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武田総務大臣、ドコモの「ahamo」とUQ/ワイモバイルの違いに「手間と手数料」

 8日、武田良太総務大臣は、定例会見で携帯電話の料金関連に関する質問に答えた。

日本通信のドコモ対抗プランについて

 ドコモの「ahamo」に対抗するプランとして、日本通信が月額1980円のプランを発表した。こうした動きへの受け止めについて、武田大臣は「それぞれの経営判断についてのコメントは控える」として日本通信の取り組みについての回答は避けつつ、「NTTの一連の動きは、本格的な競争に向けた、大きなきっかけになったことは間違いないと思っている。事業者間の競争がようやく活発になってきたことは評価しなければならない」とコメント。

 さらに「MVNOを含めた、携帯事業者が公正な競争を通じて、低廉で多様な料金・サービスを提供することで、利用者に安くなったという実感が伝わることが重要」とした。

ドコモとUQ/ワイモバイルの違いは

 「ドコモのahamoは低廉なプラン」と評価した一方、UQやワイモバイルの新料金プランを厳しく評価した武田大臣。いったいどの違いが、評価の分かれ目になったのか。

 武田大臣は「個別の特色の違いにコメントする立場にはないが、同じ事業者での乗り換えでも、手間と手数料を取ることはいかがなものかと常に問題視し、消費者のしっかりとした利益保護を考えたら、看過できる問題ではない。本格的な競争が始まるなかで、それぞれの経営判断のなかで、いかにユーザーに認められるか。国民から納得され、信用されるサービスになるか注視したい」と語った。

 これを受けて、「手数料は、ソフトバンクが無料化する方針で、KDDIも検討中だが、それでもドコモが評価されたのはahamoが値下げ競争を活発化する点なのか」とさらに問い返された武田大臣は、「利用者が決める問題。各社はユーザー獲得競争の中で、努力していただければいい。それぞれの経営判断に委ねたい」とするに留まった。

MVNOサポートは継続

 これまで低価格帯のサービスに強みを発揮してきたMVNOについて、総務省では、10月27日に発表した「アクション・プラン」においてデータ接続料を今後3年で半減させることを目標のひとつとしている。

 しかし大手3社が割安な料金を示し、わずか1カ月の間に大きく競争環境が変わった。これまで料金面でMVNOに魅力を感じた人であってもサブブランドを含む大手携帯各社の新料金プランのほうを選ぶ人が増えるかもしれない。こうした環境に変化に対し、「アクション・プラン」で示した目標を変える考えはあるのか。

 武田大臣は「電波が割り当てられるMNOだけではなく、MVNOについても、競争市場における軸として活躍していただくことを期待している。接続料の低廉化は、公正な競争を導く上で絶対条件となる。しっかりサポートしたい。異常なくらいの三社の寡占状況が続いた市場が、まっとうな競争原理の働くきっかけとなった。各社は競争に打ち勝って、国民の信頼と期待に応えて欲しい」とした。