イベントレポート

CEATEC 2020 ONLINE

地図情報ベースのソリューションを多数展開するCEATECのゼンリンブース

 10月20日~23日にかけて完全オンラインで開催中の「CEATEC 2020 ONLINE」。株式会社ゼンリンはブースを出展し、同社の持つ地図情報プラットフォームをベースにしたソリューション「ZENRIN SMART SOLUTIONS」に関する展示を実施している。

 住宅地図や道路地図のデータベース構築で知られるゼンリンだが、その地図情報を活かしてビッグデータの可視化や正規化、移動や配送ルートの最適化といった課題解決、DXの推進に貢献できるソリューションを提供しようという試みが「ZENRIN SMART SOLUTIONS」。今回の展示ブースは計8つのエリアに分けられ、物流・建築・自動運転といった分野ごとのサービスが解説されている。当然ながら、それらのソリューションはいずれも地図情報を核にしたものだ。

3D地図データで建設事業を効率化

3D地図データを様々な形式でオンライン提供する「BIM/CIMソリューション」など、建設系業界とのシナジーは高い

 一例を挙げると、「建設ソリューション」エリアでは、同社の「ZENRIN GISパッケージシリーズ」、「BIM/CIMソリューション」といった建築業界向けの取り組みを紹介。

 「ZENRIN GISパッケージシリーズ」は、詳細な住宅地図をベースに、地番や都市計画用途などの土地に纏わる情報、工事関連書類の作成を効率化できる案内図ワンストップ作成機能、地図上で物件・顧客情報を可視化し管理できる台帳機能などを提供することで、用地仕入れから設計、施工、維持管理といった業務全般を効率化できるとしている。「BIM/CIMソリューション」は、BIM/CIMソフトに対応した3D地図データをオンラインで提供することで、モデル作成の手間にかかるコスト削減をサポートするとのこと。

ドローンの「空の道」から自動運転車まで地図で幅広くサポート

物流業務を包括的に支援する「ZENRIN ロジスティクスサービス」。将来的にはドローン用の空路情報なども整備していく見込みだ

 また、物流向けのソリューションとしては「ZENRIN ロジスティクスサービス」を用意。詳細な地図情報に位置情報解析技術とIoT/AIを組み合わせ、AIによる配送計画から輸配送経路のナビゲーション、車両のリアルタイム動態管理といった業務を包括的に支援し、人手不足なども懸念される輸配送業務の効率化に貢献できるという。将来的には内閣府が提唱する“Society5.0”の実現に向け、ドローンの安全飛行を支援する「空の道」の構築、地図情報に加えて気象などの動的な情報を提供し、安全な「空域管理」をサポートするといった応用も検討されているようだ。

小規模店舗の販促支援、エリアマーケティングの支援などに活用できるマーケティングソリューション

 そのほかのエリアでは、自動運転やカーシェアリングといった次世代の自動車向けの"CASE"ソリューション、地図データとの組み合わせで各種統計情報などを活用するマーケティングソリューションといった取り組みが解説されていた。

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