NTTe-Sportsは、東京都・秋葉原でeスポーツ施設「eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)」を8月11日にオープンする。それに先がけて、8月7日にメディア向け内覧会を実施した。

  • eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)

eXeField Akibaは、「ICT×eスポーツ」をテーマに、新しい文化・社会を創造するための交流施設。最先端のICTと最新の機材を備え、人と人、地域と地域をつなげる場を提供することで、幅広い層へのeスポーツの文化の定着とコミュニティの形成、eスポーツ関連技術の発展を目指す。

施設の主な用途は、eスポーツをはじめとするイベントや企業のセミナー、コミュニティのパーティなど。芸能人とテクノロジーをかけあわせた配信特化型のイベント「&GAMES」や、6月から同社が開催してきた「eスポーツ企業対抗戦」の規模を拡大し、リーグ化した「企業対抗リーグ」の開催も検討しているという。

eXeField Akiba内は、大きく「プレイエリア」「配信エリア」「ICTエリア」「カフェエリア」の4つに分かれる。

「プレイエリア」には、横6.7m×縦(高さ)2.4m、ピッチ幅1.9mm、約300インチ超の巨大LEDビジョンを用意。一般的なディスプレイ画角である16:9だと、ゲーム画面用のディスプレイの横に追加で別のディスプレイを設置しなければ、大きくプレイヤーの表情などを映すのが難しいが、このサイズであれば、ゲーム画面を目いっぱい映しながら左右に追加の情報を映し出せる。

内覧会に登壇したNTTe-Sports 取締役副社長の影澤潤一氏は「細かい文字もくっきり映せるので、企業セミナーのようなビジネスユースでも便利に使えるでしょう」と用途の幅広さをアピール。パズルゲーム『ぷよぷよ』を使ったデモでは、300インチ超のディスプレイに、ゲーム画面とプレイヤーの映像、そしてNTTe-Sportsが富士通と共同で開発している「クリップライブ」のデータを、見やすいレイアウトで表示させていた。

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    施設のレイアウト

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    『ぷよぷよ』デモプレイの様子。画面から3m程度の位置ではLEDビジョンの半分しか視界に入らない。なお、プレイヤー映像の下に映るグラフが、『ぷよぷよ』のゲーム状況を可視化するクリップライブだ

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    内覧会でプレゼンをするNTTe-Sports 取締役副社長の影澤潤一氏

また、プレイエリアをはじめとする店内に配置するデスクにもこだわった。

「三角形のデスクを専用にデザインしました。いくつか組み合わせることでさまざまなが形にできますし、限られたスペースを有効に使えます。配線しやすいように角を落としたのもポイントです」と影澤氏。レイアウトの自由度の高さを強調する。

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    デスクは角を落とした三角形

「配信エリア」では、画面のスイッチングを行う機材や音響機材を完備。施設では、eスポーツをただ楽しむだけでなく、ICTショールームとしての側面もあるため、常に機材が見えるオープンな状態をキープする。

配信エリアについて、影澤氏は「スタジオは、IPですべてを制御できるようにしました。次のステップでは、ここを拠点に地方のイベント会場に配信するリモートプロダクションの実現を目指します」と展望を述べた。

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    配信エリア。ゲーム画面のスイッチングや音響制御、配信などを行う

「ICTエリア」は、企業との共創を進める展示スペースだ。影澤氏は「企業の新しいものや技術をもってきて、展示するだけでなく、eスポーツの活動とどう結び付けていくか検討します」と説明。内覧会では、画像解析でピースサインを検知して自動でチェキを撮影する富士フイルムの「AIチェキ」や、筑波大学と共同で行っている「eスポーツと脳科学」などを紹介した。

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    富士フイルムのAIチェキ。自動で撮影するので、コロナ禍でも安心

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    編集部員も試しにパシャリ。QRコードを使ったプレゼント抽選などにも使えるので、イベント参加者への付加価値向上に一役買いそうだ

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    ゲームをしながら脳の活性度を測定。心拍数やアイトラッキングなども活用し、ゲームのトレーニングなど、どのように役立てられるか検証していく

「カフェエリア」には、銀座スエヒロによる軽食コーナーを用意する。影澤氏は「飲食はビジネスユースでも、eスポーツイベントでも切っては切れない存在。今回、衛生的に気をつけながら、コラボメニューを柔軟に対応してもらうために、銀座スエヒロさんに協力してもらいました」と話す。

ラテアートを簡単に作れるマシンも導入されており、アプリから写真を取り込めば、オリジナルのラテアートを簡単に作れる。

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    カフェのメニューには、「銀座スエヒロバーガー」や「ワンハンドピザ」「ワッフル」などの軽食に加え、アルコール含めた各種ドリンクを取りそろえる

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    ラテアートで描かれた「eXeField Akiba」の文字

さらに、会場に来られない人のための「バーチャルリアリティ会場」も用意。施設を作るための3Dデータを活用して、「バーチャルeXeField」を制作した。リアルのイベントとリンクしつつも、スモークや広告ジャックなど、リアルでは難しい演出を楽しめる。

また、展示コーナーに並んでいる商品をVR上でクリックすると、Amazonで買い物ができるようにするなど、バーチャル起点でリアルに反映させる取り組みにもチャレンジ。同日に発表されたAmazonの「NTTe-Sports特設サイト」へのアクセスを促す。

NTTe-Sports特設サイトでは、「eXeField Akiba」の利用を通じて実際に触れられたり、「eXeLAB」の情報交換コミュニティで特集されたりした機器やサービスをラインアップ。さらに、ゲームを通じた教育サービスなどを合わせて紹介することで、単なる「モノ」の販売に留まらない顧客体験を提供する。

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    「バーチャルeXeField」のイメージ

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    「バーチャルeXeField」で商品をクリックすると、Amazonにアクセス

  • eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)

    eXeFieldの特設サイト。展示予定のガジェットだけでなく、NTTe-Sportsの最新情報もチェックできる

そのほか、内覧会では、横浜F・マリノスとの「eスポーツの教育コンテンツ共同開発等における連携協定」の締結と、藤田観光と協力して、「秋葉原ワシントンホテル」におけるeスポーツコンセプトルーム運用の実証実験開始についても発表された。

なお、同社が先日発表したゲーマー向けプラットフォームの「eXeLAB(エグゼラボ)」は、eXeField Akibaのオープンと同じ8月11日の提供開始を予定していたが、諸事情により8月下旬に変更。バーチャルのeXeLABとリアルのeXeField Akibaをリンクさせて、活用していく予定だ。

  • eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)

    横浜F・マリノスとは、教育コンテンツの共同開発や定期イベントの開催を実施する

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    秋葉原ワシントンホテルのeスポーツコンセプトルームは、プロゲーミングチーム「DETONATOR」のSPYGEA氏が協力

施設の住所は、東京都千代田区外神田4丁目14-1 秋葉原UDX4F LIFORK AKIHABARA内。営業時間は11時から22時。イベントスペースの貸切利用時の料金は、日中(11時から17時)が125,000円(すべて税別)、夜間(18時から22時)が15,000円、全日利用の場合は平日が250,000円、休日が500,000円。スタジオ利用料は平日が350,000円/回、休日が700,000円/回(機材費、テクニカルスタッフ1名含む)。