みんなのケータイ
スタジアムの5G電波を“タダ”で受信してみる
【arrows 5G F-51A】
2020年10月28日 06:00
NTTドコモが公開している5G対応スポットの一覧で、各スポットがミリ波対応かどうかもわかるようになった。
これによると、筆者の自宅から最も近い5Gスポットの1つである「東京スタジアム（味の素スタジアム）」がミリ波対応のようである。
ミリ波に対応する数少ないスマートフォンである我が「arrows 5G F-51A」が、いよいよ本領を発揮するときが来た！ 日本のiPhone 12では対応しないミリ波を、一足早く体験できるのか！ と思ったら、この冬の間にやってくるソフトウェアアップデートまでミリ波対応はお預けらしい。がっかり。
とはいえ、実はarrows 5Gに機種変更してからまだたったの一度も5Gの電波を浴びたことがなく、そろそろ通過儀礼として試しておくべきではないか、という気持ちも湧いてきた。むしろSub-6でしか5G通信ができない今のうちに試しておけば、ミリ波対応後との違いもよりはっきりわかるかもしれない。
そんなわけで近所……と言っても数kmは離れている味の素スタジアムにさっそうと自転車で乗り付け、5Gを体感してみることにした。
スタジアム手前の跨道橋でスマートフォンを取り出すと、画面に5Gの文字が。ついにarrows 5Gで初めて5Gのピクトを見ることができた！ と感動する筆者。
ところがである。今はフツーの平日の朝。週末はだいたい何かしらのイベントが開催されている味の素スタジアムだが、それ以外は跨道橋にあるゲートから完全に閉まっているので、建物に近づくことすらできない。人通りもほとんどなく、寂しい限りだ。
でもって、味の素スタジアムで5G電波を受信できるのは、ドコモによると「観客席、入場ゲート周辺」となっている。この「入場ゲート」というのは、どうやらスタンド（観客席）の入場口となるスタジアム外周のメインゲートを指すようだ。跨道橋から見える範囲では、「メイン4ゲート」あたりにアンテナらしき物体が取り付けられている。跨道橋のゲートからは、距離にしてだいたい100メートルはあるだろうか。
さすがに100メートルも離れていると、5Gの電波は不安定だ。
やっぱり入場せずに“タダ”で5Gの電波を受信しようというのは虫が良すぎる話なのだろうか……。とはいっても、ここ以外の5G対応スポットは、どこもだいたい“タダ”でエリア内に入れるし、味の素スタジアムも入場無料のイベントが時々開かれているので、いずれにしろ“タダ”で利用できるものなのだけれども。
とにかく、跨道橋のゲート付近からだとまともに通信できないので、向かって右側に伸びるウッドデッキ（スタジアムのイベント開催日にしかオープンしない謎多きKFCの方だ）へ歩いていく。そうすれば、アンテナらしきものに50メートルほどまで近づくことができ、多少は電波が安定する。
ここで通信速度を計測してみると……下り速度はなんと45Mbps前後、上りは脅威の1Mbps未満となった。下りはともかく、上りがとにかく遅すぎるので、Webブラウジングするにもサーバーへのリクエストに時間がかかり、とても快適とはいえない。いったん受信が始まれば普通の速度で通信するのでネット動画なども楽しめるのだが……。50メートルも離れてしまうと5Gは実用にならないんだなあ、ということがよくわかる。
ちなみに同じ場所で4Gで通信した場合は、50～100Mbps以上を記録したので、むしろ4Gの方が快適だ。なんなら、味の素スタジアムには、フリーWi-Fiもあるし、どうしても5Gを使わなければいけない理由はない。
ただ、大勢の人が集まるイベント開催時に4GやWi-Fiで安定して通信できるかというと、厳しいところもあるだろう。その場合は、まだユーザーの少ない5Gの方がつながりやすい可能性もありそうだ。
この冬、arrows 5Gがミリ波に対応したあかつきには、メインゲート付近やスタンドで改めて通信テストをしてみたい。それでもって「オレ5Gだからすっごい速いんだもんね」っていう顔でドヤってみたいところである。