特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】UQ mobileがサービスを開始した日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 2014年12月18日、MVNOとして「UQ mobile」のサービスが開始されました。

 UQという名前でしたが、サービス開始時、運営していたのは、KDDI子会社のKDDIバリューイネイブラーと沖縄バリューイネイブラー。名前の由来となった「UQ」は、KDDIやJR東日本、京セラが株主であるUQコミュニケーションズです。もともとUQコミュニケーションズは、モバイルブロードバンドを手掛ける事業者として展開してきました。

 携帯電話市場には、自社でネットワークを作り上げる「MNO」と呼ばれる大手だけではなく、回線を借り受けてサービスを提供する「MVNO」(モバイルバーチャネルネットワークオペレーター)と呼ばれる存在がいます。

 そうしたMVNOの多くは、かつて、NTTドコモの回線を利用する事業者ばかりでした。つまり、MVNOのユーザー数が増えていくと、料金が異なるとは言え、ドコモ回線のユーザーが増える格好でもありました。

 そうした中、2014年になってようやく、関西電力系の「mineo」(現在のオプテージが提供)がau網のMVNOサービスを開始します。UQ mobileは、mineo登場から6ヶ月後のサービス開始となっており、「MVNOを含むau利用者数」が増える環境が整備された、という面もありました。

 同じ2014年には、ソフトバンクグループ傘下のイー・アクセスとウィルコムの合併によりワイモバイルが誕生しています。2015年にはソフトバンクモバイル(当時)とワイモバイルが合併し、携帯電話サービスとしては、「ソフトバンク」「ワイモバイル」という2つのブランドで展開されることになります。そしてワイモバイルは割安な価格帯の料金プランを軸にアピールしていく形となりました。

 このワイモバイルとは、イー・モバイル時代からモバイルWi-FiルーターでしのぎをけずってきたUQ。2015年にKDDIバリューイネイブラーとUQコミュニケーションズは合併しており、MVNOに近い市場で、ワイモバイルとUQが競争する図式となりました。

 それから5年……UQ mobileは、2020年10月からKDDIの事業としてサービスが提供されています。最近では、政府の値下げ圧力が強まり、10月下旬、20GBで月額3980円の「スマホプランV」が発表されました。auブランドではなくUQブランドでの新料金に対して、発表直後には一定の評価をしていた武田良太総務大臣が急転直下、「メインブランドでの発表がないのは不親切」と発言。その後、NTTドコモの新料金プラン「ahamo」の発表などもあり、KDDIの髙橋社長は、近日、何らかの料金を発表することを示唆しています。

 ちょっと駆け足&ややざっくりした振り返りでしたが、UQ mobileの成り立ちと現在は、ここ数年の携帯電話市場のなかでも、大きな意味を持つものです。ユーザーにとっては割安な料金でサービスを提供する事業者、そして業界動向からすれば、総務省が進めた競争政策を体現した存在のひとつでもありました。2021年以降、UQを含む各社のサービスがどのような形へ変化していくのか、まだまだ目を離すことはできません。