自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】】第51回

Amazon「Fire TV Stick」で録画番組の再生画質をWi-Fiの状況に応じて調整

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

前回に続き、REC-ONの録画番組の画質を「DiXiM Play Fire TV版」で変えて再生してみよう

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 Fire TV Stickに前回は「DiXiM Play Fire TV版」をインストールして、REC-ONで録画した番組をネットワーク経由で再生してみた。

 DiXiM Playアプリでは、「DLNA」というネット配信の仕組みと「DTCP-IP」という著作権保護機能を使って再生している。このため、ネットワーク配信機能を持っているなら、REC-ON以外のレコーダーに録画した番組でも同じように視聴できる。

 ただし、相性問題で必ず再生できるワケではないので、前回行ったように、まずは無料で試用して、再生できることを確かめてから購入を決めて欲しい。

 今回は、DiXiM Playが利用できていることを前提に、もう少し便利に使う方法を見ていこう。

Fire TV Stickのホーム画面で、DiXiM Playを使いやすく表示

 Fire TV StickでDiXiM Playを一度でも使っていれば、ホーム画面にある「最近見たアイテム」に、DiXiM Playが表示されるはずだ。表示されなければ、[マイアプリ&ゲーム]の画面でリモコンの「左」ボタンを押すと表示される[すべてを表示]を選択してみよう。

Fire TV Stickのホーム画面を下へ少しスクロールし、[マイアプリ&ゲーム]の項目を表示
リモコンの「左」ボタンを押すと表示される[すべてを表示]を選択

 すると、画面の一番下(最近インストールしたため)に登録されているはずだ。ここで「DiXiM Play」を選択した状態で「≡」を押すと表示されるメニューで[前に移動]を選ぶと、先頭に表示されるようになる。[移動]を選べば、自由な場所へ持っていくこともできる。

「DiXiM Play」などのよく利用するアプリを選んだ状態で「≡」ボタンを押し、[前に移動]を選ぶ
[マイアプリ&ゲーム]の項目の一番頭へ移動できる。よく使う「REC-ON Cast」などのアプリを移動しておくと便利

 このアプリを先頭に表示させる登録方法は、ほかのアプリ利用時にも利用できるので、覚えておくと便利だ。

DiXiM PlayにサーバーやHDDが表示されないときの対処法

 REC-ONの電源がオフでも、DiXiM Playから録画番組を視聴できる。だが、REC-ONの初回設定時に選択した「待機設定」によっては、HDDに録画したコンテンツの認識がワンテンポ遅れる。[本体設定]の[初回設定/その他]から[待機設定]を選び、[通常待機]を選んでおくと、若干消費電力が増えるが高速になる。

REC-ONの起動直後やHDDのスリープ時は、ライブチューナーのみで「USB HDD]が表示されない。[本体設定]の[初回設定/その他]から[待機設定]を選び、[通常待機]を選んでおくと回避できる

 DiXiM Playアプリを起動した直後に「サーバー」[*1]からREC-ON(HVTR-BCTX3)を選んでも表示されない場合は、少し待ってから再選択するといい。そもそも「サーバー」画面にREC-ONが表示されていなければ、右上端のボタンから[サーバー一覧のクリア]を選んでみる。それでも表示されないときは、REC-ONが同じネットワークに繋がっていないことを疑おう。

「サーバー」にREC-ONが表示されていなければ、右上端のボタンから[サーバー一覧のクリア]を選んでから、リロードボタンを選ぶ

[*1]……「サーバー」にPC名が表示されるのは、Windows 10の[ネットワークと共有センター]にある[メディアストリーミングオプション]で[メディアストリーミングを有効にする]を選んでいるため。この機能により、PCに保存された動画や写真をDIXIM Playから再生できる

Windows 10の設定を[メディアストリーミングを有効にする]にしていると、DLNAサーバーとして機能する
PCに保存された写真をDiXiM Playから表示しているところ

再生が途切れるなら画質を調整してみよう

 録画番組を問題なく視聴できるなら不要だが、途中でよく途切れたりする環境では、DiXiM Playの設定で再生画質を少し落とすと解決することがある。

 リモコンの「左」から左上の「≡」ボタンで表示されるメニューから、[アプリの設定]を選び、[再生品質の選択方法]を[手動選択]に切り替えよう。これで録画番組を再生するたびに再生品質が選べるようになる。

表示されたメニューで[アプリの設定]を選択
[再生品質の選択方法]で[手動選択]を選ぶ

 画質は下にいくほど悪くなるが、Wi-Fiの電波が悪くても再生は途切れにくくなる。いろいろと試して、最適な画質を探ってみて欲しい。[自動選択]で問題なく再生できていれば、この設定は不要だ。

録画番組を再生しようとすると表示される再生画質の選択画面。下にいくほどビットレートが下がり、画質は悪くなる

 ほかに、[再生品質の選択方法]は「自動選択」のまま、[宅内再生時の画質]の項目で再生画質を選ぶ方法もあり、こちらでは画質が強制的に落とせる。[録画番組の再生バッファ]の調整もできるが、ここは「自動」のままでいいだろう。

かなり画質を下げた状態。電波条件の悪いWi-Fiでも録画番組が視聴できそうだ

今回の教訓(ポイント)

DiXiM PlayではWi-Fi環境に応じて再生画質が変更できる
アプリの表示位置を変えると、すぐ起動できる

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。