みんなのケータイ

スマホを忘れただけなのに……あって良かったApple Watch!

【Apple Watch Series 6】

 先日、スマホを忘れて出かけてしまいました。

 1台だけなら良くあることなのですが、普段2~3台は持ち歩いているスマホを全部まるごと忘れてしまった……というのは滅多にないことでした。

 気がついたのは、取材に向かう駅のホーム。筆者は普段Apple WatchのモバイルSuicaを使っていて、改札も問題なく通過できていたので忘れたことに気づくのが遅れたのです。

 「さて、どうしようか」と、駅のホームで逡巡しました。取材のアポイント時間は迫っており、残念ながら今から取りに戻っている時間はありません。かといってスマホがまったくない状況というのは、かなり心許ないものです。普段自分がいかにスマホに頼り切っているか、改めて思い知らされる瞬間ですね。

 しかし不幸中の幸いと言うべきか、腕には「Apple Watch」があります。しかも筆者のApple Watchは、eSIMを搭載している“GPS+Cellularモデル”。ドコモの「ワンナンバーサービス」を契約済みで、電話やSMSも使えます。「いざとなれば、これで何とかなるのではないか」と思い、そのまま電車に乗り込みました。

 電車の中では普段、SNSなどをチェックしていることが多いので、スマホがないとなんとも手持ち無沙汰です。カバンのポケットを探ると、ラッキーなことに「AirPods Pro」を持ってきていました。「Apple Music」に登録しているので、これで音楽を聴くことができます。車内では音楽を聴いて過ごすことにしました。

 ところが悪いことというのは重なってしまうもので、こんな日に限ってトラブルがあったらしく、途中の駅で電車が止まってしまいました。快速電車はしばらく動かないようですが、隣のホームから出ている各駅停車は動いているようです。

 こういうときスマホがあれば、乗換案内ですぐに別のルートを検索するところですが……やってみたら、Apple Watchでもできました。アップル標準のマップには音声入力で目的地を検索できる機能が備わっています。しかも幸いにも、出かける前にスマホで検索した履歴が残っていたので、その履歴をタップするだけで再度ルートを検索することができました。

Apple Watchだけでは「Googleマップ」は使えませんでしたが、アップルの「マップ」では、音声による地図&乗換検索が可能。スマホを忘れても迷わずに目的地にたどり着けます
Apple Watchにも連絡先が同期されているので、電話やSMSのほかメールも送信できます。ただし音声入力では、句読点は入力できないようです
LINEでは定型文、音声入力のほかに、LINEのキャラクターに限られますが、スタンプを送信することもできます

 電車を乗り換えるために駅のホームに降りたところで、遅れることを伝えるために待ち合わせしていた相手に電話をかけました。「AirPods Pro」があって本当に良かったです。しかし向こうも移動中なのか、電話に出てくれません。そこでSMSを送ることにしました。「メッセージ」では用意されている複数の定型文のほか、音声でメッセージを入力することもできます。なんとか連絡ができて、ほっとひと安心です。

 もうひとりの待ち合わせの相手には、普段やり取りしているLINEでメッセージを送りました。LINEもApple Watchから定型文のほか、音声入力によるメッセージの送信が可能です。また種類は限られますが、一応スタンプも送れます。なおFacebook Messengerでも同様に、音声入力や絵文字の送信が可能。ただ電車内では音声入力がしづらく、その点はちょっと困りました。

 無事取材が終わり、取材先で合流したみんなとランチに行くことになりました。入ったレストランは「PayPay」に対応していました。しかも向こうがバーコードを読み取るしくみだったので、Apple WatchのPayPayアプリで支払いができました。Apple Watchにはカメラがないので、QRコードを読み取ることはできませんが、こちらのQRコードを表示して支払うことはできます。ただし、残高がない場合、Apple Watchからチャージはできないので要注意です。

PayPayは、バーコードやQRコードを表示して読み取ってもらう方法であれば支払えます
ランチ後、Apple WatchでのPayPay払いにチャレンジ中の筆者(撮影:石野純也さん)

 ほかにメールのチェックや音声入力によるメールの送信、カレンダーでスケジュールのチェック、取材先では音声メモも使えて、結果スマホを忘れても危機的な状況に陥ることなく、無事に帰宅することができました。

 Apple WatchのGPS + Cellularモデルを使っていて、本当に良かったと改めて思いました。が、2021年は忘れ物をすることのないよう、気を引き締めて行きたいと思います。