特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】ドコモ網も利用できるPHSスマホ「HYBRID W-ZERO3」の発売日

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 11年前の2010年1月28日、Windows Mobileスマホ「HYBRID W-ZERO3」が発売されました。PHSでありながら、NTTドコモのネットワークも利用できたモデルで、スライドボディにテンキーを備えるという構造も注目を集めた製品です。

HYBRID W-ZERO3

 「1月28日」は、モバイルSuicaが2006年の同日に始まった日でもあるのですが、この2021年1月いっぱいでPHSが終了することを踏まえ、今回は「HYBRID W-ZERO3」をざっくりと振り返ってみましょう。

 当時,PHSを手掛けていたウィルコムでは、次世代PHSの全国整備までの間、という位置づけで、NTTドコモからFOMAネットワークを借り受けて、「WILLCOM CORE 3G」と名付け、通信サービスを提供していました。「HYBRID W-ZERO3」は、そんな状況で、NTTドコモのネットワークにも対応していたのです。

 PHSを手掛けるウィルコムでありながら、ドコモ網にも対応。そしてスライドボディ、Windows Mobileといった特徴に加えて、「W-SIM」という着脱できる独自モジュールを利用することもできました。

 2005年に発表されたW-SIMは、PHSの通信機能だけを独立させたモジュールで、PHSに以外にもGSM対応モジュールなどが提供されました。つまり差し替えることで、国内ではPHS、海外でもはGSMで繋がる、といった使い方を実現していたのでした。

 まもなく終わりを迎えるPHS、今はなきW-SIMやWindows Mobileなどを考えると、やや寂しく感じてしまいそうになりますが、当時は、意欲に満ち溢れた製品だったことは間違いありません。売れ筋で定番なモデルももちろん大切ですが、チャレンジに満ち溢れた製品はやっぱり楽しい。2021年もそうした製品群にぜひ出会えることを願ってやみません。