自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第59回

Fire TV StickとEchoデバイスをリンクし、発話で動画を再生しよう

 使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行から自宅で過ごす時間が増え、僚誌AV Watchの7月14日付記事『有料の動画配信サービス利用率はAmazonが突出。外出自粛で動画視聴大幅増』にもある通り、ネットで自由に映画や番組を楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが人気を集めている。

 そこで、在宅時間の増加から人気のAmazon「Fire TV Stick」を解説している。パッケージには取説が入っていないので、知らないとちょっとハマる部分もある。前半の解説で、Fire TV Stickを5GHz帯の自宅Wi-Fiに接続できている。これからセットアップする人は、そちらから読みはじめてもらいたい。

謹賀新年。引き続き自宅に籠もる日々の一助になれば。今回もFire TV StickとEchoを連携させていこう

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

 ここまでの連載では、Fire TV Stickのさまざまな活用方法を試してきた。Fire TV Stickでテレビをオンオフできるよう準備した前回に続き、今回はAmazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズと連携させていく。

 全てのAmazon Echoシリーズのセットアップは、「Amazon Alexa」アプリをスマホへインストールしておいてから電源を入れて始めるようになっている。「Echo Dot(第3世代)」の初期セットアップは、過去の連載で触れているので触れないが、画面の指示に従っていけば簡単にできる。

 その記事でも触れているが、Echo Dot(第3世代)は5GHz帯がW52のみとなっているので、Wi-Fiルーターへの接続時には気を付けて欲しい。2020年以降に発売されたEchoシリーズは、5GHz帯全てに対応している。

Fire TV StickとEchoデバイスをAmazon Alexaアプリでリンクする

 Amazon Echoシリーズのセットアップができたら、まずはAmazon Alexaアプリに登録し、Echoが「オンライン」になっているかを確認しておく。

 Fire TV Stickは自動でアカウントとリンクしてデバイスとして表示されるが、もし表示されなけれあば、同じAmazonアカウントでログインしているか、同じWi-Fi(SSID)に接続しているかをチェックしてみる。アプリ上でFire TV Stickも「オンライン」と表示されていれば問題ない。

Amazon Alexaアプリのホーム画面。Echoに関する設定は全てこのアプリから行う
[デバイス]タブの「すべてのデバイス」をタップ
Echoデバイスのセットアップが完了すると、ここに表示される。EchoとFire TV Stickが「オンライン」になっていることを確認
Echoが登録されていない場合は、右上の「+」ボタンをタップし、[デバイスを追加]からEchoを選んで追加する

 ただ、このままではFire TV StickとEchoとがまだリンクしていない。このため、ウェイクワードで質問しても、Fire TV Stick側が反応しない。AlexaデバイスでFire TV Stickを操作可能とするよう、[その他]タブから[設定]を選び、[TV・ビデオ]に「Fire TV」サービスを登録しておく。

[その他]タブから[設定]をタップし、TV・ビデオ]をタップ[*1]
「Fire TV」の「+」ボタンをタップ

[*1]……先の右上の「+」>[デバイスを追加]>[テレビ]>[Fire TV]でも同様に追加できる

「ALEXAデバイスをリンク」をタップ
Fire TV Stickを選んで[次へ]をタップ
Fire TV Stickとリンクする(音声入力に利用したい)Echoを選択し、[デバイスを接続]をタップ
Fire TV Stickが「……に接続済み」と表示される

「アレクサ!ファイアーティービィで(タイトル名)を見せて」で、テレビをオンにして再生

 この設定を済ませると、Echoに対してウェイクワードを投げかけて音声コントロールができるようになる。

 例えば、「アレクサ!ファイアーティービィ(のプライムビデオ)で翔んで埼玉(任意のPrime Videoのタイトル)を見せて」などと発話して再生させ、自動でテレビがオンになるか試してみて欲しい。「~~を再生して」でできることもあるが、音楽のタイトルを探してくることがよくあるので[*2]、「ファイアーティービィで~~を見せて」と発話した方が確実だ。

[*2]……筆者のAlexaにSpotifyが登録されているからかもしれないが、Alexaが判別不能なタイトル名で再生と発話すると、楽曲が再生されてしまうことが多い

 結果は、そのものズバリのタイトルがヒットすれば、テレビがオンになって再生が始まるが、運悪くいくつかの候補があると「検索結果はこちらです」と選択肢が表示されてしまい、スマートにいかないこともある。

 ドラマなどの続きモノは、「ジャックライアン シーズンワン エピソードツー」のように細かく話数を指定することもできる。何も指定しないと最初のシーズンとエピソードが再生され、視聴記録があれば(2回目からは)見たところから再生が始まる。再生中は「一時停止して」「止めて」「再開」「3分戻して」「3分進んで」「次のエピソードを見せて」「最初から見せて」といった発話で再生のコントロールが可能。「アレクサ!」のウェイクワードは、呼び掛ける操作のたびに必要だ。

ホーム画面やほかのアプリも発話で表示できる

 「ホーム画面に戻って」や「ファイアーティービィのホーム画面を表示して」と言えば、ホーム画面に戻れる。ほかの「ライブ」や「設定」といったタブも「ファイアーティービィのライブ画面を表示して」などと言えば、表示させることができた。「おすすめの映画(ドラマ、アニメ)を表示して」では、リスト表示させることもできる。検索後のリストのスクロールも「アレクサ、下(上、右、左)にスクロールして」(1段ごとなら「移動して」)と言うことで、音声でもコントロールできる。

 ほかのアプリを起動したいときは、「ファイアーティービィでアベマを開いて(起動して)」と発話する。また、HuluやNetflixなどの動画配信アプリでみられるタイトルがあらかじめ分かっていれば、「ファイアーティービィのフールーで宇崎ちゃんは遊びたい!を見せて」などと言っても直接再生できた。

 ちなみに「フールー」を指定せずに発話すると、このタイトルはPrime Videoでも配信中のため(2021年1月現在)、「Prime Videoで再生、Fire TVで検索(こちらを選ぶとこの環境ではHuluになる)のどちらにしますか?」と質問され、音声で返答すると再生できる。このように音声だけでうまく再生までこぎつければ、その操作でテレビの電源までを自動でオンにできる。

 あの、本連載で扱った「REC-ON Cast」アプリは、「ファイアーティービィでレックオンを起動して」と発話すると起動でき、スマホから画面を配信する「キャスト」を待ち受ける状態にできた。テレビは別途オンにする必要はあるが、リモコンでの操作より簡単だ。DIXIM Playも「ディクシムプレイを起動して」で起動した。

 音声での操作は、慣れてくると意外と便利なことに気が付くはずだ。ぜひ使いこなしてみて欲しい。なお、Alexaの応答は日々進化していくので、ここでお教えしているのは現時点での結果に過ぎない。急に新たな操作ができるようになることもある点はご容赦願いたい。

 次回はテレビの音声をEchoデバイスから再生する設定をしてみる予定だ。

今回の教訓(ポイント)

EchoデバイスとFire TV Stickは、スマホのAlexaアプリでリンクする
ウェイクワードを投げかけて、Fire TV Stickを操作できるようになる

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。