普及により、写真だけでなく動画など、クリエイティブな創作活動の裾野がさらに広がるだろうという。

 実際のデモンストレーションでは、里村氏が解説。「Photoshop Expressモード」で撮影後、自動的に写真が補正され、細かい部分もはっきりくっきり表現することができるとしている。

「Photoshop Expressモード」

「早い」「洗える」「放熱する」技術

 最後に、arrows 5Gに搭載された技術を紹介。

「早い」3つの機能

 同機には、やりたいことがすぐに使える「FASTフィンガーランチャー」「FAST App ドライブ」「FAST シェア」の3つの機能がある。

 「FASTフィンガーランチャー」は、指紋認証時に指ごとにアプリを登録しておけば、指紋認証してすぐにそのアプリを起動できる。コード決済アプリなど、頻繁にすぐに使いたいアプリを登録すれば、スムーズに対応できる。

 「FAST App ドライブ」は、一度起動したアプリをシステムに保存しておくことで、使用したいときにすぐにアプリを起動できる。移動時間のゲームなど、中断と再開を繰り替えす場面などで快適に使用できる。

 「FAST シェア」では、一度に多くの端末に写真などをシェアするとき、端末同士をWi-Fi接続することで、QRコードやFelicaで簡単に共有できる。

「洗える」技術力

 arrows 5Gでは、本体をハンドソープで洗えるよう設計している。品質評価試験では、3年間毎日洗うことを想定した試験をしており、イヤホンなどの接続部や温湿度の変化に対する試験も実施している。

「放熱する」ベイパーチャンバー技術

 5G端末では、これまで以上に本体温度が高くなる傾向にあり、放熱についても課題だという。arrows 5Gでは、「ベイパーチャンバー」技術を利用し、放熱効率を向上させた。

 「ベイパーチャンバー」は、薄い金属の部品で中に水が入っている。熱源と冷却部が水で循環させることで、熱をスムーズに排熱している。

 「ベイパーチャンバー」は通常本体に貼り付ける形で搭載する。arrows 5Gでは、本体に「ベイパーチャンバー」の形に沿った穴を開けて搭載している。これにより本体をより薄く設計できたという。