スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2020:審査員が選ぶ「2020年を代表するスマホ」5機種(1/3 ページ)

» 2020年12月25日 15時26分 公開

 ITmedia Mobileは12月中旬、2020年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2020」の審査会を開催しました。

スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2020

 審査の対象となるのは、2019年12月17日から2020年12月7日までに発売したスマートフォン。選考委員とITmedia Mobile編集部がそれぞれ5機種を推薦し、その中で特に票が集まった10機種をノミネート機種として選定しました。2020年は「ハイエンド部門」と「ミッドレンジ部門」に分け、各部門で5機種ずつ(計10機種)、最終的に各部門で1機種(計2機種)を選定します。

 2020年の選考委員は、ITmediaなどで活躍し、1年間を通じて携帯電話業界を取材してきた石川温氏、石野純也氏、太田百合子氏、佐野正弘氏、島徹氏、房野麻子氏、村元正剛氏、山根康宏氏の8人とITmedia Mobile編集部です。今回は、審査員が推薦した5機種とその理由を紹介します。

石川氏:「iPhone 12 mini」は存在感が強い

・推薦機種……iPhone 12 mini、Galaxy S20、Xpeia 1 II、AQUOS Sense4、Galaxy A51

石川温 石川温氏

 王道をいく5Gスマートフォンでいえば、「Galaxy S20」や「Xperia 1 II」の完成度が高かったですね。一方、これだけ大画面化が進む中で、あえて小さい方を攻めてきた「iPhone 12 mini」も存在感があります。

 安価なモデルでいうと、「AQUOS sense4」は定番になりましたし、「Galaxy A51」も「5G対応機種ならこれでいいんじゃないか」と思える位置を狙ってきています。全体的に言えば、5Gスマホの初年度であるにもかかわらず、これだけのラインアップが出そろってよかったと思います。

太田氏:「Galaxy Note20 Ultra 5G」はSペンの進化に注目

・推薦機種……Galaxy Note20 Ultra 5G、Xperia 1 II、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro Max、Mi 10 Lite 5G

太田百合子 太田百合子氏

 「iPhone 12 mini」と「iPhone 12 Pro Max」は、どちらもエッジが立った端末ですから、自分自身どちらを買うかですごく悩みました。miniは小さくて、一見廉価モデルに見えがちですけれど、そんなことはなくて、完成度が高い。カメラもMaxと撮り比べましたが、品質的には比較すれば辛うじて分かるくらいの差しかない印象です。コンパクトモデルを求めていた層は絶対にいるので、そこにリーチするし、価格も手頃。SE(第2世代)とカニバらないかなと心配になるくらいインパクトがありました。

 大きい方が画面は見やすいけど、小さい方が使いやすい。スマホにずっと付きまとってきた悩みですが、この両機種はこの両極端の特徴をそれぞれ備えていて、実際にラインアップとして登場してきたのが面白かったですね。何だかんだ言って、買ったのはiPhone 12 Pro Maxです。「大は小を兼ねる」という親の教えに従いました(笑)。

スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2020 iPhone 12シリーズの中でもとがった端末といえる「iPhone 12 Pro Max」(左)と「iPhone 12 mini」(右)

 Galaxyは2020年のラインアップが豊富でした。FlipもFoldもあるし、石川さんが挙げていたS20も良い端末です。でもやっぱり、Sペンが劇的に進化したという点で「Galaxy Note20 Ultra 5G」を推します。書き味を比べても全然違いました。通信に関しては、ミリ波にも対応しています。ライターとしては(メモアプリの)「Galaxy Notes」がPDFに対応して、修正指示の赤字を入れられるようになったり、音声と手書きのメモがシンクするようになったりと、多くのアップデートがあって魅力的でした。ただし、価格はちょっと高いですよね。

 「Xperia 1 II」は、みんなが期待するソニー製品として、「ようやくXperiaになってきた」という印象を抱きました。自分で撮っていて面白かったのは、3D iToFセンサーがすごく賢くて、被写体の何がメインになっているのかを、センターにいなくてもちゃんと認識してくれるところ。実際に結構良い写真も撮れました。ただし、Photography Proのアップデートなど、いろいろ追い付いていない部分もあったので、正直「Xperia 5 II」とも迷いました。

 「Mi 10 Lite 5G」は、5G対応で2万円台という飛び抜けたコスパの高さが印象的でした。もちろん、それだけじゃなくて、動画撮影機能なども楽しかった。TikTokのようにショートムービーを手軽に上げる文化というのが、コロナ禍の影響もあって広がったと思うのですが、そこにちゃんとフォーカスした機能が搭載されています。Xiaomiは若い人に向けたトレンドをちゃんと抑えているな、と思いました。

房野氏:「iPhone 12 Pro」のLiDARスキャナーは楽しかった

・推薦機種……Galaxy Note20 Ultra 5G、iPhone 12 Pro、Xperia 1 II、Galaxy A51 5G、Mi 10 Lite 5G

房野麻子 房野麻子氏

 太田さんもおっしゃっていたように、2020年はGalaxyに勢いがありました。残念ながらHuaweiはあのような事態になってしまって、その位置を(Samsungが)ガッと取りに来た印象です。同ブランドが豊富なラインアップを展開する中で、やっぱりペンがあって、画面が大きくて、カメラも高機能な「Galaxy Note20 Ultra 5G」を選びました。他のSシリーズも完成度は高いですし、どれを選んでも2020年のGalaxyはよかったなと思います。

スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2020 Noteシリーズの集大成ともいえる「Galaxy Note20 Ultra 5G」

 また、サムスンのすごいところは、エントリーモデルから変態端末まで全てをカバーしているところですよね。「Galaxy A51 5G」もひとまずはコレで良いと思える端末になっていると思います。同機の対抗馬は「AQUOS sense5G」になるのでしょうが、発売時期の関係でまだ直接対決が見られないのが残念です。

 iPhoneに関しては、みなさん小さいモデルがお好きみたいですが、私は普通の人が持つのにちょうど良いのは「iPhone 12」か「iPhone 12 Pro」だと思っています。実際個人で買ってみて、LiDARスキャナーが役に立つし、面白いと感じました。そういった意味でiPhone 12 Proをお勧めしています。

 Xperia 1 IIについて、私は軽さとデザインを評価していて、このサイズであの軽さはびっくりしました。iPhone 12シリーズのおかげであまり目立たなくはなってしまいましたが、四角っぽいデザインが久々にXperiaらしくて、一目見て気に入った端末でもあります。

 Mi 10 Lite 5Gについては太田さんがおっしゃっていたことそのままですね。これで良いと思う人は結構いらっしゃると感じます。(おサイフケータイや防水などの)日本仕様はカバーしていませんが、それに勝るコスパのよさ、値段の安さがあるなと思います。日本メーカーもなかなか難しいだろうな、と感じさせられたモデルでした。

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