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料金が魅力的なNTTドコモの「ahamo」、これまでと違う“注意したいポイント”は?【2月18日更新】

最終更新 2021年2月18日 10:00
初出日時 2020年12月4日 06:00

 かねてより噂されていたNTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」が2020年12月3日に発表された。

 月額基本料金は2980円(税抜)で、毎月利用できるデータ量は20GB。さらに音声通話も5分までの国内通話が何度でも無料と、 かなり意欲的な価格と内容 になっている。

 サービス開始は2021年3月と、まだ少し先となるが、SNSなどの反応を見る限り「早くahamoに変更したい」など、かなり好意的な反応が目立つ。

 そんな「ahamo」だが、NTTドコモの新料金という扱いながら、もしプランを変更する場合、注意しなければならない点が複数、存在している。

 もちろんまだスタートが先のサービスなので、これから変わってくる部分もあるが、現時点で「ahamo」への変更を検討している人は、以下の点に注意してほしい。

契約申込~契約後の変更手続きまで、すべてが「オンライン」と「チャット」

 「ahamo」は、「NTTドコモの新料金プラン」という建付ながら、契約申込や契約後の変更手続きなどは すべて「オンライン」や「専用アプリ」 から進めるようになる。

 また、問い合わせやサポートはテキストチャットでの提供となる。

 そのためドコモショップ店頭やドコモインフォメーションセンターなどの電話でのサポートは受けられない。

「@docomo.ne.jp」のキャリアメールが利用できない

 「ahamo」はNTTドコモの新料金プランという扱いになっているが「@docomo.ne.jp」のキャリアメールアドレスが提供されない。

 “有料のオプションサービスで追加”といったこともないため、キャリアメールアドレスが必要という人は、注意が必要だ。

「ドコモ光セット割」の対象外

 NTTドコモがNTT東西からインターネット回線を借り受け提供しているFTTHでのインターネット接続サービス「ドコモ光」。

 ドコモユーザーであれば固定インターネット回線としての月額の安さだけでなく、セットにしたドコモ回線にセット割引が適用できるため好評のサービスだ。

 ahamoはこのドコモ光とのセット割引サービス「ドコモ光セット割」の対象外となっている。

 ドコモ光セット割が適用されないため、ドコモ光の料金的なメリットがだいぶ薄まる点には注意したい。

「2台目プラス」や「データプラス」を契約している場合

 NTTドコモのスマートフォン向けプランのうち「カケホーダイ・パケあえる」と「ドコモのギガプラン」には、2台目のスマートフォンやタブレット、データ通信端末を安価に利用できる「2台目プラス」や「データプラス」という安価な料金プランが用意されている。

 ahamoはこうした2台目を安価に利用できるプランがない。

 もしメインで使っている電話番号をahamoに変更する場合、2台目は単体契約向けの基本プランやデータパックの加入が必要になる。

 こうしたケースに該当すると、2台ともahamoに変更した方が安価になるだろう。

 過去の料金プランである「シェアパック」など2台以上でデータ量を共有するプランを利用している場合も、まとめて変更することも含め、複数台の見積りをした上で「ahamo」へ変更をしないと、損をする可能性があることは覚えておきたい。

国際ローミングのエリアが少ない

 NTTドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」では200以上の国・地域で国際ローミングサービスの利用が可能だ。

 しかしahamoでは現時点で82の国・地域のみで国際ローミングが提供されるため、使える国や地域が大きく減っている。

 主要な国・地域であれば問題なく利用できるとは考えられるが、もし今後海外渡航の予定がある場合は繋がらない可能性を考え、予めローミング可能かどうか確認することが望ましい。

従来プランとは「別モノ」

 「ahamo」はNTTドコモの新料金プランという位置付けながら、専用サイトを用意し受付やサポートもオンラインに限定するなど従来のNTTドコモの料金・サービスとは全く別モノとして区別されていると考えた方がいいだろう。

 エリアや速度といった回線こそNTTドコモだが、割引サービスやオプションサービスは今まで通りにはいかない。魅力的な安さと同時に「今、どんな割引が適用されているか」「どんなオプションサービスを便利に使っているか」までしっかりと見直した上で切り替えの検討が望ましい新料金プランだ。

【追記 2021/02/18 10:00】
以下、ドコモからの発表を受け、18日付けで更新した内容です。

みんなドコモ割のカウント対象になったahamo

 発表当初、ahamoはファミリー割引やみんなドコモ割の対象外になっていたが、既報の通りサービス内容に変更が加わり「ファミリー割引に加入可能」になった。

 ファミリー割引の特典として提供される家族間通話の無料や、みんなドコモ割による利用料の割引こそ適用はされないものの、たとえば家族3人でNTTドコモを利用していて 『1回線だけahamoに変更』『残り2回線はギガホやギガライトの契約を継続』 とした場合、みんなドコモ割が適用されるギガホやギガライトは「3人」での割引が適用される。

 そのため、家族の誰かがahamoに変更したことで“残りの家族の利用料があがってしまい、世帯全体ではおトク度が薄れる”という心配はなくなった。

 ahamoか、ギガホや今春からスタートする「ギガホ プレミア」のどちらを選ぶべきか。

これは純粋に「20GB以内に収まるならahamo」「20GBを超えるならギガホ プレミア」と、毎月使うデータ容量だけで選べばいい。

継続利用期間は引き継げるが、特典に注意

 また、ahamoのサービス内容の変更点として、NTTドコモの契約の継続利用期間も引き継がれることになった。

 継続利用期間はahamoの利用料やサービス内容への影響は全くないため、20GB以内に必ずデータ利用量がおさまり、今後も継続してahamoを利用していくというユーザーにはメリットが少ない。

 どちらかといえば「今時点で、シェアパック(2019年5月末で新規受付終了))を利用しているユーザー」かつ「シェアパック主回線が長期利用ユーザー」に限っては、継続利用期間による割引に注意してからahamoへの変更を考えるべきだ。

 継続利用期間が長いと、dポイントクラブのステージも上位のステージとなる。そして上位ステージの場合、シェアパックの割引額が増額される仕組みがある。

 そのため、ahamoのお買得さに魅力を感じ、変更した結果、 シェアパックを継続して利用する家族の利用料が上がってしまう可能性がある ことは覚えておくといいだろう。

 また、一度ahamoに変更したあとに「20GBもいらなかった」と、元のシェアパック傘下にプランを戻そうと考えても、すでに新規受付が終了したプランなので戻すこともできない。

 継続利用年数が引き継がれることで、ahamoに変えた後に20GBでは足りず、ギガホ プレミアなどより容量の大きなプランに変更すれば利用年数やdポイントクラブのステージに応じた「ずっとドコモ特典」でdポイント還元が受けられるのは嬉しい変更点ではあるが、今時点で「敢えてシェアパック」としているユーザーは、ahamoへの変更には注意する必要があることは覚えておいてほしい。