iPhone史上最大サイズ、トリプルカメラ搭載の「iPhone 12 Pro Max」。なんかすごいのが来ました。私の知ってる"iPhone"をだいぶはみ出しているし、中身は"スマホ機能付き高級デジカメ"なのでは。それって、iPhoneとしてはどうなんでしょうか。そんな気持ちで1週間使用してみました。

構図が決まって補正いらずの最強カメラ

とにかくカメラがすごいんです。という話は発表会以降さんざん聞いていますけど、では具体的にどうスゴいのでしょうか。撮影してみて気付いたことをご紹介します。

トリプルカメラで欲しい構図がバッチリ撮れる

カメラを構えた位置から一歩も動かず、3つのカメラを切り替えるだけでこんなに違う画角を撮影できます。

  • 超広角の「0.5」、広角の「1」、望遠の「2.5」、3つのカメラが搭載されています

  • カメラ選択ボタンを長押しすると倍率がダイヤルで表示されます。これを回して3つのカメラの間を無段階でズームイン/アウト

これ、何が良いかというと…。

  • 被写体を風景込みで見せる、全体を入れる、一部分にフォーカスする

こんな感じで、自分が動かなくても(動けない状況でも)、撮りたいモノを狙った構図に収めることができるんです。同じ被写体を違った構図で撮ると、また別の表情が見えて楽しいものです。

ちなみにiPhone 12 Proにも望遠カメラが搭載されていますが、焦点距離が少し異なり、12 Pro Maxの方がよりズーム倍率が高くなっています。

  • iPhone 12の望遠カメラは焦点距離52mm(選択ボタンは「2」)、iPhone 12 Pro Maxの望遠カメラは65mm(選択ボタンは「2.5」)。同じ距離から見るとこれくらい違います

焦点距離の特性を活かした絵づくりができる

カメラの違いは画角の違いだけではありません。例えば、望遠カメラは遠くのものを大きく写すことにも使えますが、狭い範囲にフォーカスし、自然なボケ味を出せることも特徴。ポートレートモードとはまた違った、雰囲気ある構図が作れます。

  • 望遠カメラなら周囲を自然にボカした雰囲気ある撮影ができます。ポートレートモードを使えない近距離でも大丈夫

一方で、超広角カメラは屋外の広さを表現するだけでなく、建物内部の撮影や集合写真を撮る場合など、近距離で広い範囲を撮りたい場合にも強いのが特徴です。

  • 狭い屋内など、後ろに下がる余裕がない場所では超広角カメラが便利

こうした特徴ある構図を活かして、フィルタでドラマチックな演出をするのも楽しい使い方です。

  • 構図と色味で個性的な作品づくりができます

暗さにも明るさにも強い

2020年の新モデルの中で、iPhone 12 Pro Maxだけが広角カメラに新しいイメージセンサが搭載されています。イメージセンサはレンズが取り込んだ光を電気信号に変換するという、デジタル画像の根幹をつくる部品です。これがより大きく、たくさんの光を取り込むことができるようになったため、暗い場所でも色味や明暗の差をさらにキレイに捉えることができます。

  • iPhone標準のカメラアプリを使い、ナイトモードで撮影した星空。ここまで映ります(三脚使用)

  • 常夜灯のみの室内でナイトモードを使用。iPhone 12 ProとPro Maxで同じように撮れているように見えますが、原寸で見るとノイズ感の違いがわかります

また、画像処理エンジンの内部的な処理がより改善されています。逆光でも、夜景を背景にしても、あるものを写真としてよく見えるように表現してくれます。

  • イルミネーション、背景の建物、地面の舗装など、異なる明るさ・質感がそれぞれ精緻に表現されています

レンズとイメージセンサと画像処理。この3つによって、明るさも暗さも構図も、どんな条件でも撮りたいものを失敗なく撮れるわけっです。これがiPhone 12 Pro Maxのカメラのスゴさです。