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ソフトバンク、5Gアンテナ増設を平均6日間から2時間へ大幅短縮

既設基地局の支持柱を強化する素材と治具を開発

 ソフトバンクは、NEXTWAYと共同で5G基地局のアンテナなどの支持柱の内部に、強度が強い複合素材「ポリマテリアル」を使った製品を充填する施工方法の開発に世界で初めて成功した。

 ソフトバンクではこれまで、5G基地局の投資コストを抑えつつエリアを早期拡大するために、4G基地局などで使用する既設の支持柱の活用を検討したが、5Gアンテナを増設するするための強度不足が課題となった。これを解決するために、NEXTWAYが開発したポリマテリアルに注目し、2019年から共同開発を行ってきた。

 ポリマテリアルを既設の支持柱内部に充填し剛性を強化することで、支持柱を新設せずに、5Gのアンテナ増設を可能にするという。柱強度は平均1.37倍(最大2.0倍)になり、柱が屈曲することを防ぐと共に、補強用のプレートや結合部にかかる負荷を軽減する。

 ソフトバンクとNEXTWAYは、ポリマテリアルを支持柱の内部に充填する専用の施工用治具も共同で開発した。同治具は、先端ノズルと搬送ユニットで構成され、搬送ユニットに設置したモーターでポリマテリアルを運び、支持柱の内部に充填する。

新たに開発した専用治具
作業イメージ

 これまで、5Gアンテナを増設するには、既存のアンテナを一度取り外した上で、支持柱を交換してから5Gアンテナを設置していたが、ポリマテリアルや新規に開発した治具を使うことで作業が簡易化した。従来の工法では平均6日かかっていた工期を、約2時間へ短縮するという。ソフトバンクでは、2021年1月から順次、5G基地局のアンテナ設置工事に同施工方法を導入する。