11月13日に発売される「iPhone 12 mini」は、10月23日に発売される「iPhone 12」のコンパクトモデルという位置付けだ。
コンパクトといえば、4月に発売された「iPhone SE(第2世代)」も昨今のiPhoneとしては小さめのサイズである。
「iPhone 12 miniとiPhone SE、どちらがいいか……」と迷っている人もいるだろう。また、iPhone SE(第2世代)のベースとなった「iPhone 8」からの買い換えに悩んでいる人も少なくないはずだ。
そこで、この記事ではiPhone 12 miniと、iPhone SE(第2世代)、iPhone 8の3者を比べる。参考になれば幸いだ。
今回取り上げる3モデルは、昨今のiPhoneとしてはコンパクトなボディーが特徴だ。実際の寸法を比べて見ると、どうだろうか。重量と合わせて見てみよう。
iPhone 8/SE(第2世代)よりも大きな画面を搭載しながらも、iPhone 12 miniは幅と高さを削減し、重量も軽くなっている。スマートフォンを片手で使う人にとっては、持ちやすさの面で朗報といえるだろう。
ただし、iPhone 12 miniは狭額縁設計でボディーのギリギリまで画面が広がっている。高さこそ削減できているが、片手で使う場合に親指を画面上端に持って行くのは少し難しくなっている。この点は評価が分かれるだろう。
先述の通り、iPhone 12 miniはiPhone 8/SE(第2世代)よりも画面が大きい。具体的には、iPhone 12 miniは5.4型の「Super Retina XDR(有機EL)ディスプレイ」、iPhone 8/SE(第2世代)は4.7型の「Retina HD(IPS液晶)ディスプレイ」を採用している。
iPhone 12 miniの有機ELディスプレイの解像度は1080×2340ピクセル、いわゆる「フルHD+」となっている。コンパクトではあるが、フルHD(1920×1080ピクセル)の映像を縮小せずに楽しめる。
この有機ELディスプレイの輝度(明るさ)は、通常時はiPhone 8/SE(第2世代)のIPS液晶と同じ最大625ニト(カンデラ/平方メートル)に抑えているが、HDR(ハイダイナミックレンジ)表示時は1200ニトまで引き上げられる。HDRはHDR10、HLG、Dolby Visionといった標準的な規格に対応している。ただし、ノッチ(切り欠き)があることは好みが分かれそうだ。
一方、iPhone 8/SE(第2世代)のIPS液晶は750×1334ピクセル、いわゆる「HD+」解像度になっている。HD(1280×720ピクセル)の映像は縮小せずに楽しめる。HDR表示には対応していないものの、「DCI-P3」規格をカバーした広色域パネルを採用しているため、スマホ用ディスプレイとしては色再現性は高めである。
とはいえ、映像作品をより美しく楽しみたいならiPhone 12 miniがおすすめだ。
今回比較している3モデルの頭脳に相当するプロセッサは、それぞれ以下のものを搭載している。
数値だけ見ると、基本的な演算を担うCPU部分と、グラフィックス(描画)を担うGPU部分の進歩は少ないように見えるが、プロセスルール(実装の密度)を世代ごとに高めていることもあり、消費電力当たりのパフォーマンスは着実に向上している。
CPUやGPU以上に進化しているのが、機械学習ベースのAI(人工知能)処理を担う「Neural Engine」だ。世代を経るごとにプロセスルールが微細化しているだけではなく、処理をするコア数も増えている。iPhone 12 miniが搭載するA14 Bionicでは、前世代のA13 Bionic比で最大1.8倍の機械学習処理をこなせるようになった。
静止画や動画の編集や整理を行うアプリなど、Neural Engineを多用するアプリを使うならiPhone 12 miniが圧倒的に有利だ。そうでなければ、iPhone SE(第2世代)も十分なパフォーマンスを備えている。
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